歴史が面白くなる 東大のディープな日本史

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  • 中経出版
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本棚登録 : 824
レビュー : 74
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784806143796

感想・レビュー・書評

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  • ●読んで得たもの
     東大の過去問を用いた東大日本史の魅力
     東大日本史の射程は『あの戦争や私たちのデモクラシーにおよんでいる』
     東大日本史は『この国の歴史を問いながら私たちのあり方をも問うている』

    ●感想
     古代、中世、近世、近代の4章に分かれているが、いずれもディープ過ぎて、日本史の勉強を疎かにしてきた自分にとってすんなり入ってくる内容ではなかった。
     かろうじて明治以降の近代のみ勉強になった。

  •  東大の日本史論述問題を、一般向けに解説する本。設問そのものの解説と解答するために必要な時代背景の知識を示しながら、その解答例を示すもの。
     久しぶりに予備校の先生が書いた日本史の本を読んで、やっぱり面白いと思った。ブクログの記録によれば金谷先生の日本史の本を読んで面白いと思ったのが10年前くらいなので、古代から近代まで扱った日本史の本を読んだのはそれ以来かもしれない。おそらく日本史をちゃんとやっている人からすれば、予備校の先生の本なんて、と思うのかもしれないが、おれはそもそもが日本史苦手でどちらかと言えば好きではない人なので、これくらいで十分だし、ちょうど良いと思った。金谷先生の本のコメントでもおれは書いていたが、よくこういう流れとか背景とか分からないまま日本史を勉強したなあと思う。今となっては「不輸・不入の権」とか「今様」とか「五榜の掲示」とか、一問一答的な断片的な用語が頭の片隅に残るだけで、一体それが何の意味を持ってどういう背景のもとに生まれたものなのか、ひとつも分からないし、勉強した記憶もない。少なくともそういう所を理解しようとする姿勢を大切にしようとした記憶もなく(たぶんやろうと思っても無理だったのか、もしかするとちゃんと習ったし勉強したのかもしれないけど、単に左から右に流して終わってしまったのか、理解力がなかったのか、もはやおれにとっての日本史の勉強が何だったのかあんまりよく分からないけど)、こういう流れや背景を考えながら、それを説明するための知識を覚えていくというやり方は、結構面白いと思えるものなんだなあということが分かる。
     あとは忘れないためのメモ。元寇で話題になる、武士の一騎打ちという戦い方について、自分を名乗るのは「正々堂々と敵に向かう武士の美徳のように言われますが、実のところ、恩賞を受けるために必要な作法」(p.108)であり、「名乗りは敵に対してではなく、味方に対して行ったものだった」(同)ということを知った。そもそも「実は、『蒙古襲来絵詞(絵巻)』は、成功を立てて恩賞を得たことを子孫に伝えるために、竹崎季長自身が描かせたもの」(p.103)ということも知らなかった。あとは「一揆」というものの捉え方が大きく変わった。「一揆とは本来、人々が自発的に形成した共同体や、そうした共同体による自由な運動のこと」(p.115)だそうで、「鎌倉後期から南北朝期にかけて、武家社会においても農民社会においても、従来の血縁的な結束が弱体化し、地縁的結合が形成される動きが見られました」(p.121)という時代の流れを示すキーワードとしての「一揆」というものを知った。というか鎌倉から室町へのこういう流れもおれは曖昧にして勉強していたのだと思った。大まかに古代=上から、中世=自分たちで、近世=また上から、という流れを押さえておけば、もっといろいろ理解しやすいし、覚えられたのかもしれない。中世について、「権力が分散し、上から押さえつける力がなかったからこそ、自立の気風が強まり、惣村などの自治組織が制されて、実力で要求を貫徹しようとする一揆が、さまざまな階層から幅広く行われたとも捉えられます。中世が実力社会であったことと、一元的な権力が存在しなかったこととは、裏表の関係にあった」(p.141)ということで、今度は「近世=自力解決が否定される時代」(p.140)というのが分かりやすかった。あとは戦国時代とか勉強していても訳が分からなかったが、少なくとも誰と誰が戦ったとかを覚えるためにも、その戦いがどういう意味を持ってたのかということを流れから理解したほうがぱり覚えられる気がする。例えば秀吉と家康が戦ったことは当然知ってるとして、そこからなぜそうなったのかと言えば秀吉にとって「家康はその後、天下統一の事業を阻む壁として立ちはだかります。特に、征夷大将軍の任官を不可能としたのが家康の存在」(p.147)だったからで、それはなぜかと言えば秀吉が家康に文句なしに勝ったとは言えなかった戦いがあり、それが「小牧・長久手の戦い」で、その戦いでは…、といった感じで考えていくような授業というか本というか、そういうものに高校時代に出会いたかった。「どんな歴史的事象にも必然性が伴う」(p.239)ということを明快に示すものが欲しかった(明快さを求めるのは良くないのかもしれないけど、でもやっぱり日本史苦手&嫌いなおれにとってはそれで十分)。あと全く関係ないけど「日本の歴史上で、天皇を超えよう、天皇に変わろうとしたのは、平将門しかいません。」(p.157)らしい。確かにそう言われてみればそうかも、と思った。それから江戸時代の対馬藩の努力、というのを初めて知った。「幕府は通信使を朝貢扱いし、一方で挑戦は対等な立場であると考えていましたので(古代の朝廷と新羅の関係を想起させます)、双方のメンツを立てるため対馬藩は再三にわたって国書の書き換えを行っています」(p.185)ということだったらしい。「『異民族』が将軍に入貢しているかのような演出」(同)が行われていたり、本音とタテマエの外交、というのが古代からちゃんと行われていたり、というのも、新たな発見だった。他の「ディープ」シリーズも読んでみたいと思った。(18/01/09)

