先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!: 鳥取環境大学の森の人間動物行動学

著者 :
  • 築地書館
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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784806713449

作品紹介・あらすじ

自然に囲まれた小さな大学で起きる動物たちと人間をめぐる珍事件を人間動物行動学の視点で描く、ほのぼのどたばた騒動記。あなたの"脳のクセ"もわかります。本日も、鳥取環境大学は動物事件でにぎやかなり!

感想・レビュー・書評

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  • このシリーズは図書館で見かけるたびに続編が登場していて、数えてみたら2023年1月時点で18冊もあった。
    著者の小林朋道さんは岡山生まれだし、1冊読んでみるかという気分になった。
    どこから読んでもいいのだろうが、できれば順番にということで2007年の第1弾から。

    タイトルからも分かるように、くだけた内容で読みやすい。
    ちょくちょく出てくる太字の部分がほど良いアクセントになっていて飽きさせない工夫も施してある。

    鳥取環境大学って知らなかったけど、すぐそばにテンとかアナグマとか沢山の生き物がいて何だか楽しそうだ。
    でも、ヘビはいやだな。
    国立科学博物館の附属自然教育園が港区白金台にあるが、そこでヘビに遭遇してかなりビビった思い出がある。

    岡山のある山の中腹にあるニホンザルの餌場の話題が出てきた。
    おそらく神庭の滝に至る山道脇のことだろう。
    コロナ禍前に行ったのだが、あまりにも平然と人の近くに寄って来るので怖かった。
    今年は大雪に見舞われているので、サルたちどうしているのか心配になる。

    ヘビやニホンザルその他野生の生き物は、ペットのイヌやネコとは違い行動が読めない。
    動物行動学の研究は楽しそうだが、実際に調査・観察に行くのは無理そうだ。
    野生の動物と対峙するとビビりまくる自分がいる。

    このシリーズは面白そうだ。読みたい本が17冊増えてしまった。
    鳥取環境大学に入学して研究・観察する疑似体験だと思って読もう。

    • Kazuさん
      順番を間違えないための覚え

      ・01 2007年03月 先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!
      ・02 2008年10月 先生、シマ...
      順番を間違えないための覚え

      ・01 2007年03月 先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!
      ・02 2008年10月 先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!
      ・03 2009年07月 先生、子リスたちがイタチを攻撃しています!
      ・04 2010年04月 先生、カエルが脱皮してその皮を食べています!
      ・05 2011年04月 先生、キジがヤギに縄張り宣言しています!
      ・06 2012年03月 先生、モモンガの風呂に入ってください!
      ・07 2013年05月 先生、大型野獣がキャンパスに侵入しました!
      ・08 2014年05月 先生、ワラジムシが取っ組みあいのケンカをしています!
      ・09 2015年06月 先生、洞窟でコウモリとアナグマが同居しています!
      ・10 2016年05月 先生、イソギンチャクが腹痛を起こしています!
      ・11 2017年05月 先生、犬にサンショウウオの捜索を頼むのですか!
      ・12 2018年05月 先生、オサムシが研究室を掃除しています!
      ・13 2018年09月 先生、脳のなかで自然が叫んでいます! (番外編)
      ・14 2019年04月 先生、アオダイショウがモモンガ家族に迫っています!
      ・15 2020年04月 先生、大蛇が図書館をうろついています!
      ・16 2021年04月 先生、頭突き中のヤギが尻尾で笑っています!
      ・17 2022年02月 先生、モモンガがお尻でフクロウを脅しています?
      ・18 2023年01月 先生、ヒキガエルが目移りしてダンゴムシを食べられません!
      2023/01/25
  • たぬきやヤギに愛着が湧いてくる。
    動物に囲まれて彼らの行動を研究する日々も、動物好きにはたまらないだろうなと思う。
    大学を考える際に自分の中では候補に上がらなかったが、こんな勉強をできるのはとても魅力的で羨ましい。
    続刊もたくさんあるようなので読んでみたい。

  • 動物生態学が専門の公立鳥取環境大学の小林朋道教授が描く、ほのぼのどたばた騒動記といったところ。
    この教授にかかるとヒトも動物。
    大学内や大学周辺にいる動物達はもちろん、学生達の観察(?)もとてもユニークで、確かに私もヒトであり動物なんだ、と改めて認識させられた。
    教授の、ヒトを含めた全ての生き物に対する愛情が感じられ、温かい眼差しで見守る姿勢にほのぼの。
    特に印象深いのは大学内で飼っているヤギのヤギコ。
    幼い頃から大勢のヒトに囲まれていたため、自分を"ヤギ"と認識していないらしい。
    大学内でヤギがのびのびと暮らしたり(ヤギ部もある)、コウモリ等普段馴染みのない動物にも遭遇したりして、この大学の学生達はめったにできない貴重な経験ができて楽しいだろうな。
    ヤギコには一度逢ってみたい。

