人に聞けない大人の言葉づかい (中経の文庫 と 5-1)

著者 :
  • KADOKAWA(中経出版)
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感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784806129738

感想・レビュー・書評

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  • 仰ることはごもっともで、憤慨する気持ちはとてもよく分かるのだが、この本が出版されてから13年、注意喚起だけでは後戻りができないくらい日本語は変わってしまったと思える。自分はどちらかというと最近の若者を嘆かわしく感じる側だが、自身の言葉が現代に流されている自覚は確かにある。使い方を正すことも出来ず、多勢に無勢な状況を「老害呼ばわりされずに距離を置く」ことしかできない。いまとなっては時代遅れの感性であるなあと思う部分が目立った。

  • 大人の言葉遣いとは、日本語が本来持ち合わせている、他人への気遣いや、出すぎない謙虚な心を、言葉を以って表現するという事だろう。最初読んでいて、よくある老人が最近の若者は。。。といった苦言だけのエッセイだと思い、途中で読むのをやめようかともも思ったが、完読してそうではないとわかった。むしろ、著者は、言葉は時代と共に変化するものである、数多の事例を挙げてそれを肯定している。御前は、ほんらい尊敬語であったが、現代は上から目線での言葉となってしまっているなど。しかしながら、著者が言いたいのは、会話や文章において、日本人が培ってきた心の部分まで失われていく事に対する危惧であろう。年齢や立場にふさわしい物言いは、当然あるべきであり、これは日本語だけに限らず英語でも同じだ。一読の価値はあったと思う。

  • 大人の言葉遣いとは、日本語が本来持ち合わせている、他人への気遣いや、出すぎない謙虚な心を、言葉を以って表現するという事だろう。最初読んでいて、よくある老人が最近の若者は。。。といった苦言だけのエッセイだと思い、途中で読むのをやめようかともも思ったが、完読してそうではないとわかった。むしろ、著者は、言葉は時代と共に変化するものである、数多の事例を挙げてそれを肯定している。御前は、ほんらい尊敬語であったが、現代は上から目線での言葉となってしまっているなど。しかしながら、著者が言いたいのは、会話や文章において、日本人が培ってきた心の部分まで失われていく事に対する危惧であろう。年齢や立場にふさわしい物言いは、当然あるべきであり、これは日本語だけに限らず英語でも同じだ。一読の価値はあったと思う。

  • 書名や帯のとおりのマニュアル本かと言えば、さに非ず。古老に叱られ叱られ自分の日本語感を正されている感じがして、時に「そんな古臭いことを言われても……」と思いながら読了。H26年度最初の読了本がこれというのも何かの縁だろう。章としては『間のない間抜けな話し方』が、行としては『ことばの乱れは精神の荒廃の指標であるのは、日本語において、ほかの国よりいちじるしいように思われる。』が印象的。

  • 間違えて覚えていた言葉やつい使ってしまう言い回しなど自分を振り返るのに良い内容だった

  • 大声で知性のあることははなせない。


    そうですね。

  • 大人の言葉づかいに関して、大変ためになる本。
    ちょっと癖があり、考え方が古いような気もする。

    日本語の教養とマナーが学べる。
    手紙や電話でのやり取りなどはまだまだできていないと実感した。
    自分の「日本語」を振り返りたい時に読むには良いかもしれない。

  • 言葉遣いなどのハウツー本では決してない。しかし、美しい言葉の必要性や手紙の素晴らしさなどを教えてくれる一冊

  • 2008年出版(外山さん、85歳かー)。

    言葉づかいに関するエッセイ集。気楽に読める。

    日本語にふさわしいのは横書きではなく縦書きである、という趣旨のエッセイ「立つか、寝るか」がお気に入り。『文字を読むには、視線と直角に交わる線が手がかりになる(p30)』

    かつてあるイギリスの物理学者が日本の物理学の論文に頻出する「であろう」という表現をテーマに、科学に推論表現を使われることのおかしさを指摘するエッセイを書いた。それ以後、科学論文で「であろう」表現は使われなくなったが、これに対し、『「である」と「であろう」は同義表現である。(p88)』と言い切る「「であろう」にこもる心理」も読み応えがある。

    エッセイ「年相応に”らしい”ことばを」の冒頭では、イギリスで英語を学んだ日本人がイギリス人と会話した際、そのイギリス人に「女性から英語を習ったでしょう」と看破されて驚く話が紹介されている。英語でも男女の言葉の違いがあるのだということ。女性言葉が日本特有のものだと思っていた(というか、少なくとも英語にはないと思っていた)ため、新鮮に感じられた。

    それにしても、言葉遣いがテーマの本のレビューは緊張する…悪文失礼(^^;)

  • ことばづかいは「履歴書」というのはうなずける。
    年相応のことばづかいができるように心がけよう。

著者プロフィール

外山 滋比古(とやま・しげひこ):1923年、愛知県生まれ。英文学者、文学博士、評論家、エッセイスト。東京文理科大学卒業。「英語青年」編集長を経て、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授などを歴任。専門の英文学をはじめ、日本語、教育、意味論などに関する評論を多数執筆している。2020年7月逝去。30年以上にわたり学生、ビジネスマンなど多くの読者の支持を得る『思考の整理学』をはじめ、『忘却の整理学』『知的創造のヒント』(以上、筑摩書房)、『乱読のセレンディピティ』(扶桑社)など著作は多数。

「2024年 『新版 読みの整理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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