「アベノミクス」の真相

著者 :
  • 中経出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784806147145

作品紹介・あらすじ

グローバル経済の時代、自分の国さえ栄えればいい、景気が回復すればいいという考えはもはや通用しない。「『アベノミクス』はグローバル経済を無視した浦島太郎の経済政策である」と主張する気鋭のエコノミストが、国民が選んだ「アベノミクス」への挑戦状を叩き付ける!

感想・レビュー・書評

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  • アベノミクスの3本の政策「金融政策」「財政政策」「成長戦略」に対して、チーム・アベの真の目的を(批判的に)主張している。

  • アベノミクスを様々な観点から批判的に分析。
    代わりにどのような政策がよいか?については、別の機会。

  • アベノミクスのもっとも怖いところは、人々の成長待望間と閉塞脱却願望に付け込んでいるところ。
    集権的管理体制の下で最もないがしろにされてきたのが地域の独自性。グローバル時代だからこそ、その中で、人々の生活と活動の軸として、地域社会、地域共同体が存在感を強めていく。地球の時代は地域の時代。

    発生している問題は豊さの中の貧困問題。

  • 現在の安倍政権の進める政策アベノミクスに対して、
    著者なりの視点から、警鐘を鳴らす内容。
    3本の矢毎に整理されており、大変分かりやすい。

    個人的には色々な考え方・見方があって良いと思う。
    大事なのはこうした本を読んで、自分でどう考えるのか?ということ。

    今後の日本に求められるキーワードとして「分配」が挙げられている。
    分配の是非はともかく、日本が変わらなければならないことは事実。
    何を変える必要があり、何を変える必要はないのか?
    このことについては、関心を持って政治情勢を注視していきたい。

  • 金融政策、財政政策、成長戦略と3つに分けてとことんアベノミクスを批判しています。

    妖怪アベノミクスや浦島太郎な政策とこきおろしています。

    あまりにも、否定しすぎておなか一杯になりますが、

    今の日本に必要なのは成長ではなく分配だという点は好感が持てます。

    アベノミクスの成果がどういった結果になるか見守る前に
    知っておきたい1冊

  • アベノミクスという何の根拠もない俗論に惑わされることなくその実相を見極めようというもの。日銀が狙うのはバブルによるデフレ退治。いわば自らがバブル製造装置となり毒をもって毒を制するもの。今のところ株高、円安を演出しながら長期国債を封じ込んでいるようだが、不安材料は数知れず。世界一の債権大国としての責任の放棄。バラマキ政治への回帰・・・・。山高ければ谷深し。株高の先にあるものをしっかりと見据えた行動が求められる。

  • 私は、浜先生の斜に構えが厳しい口調が、好きな時もあればそうでないときもあります。

    本書では、ちょっと毒づいているなぁ、というのが正直な感想です。けれども、本書は、アベノミクスやリフレ政策のデメリットを知りたい、一般の方向けの入門書だと思います。経済にあまり詳しくない方でも読みやすいのではないでしょうか。

    ただし、参考のためにアベノミクス推進派の方の著書も数冊読んで頂きたいなと思います。

    浜先生の著書は、過去の歴史を紐解いて、今回の事象に当てはめて説明して下さる点で、とてもわかりやすいです。また、今日に至る経緯も分かりやすいです。

    発刊時に比べて少しずつ環境の変化はあるものの、まだ資産バブルと実物デフレは見られます。資産バブルに目を向けて「脱デフレ」と判断するような、誤った方向にだけは進んで欲しくありません。

    貿易赤字も恒常化しつつあり、通貨安が必ずしも喜ばしくなくなってきています。浜先生のおっしゃるように、過度の円安信仰は危険なにおいがします。

  • 2020年の東京五輪開催が決まったと思ったら、消費税の増税も決定してしまいました。これから五輪までは好景気になると判断したのでしょうか。昨年(2012)末に衆議院選挙に勝って政権を奪取して、夏の参議院選挙も勝って、アベノミクスが成功したと判断されたような雰囲気です。

    消費税の増税の後に、法人税の減税も決まったようで、これを新聞で見たときはガッカリしました。前回5%に上げた時と同じパターンですね。アベノミクスの3本の矢はうまく行くのだろうかと疑問に思っていたところへ、この本に出会いました。

    著者の浜女史の本は何冊か読んだことはありますが、しっかりとした経済分析をする実力のある方のように思います。この本を読んで将来が少し不安になりましたが、世に言われている「俗論」と「正論」を併記したタイトルで、彼女による解説は興味深く読み進めることができました。

    以下は気になったポイントです。

    ・チームアベは、バブル製造装置化すると同時に、これまで日銀が懸命に回避しようとして来た「国債買取専門機関化」の道に大きく踏み出すことになった(p49)

    ・ECBはユーロを守るという重い使命がある、FRBは完全雇用追究義務が法的に課せられているので、仕方なく量的緩和(大風呂敷)を行っている(p60)

    ・海外からの投資資金は、売るための買いで入ってきている、それを忘れてはいけない(p71)

    ・現時点では、円ドル関係は、1ドル=50円に向かって進んでいくのが妥当な方向である(p84)

    ・広げてしまった風呂敷のたたみかたがわからなくなるという問題がある(p91)

    ・13年度予算が引き締まって見えるのは、事業も借金も12年度に先食いしたからに他ならない(p106)

    ・現時点で特別会計に計上されているのは3種類で、復興債・財投債・借換債、である(p110)

    ・成長戦略は、名目成長率が2.7%に達するという想定で策定されている、民間予測が2%前後に対して、かなり強気である(p117)

    ・消費税の中小企業向けの「簡易課税方式」は、租税制度のありかたとしてはかんりいい加減さを伴うやり方である(p137)

    ・今の日本に必要なのは、成長ではなくて分配である(p178)

    ・経済活動は、成長・競争・分配、を三辺とする三角形である(p187)

    2013年10月13日作成

  • 反論するのは良いが、理論的な論調でない。結局感性で判断してる感じがした。女性のエコノミストということで、少し期待したけど、がっかり。

  • 2013/08/28:読了

    「俗論/真相」のペア。
    多くのネタを詰め込んでいて、少し無理がある感じ。

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著者プロフィール

1952年生まれ。同志社大学大学院ビジネス研究科教授。
主著=『新・国富論――グローバル経済の教科書』(文春新書、2012年)、
『老楽国家論――反アベノミクス的生き方のススメ』(新潮社、2013年)。

「2014年 『徹底解剖国家戦略特区』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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