英語で答えるニッポンの不思議: 外国人の50の「なぜ?」をデイビッド・セインが解明!
- KADOKAWA(中経出版) (2007年9月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784806128373
作品紹介・あらすじ
「柔道の帯の色はどのようにして決まったの?」「携帯電話に、なぜぬいぐるみやアクセサリーなどをたくさんつけているの?」「なぜ、5円や50円玉には穴があいているの?」外国人から実際に寄せられた質問にもとづき、彼らがいだく日本への疑問50個について、英語初級者レベルの簡単でシンプルな英語でどう答えたらよいか、よく使われる英語表現やイディオムを盛り込み、ていねいに解説。
感想・レビュー・書評
-
第1章は日本の政治や日本人の生活について、第2章以降は「なぜ日本人は、知らない人とあいさつを交わしたりしないの?」や、「なぜ相撲取りは塩を投げるの?」、「なぜ意味のない英語の言葉を洋服などの商品にプリントしてるの?」など、全部で50のQ&A形式で、日本を紹介したもの。左ページに英文、右ページに訳、「表現解説」として語や表現の説明が下にあるという構成。
第1章は教科書的な説明で(「国会は1890年に最初に開設され、1915年までには、25歳以上のすべての男性に参政権が与えられるようになりました」(p.13)みたいな)、正直つまらないが、全体で7章あるうちの1章だけなので、ここを読んでしまえばあと2章以降は実際にその質問に自分ならどう答えられるだろうかと考えながら読むと、面白い。50の質問部分はわりと具体的な事象が多いが、実際日本についてあまり知らない人から聞かれるのはもっと漠然と「日本人の宗教はどうなってるの」とか、「日本の学校はどんな感じなの」とか、そういう質問も多い気がするので、わりと日本に住んで、実は日本のことをわりと知っているという人がしそうな質問集、という感じがする。あとは「携帯電話に、なぜぬいぐるみやアクセサリーなどをたくさんつけているの?」とか、「なぜ、日本人の女性は足をまっすぐに出さずに、内またで歩くの?」とか、ちょっと時代を感じさせる?ステレオタイプ?な質問も混ざっている気がする。
正直に言うと、内容的にそんなに面白いと思う部分はないのだが、知らなかったことと言えば「アメリカの場合、結婚式の費用は『花嫁の家族』が負担するというのが伝統です。」(p.50)だそうだ。それは意外。あと日本人の花粉症については「第二次大戦後、生長が早いという理由で、政府は何百万本もの杉の木を植林しました。」(p.63)というのも知らなかった。あとは「専門的なことですが、生物学にapoptosisという言葉があります。簡単にいうと、細胞が自殺する現象のことなのですが」(p.67)を読んでいて、これはぜひ生物の先生に聞いてみようと思いながら読んでたら本当にその10分後くらいに生物の先生が現れて、幸運というかびっくりというか。分かりやすく説明してもらえた。
そしておれはこの本をどういう感じで読んだかというと、右の日本語を見ながら頭の中で英訳していって、左で確認していくという感じで読んだ。わりとトレーニングになると思う。「日本の国土の73%が山地だ」(p.149)とか、高2の英作文で似たような文をやった気がする。「足元の血行をよくする」help the blood to move around (p.136)とか、「普段の練習」everyday training regimen (p.112)とか、「子ども向けのマンガと、大人向けのマンガには大変微妙ながらもきちんとした区別があります。」There is a very fine line between adult and children’s comics (p.128)とか、わりと言えそうで言いにくいもの、とか自分では思いつかない表現、というのもあると思うので、高2で英語得意な人だったらそういう使い方もありかも、と思った。普通に読むだけなら、語句の注もあるので、高校生からでも。(21/03/06)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本末転倒本