  • 1200人ほどしか学生がいない大学での動物をめぐるエッセイだ。コウモリ、ヘビ、ハムスター、イモリ、アナグマ、シカ、ヒミズ、アリ、ヤギ、タヌキ、ドバトたちとの、そして学生たちとのエピソードが、ユーモアを交えて描かれていてとても愉しい。それぞれの章ごとにそれらしい人間動物行動学の理論が添えられている。軽い感じで書かれているので、マジな理論なのかな、それとも面白おかしく書かれているだけなのかなと思ってしまうけど、本当なんだろうなあ。ちょっぴり浮世離れしているエッセイだ。

  • 動物の生態や行動から、人間の行動に癖についても関連して書かれている作品でした。しかし内容は難しさを感じさせず、大学で起きた動物や虫との触れ合いや事件を中心に描かれており、生徒や著者との掛け合いが面白かったです。
    面白さを感じさせる一方で、動物たちを取り巻く環境についても書かれており、人の生活環境と動物たちの生活環境の課題について考えさせられました。人が暮らしやすくなる環境に整えるということは、動物にとって生活しにくい状態となることに繋がっています。(開発によって在来種の生育環境が損なわれてしまうなど…)うまく折り合いをつけるにはどうしたらいいのかな…と考えたくなります。

  • 鳥取環境大学の人間行動学の教授である作者のエッセイ?なのかな。
    鳥取環境大学は公立の大学らしいです。

    ちょっと調べてみましたが、本を読んだから余計に楽しそうな大学だろうな、と思えますね。
    地方の大学は特に、だけれど自然に囲まれた所が多そう。
    私は日本海側の地方大学に進学しましたが、そこは大自然とまではいかないものの、自転車で海にも山にも行けるような所でした。

    文章からとても楽しそうな雰囲気が伝わってきて、大学時代を懐かしく思い出しました。
    生態学より生化学の方に興味があったので、生体はほぼ扱わなかったのですが、試料採集のための漁は大変だったものの、やはり楽しかった思い出があります。

    珍しいコウモリが乱入してきたり、アオダイショウを捕まえたり、なかなか動物ネタには困らない感じです。
    ヤギとのエピソードを読んでいて、動物との距離って大事なんだな、と思いました。
    ヤギは仲間と直に触れ合うような、コミュニケーションは取らない。
    だからそれなりの距離を持って接する。

    注意深く観察する事で、なかなか見つけられない動物を見つけたり、特性に合わせた触れ合い方ができる。
    本当に大事だと思う。
    何でもかんでも同じ距離感で接しちゃいかん。

    うちにはリクガメがいるのだけれど、全然懐いていない。
    他所には顔を見ると寄ってくる個体もいるらしいけれど…
    でもそれでいいと思う。
    そんなことのためにうちに迎えたのではないのだから。
    好きだからこそ、手元に置くことが全てではない。

    このシリーズ、何冊かあるようなので、しばらくは小林先生のお話を読むことにします。
    楽しみ。

  • 職場で、「読書好きなんだねー、どんな本読んでるの?」「ミステリーが好きです!」と答えたのに勧めたれたのがこのシリーズだった笑

    でもたまにはこういう本もいいなあ。
    鳥取の大学での、たくさんの動物たちとの出会い、そして動物たちの生活から、人間の行動に関しても繋がりを見出し学んでいける。

    作者のウィットに富んだ表現も、茶目っ気のある文章も和むし、ヤギを飼ったり狸を追ったり、こういう大学生活は充実しそうだなあいいなあと思わせられた。

    読みやすいのでミステリーの合間に良いし、2作目も期待して読む。

  • 毎日発見があり、刺激的だと思った。

  • 人間動物行動学としてみると物足りなさを感じるかもしれないが、理系大学教授の動物とのふれあいとしてみれば面白いと思う。
    私はまったく別方向の大学に進んだので、こういう大学のエピソードは新鮮ですね。

  • 自分の好きな勉強ができるって幸せだな。ぼくも学生時代、役に立たなくてもいいから、本当にやりたい勉強をすればよかったのかもしれない。もしそうしてたら今のどうなってただろう、と思うが、どうせ先のことなんかわからない。その時々でやりたいことをやる、というのは大事なのかも。

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著者プロフィール

1958年岡山県生まれ。
岡山大学理学部生物学科卒業。京都大学で理学博士取得。
岡山県で高等学校に勤務後、2001年鳥取環境大学講師、2005 年教授。
2015年より公立鳥取環境大学に名称変更。
専門は動物行動学、進化心理学。
これまで、ヒトも含めた哺乳類、鳥類、両生類などの行動を、動物の生存や繁殖にどのように役立つかという視点から調べてきた。
現在は、ヒトと自然の精神的なつながりについての研究や、水辺や森の絶滅危惧動物の保全活動に取り組んでいる。
中国山地の山あいで、幼いころから野生生物たちとふれあいながら育ち、気がつくとそのまま大人になっていた。
1日のうち少しでも野生生物との"交流"をもたないと体調が悪くなる。
自分では虚弱体質の理論派だと思っているが、学生たちからは体力だのみの現場派だと言われている。

「2023年 『先生、ヒキガエルが目移りしてダンゴムシを食べられません!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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