  • タイトルに惹かれて読んでみました。
    もともと、たいして日本史の知識がなかったので、意外な感じではなく、そうだったのね、とゼロからの視点で読むことになりました。
    参考になりました。こういう歴史の読み解き方も面白いですね。

  • 大学の難易度というのは、記憶力の高さだと思っていましたが、こと東大の日本史については、他大学とはまるで違う傾向の記述問題が出るのだそうです。本書は、その東大入試問題をベースにした歴史を学ぶ本。なのですが、僕は高校3年生がこういうことを(受験対策とはいえ)考えていることに、頼もしさと怖さを覚えました。全体を理解した上で傍観者的な意見を述べる技術。これって、東大話法では…? だとしても、年号や名前を覚えるばかりの教育よりは、ずっといい。でも、世界史はそういう問題なんだよね、東大も。不思議です。本書においては「東大」はきっかけでしかなく、歴史を学ぶ本、ではあるのだけど、そういう周辺ばかりが気になっちゃって。

    そういう枝葉が、僕の勉強法(負け惜しみ)。

  • 日本史は一つ一つの事象ごとに点として捉えがちだが、その点と点を結び、縦線や横線を引いてみることで、過去や世界との繋がりの中での日本の姿が見えてくる事を、東大の入試問題例を通じて理解できる。
    日本の将来を考える上でも上記の論理的思考は重要で、それを受験業界では一般的に暗記科目と捉えられがちである日本史でサラっと尋ねてくる東大はやっぱすごい。わが母校でもこういう問い方して欲しい。

  • 東大の日本史の問題はとても面白い。問題を解くのに多くの知識が必要な訳ではなく、いかに基本的な内容を“理解している”かが重要で、そこからさらに発展して物事を考えられるかが求められている。
    より多くの問題を見てみたくなった。

  • 今まであまりきいたことがない歴史がいろいろと出てきて興味がわいてきます。既定の概念がちょこっとかわります。でも、歴史とはもともとそういう気構えで読むべきなんですよね。

  • 1

  • なかなか面白かった

  • 面白かった。日本史の話も面白いけれど、そもそも東大の問題が面白かった。
    2018/6/18

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著者プロフィール

東京大学文学部卒業。長年、東進ハイスクール国語科教材スタッフとして、東大からセンター試験まであらゆるレベルの模試の作成・監修にあたる。現在は、RGBサリヴァン講師・ジェニュウィン講師として首都圏の高校で指導にあたる一方、学習ポータルサイト「学びエイド」にて、無料で動画配信を行っている。現代文・日本史・倫理などを担当。著書は、『歴史が面白くなる 東大のディープな日本史』シリーズ(KADOKAWA)など多数。

「2018年 『大学入試 マンガで倫理が面白いほどわかる本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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