- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784806145790
作品紹介・あらすじ
まだまだあった!東大の傑作入試問題!10万人が日本史の奥深さを味わったベストセラーの第2弾。
感想・レビュー・書評
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東大のディープな日本史2。前作同様、相澤理が東大の入試問題を解きまくる。前作は政治や外交など、歴史の王道を行く問題ばかりだったが、もっと遊び心のあるディープな問題はないのかという読者の声に対して呼応する形で変則サイドスローから繰り出される高速スライダーのような問題が多く取り上げてある。詳細→
http://takeshi3017.chu.jp/file8/naiyou29802.html詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今年の1月に読んだ『東大のディープな日本史』の第二弾。前作と同じく、期待を裏切らない面白い内容だった。なので感想も同じ。
「はじめに」で前作の反響を受けて、「著者の考えとは若干ズレるところ」(p.4)が紹介され、説明されている。その3つ目、「東大の日本史は論理的思考力が試される」という感想に対して、「東大入試の本質は<暗記>である(ほかの科目も含めて)というのが、予備校講師としての結論です。」(pp.6-7)と、断言している。そのすぐ後で、「『考える前に覚えろよ』という当然のことを、東大の先生方もお考えなのだと入試問題から感じます。それから<論理的思考力>などという意味不明の代物を、東大の先生方が問おうとされているとは思えません。」(p.7)という部分に、納得した。覚えてない人ほど、適当にありあわせの知識で考え出す、という傾向があるような気がする。出来ない人ほどやらないで喋る、というのと似ているような感じがある。
どの時代の話も面白かったが、特に近代の話で、「寄生地主制と財閥に象徴される戦前の日本経済の後進性が、あの戦争へと突き進む軍国主義の温床になった」(p.212)と、教科書に書いてあっても、一体それがどういうことか、ということが「高額の小作料をせしめられているがゆえに、低賃金で働かされているがゆえに、購買力がない、つまり、国内市場が育たなかった」(p.218)、だから「国内でモノが売れないのならば、海外に市場を求め」(同)ようとして、「軍事力で市場を確保する」(pp.218-9)方向へと突き進んだ、という部分が、納得した。あとは丸山真男の憲法に関する話を受けて、「改憲論者も護憲論者も、日本国憲法が<民主的>であるとしたまま志向が停止していて、<民主的>にするのは運用であるということをごっそり見失っている点では共犯的」(p.247)というのも、納得してしまった。さっきの「論理的思考力」といい、何かそれっぽいものを前にして「思考が停止」というのは、よくあることだと思う。というおれも、意識的無意識的に思考を停止させることがあるだろうから、よくよく気を付けようと思った。
この著者による第3弾や、『ディープな戦後史』というのもあるみたいなので、そっちもぜひ、読んでみたい。(18/10/12) -
うーん。今ひとつかな
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戦国
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歴史の理由を解説している。筆者個人の考え方も入っているが、考え方を学べるという点で勉強になる。
歴史のテストには要所要所の事実の記憶が必須で、それらをいかに論理的に組み立てられるかが後から歴史を見る人には求められると思った。 -
おもしろいけど、解答例の文末がことごとくおかしい。
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2015/8/11bookoffで購入。
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著者は開成→東大→いくつもの有名予備校カリスマ講師を歴任している。この本は東大の日本史入試問題から日本歴史の表層ではない深部を解説する本である。海外交易で栄えた琉球が国際社会に隠しておきたかった事とは?江戸時代伊勢神宮へのおかげ参りが爆発的に流行した理由は?昭和恐慌時、日本の経済政策と状況について緊縮・金輸出等の語句を使って説明しろ。などどれも起こった事象を知っているだけでは解けず、背景や理由を理解していなくてはならない。江戸の農民の豊かさや、大日本帝国憲法は今の憲法より民主的?など、既存のステレオタイプの歴史観では判らないだろう。すばらしい本です。
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麻布Lib
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第1巻に対する読者の反応に対しての疑問からさらに著者が伝えたいことを書いた第2巻。
オーソドックスな歴史の話が多かった前巻に比べユニークな視点から切り込んでいく東大の問題を扱っていると著者が述べている通り、全ての問題について考えてみれば今まで考えていなかった視点で歴史を見ることができるようになるだろう。著者の考えに合うか合わないかはともかく、深い歴史に関心を持ち、視点を増やすという点から見れば前巻よりも役に立つ1巻であろう。