先生、大型野獣がキャンパスに侵入しました!: 鳥取環境大学の森の人間動物行動学

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  • 築地書館
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レビュー : 41
  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784806714583

作品紹介・あらすじ

捕食者の巣穴の出入り口で暮らすトカゲ、<br>猛暑のなかで子育てするヒバリ、<br>アシナガバチをめぐる妻との攻防、<br>ヤギコとの別れ……。<br><br>自然豊かな小さな大学を舞台に起こる<br>動物と人間をめぐる事件を<br>人間動物行動学の視点で描く大好評シリーズ第7弾。<br><br>ヤギコのアルバムも掲載。<br>

感想・レビュー・書評

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  •  鳥取環境大学の小林朋道教授による,キャンパスでの動物と人々の出来事を書いた作品。

     動物の大好きな先生と学生たちが,キャンパスで日夜繰り広げられている日常は,トホホな話もあり,ヤギたちとの心温まるふれあいもあり,森林に分け入って研究する冒険譚もあり。

     キャンパスの石段に巣を作るヒバリたちを学生や小林教授が見守っている姿はほほえましいです。野生の動物との接触の心構えやどうしたらいいのかも考えさせられます。

     大学のヘラジカ林に棲む動物たちでは,アナグマ,イタチ,テン,ノウサギ……。それぞれ直接観察したり巣穴を見たり,糞や,足あとの形跡などから見つけたり,動物学の研究者ならではの視点がとても楽しいです。

     また,全国的にも非常に珍しいヤギ部の話が出てきますが,創部当初から飼われていたヤギ子が2012年に11歳で逝去。生前のヤギ子たちのエピソードもほっこりします。

  • (No.13-42) ノンフィクションです。「先生!シリーズ」最新刊(といっても5月発行)。

    なんと野生児のように丈夫なはずの小林先生が、帯状疱疹になったそうです。先生のような方でもなるんだ!
    しかし50歳過ぎまで、肩こりやそれからくる頭痛を経験したことがなかったという人っているんですね。それにもまたびっくり。
    というはじめにの挨拶から、ヒバリ、蜂、シマリス、カエル、モモンガなど盛りだくさんの内容です。

    ヒバリは昔から人間の生活圏に巣を作ってきたんだろうな。そして巣を見つけると保護した人達が多かったのだと思う。ヒバリは虫を食べてくれるんだよ、という話を子供の頃に聞かされたこともあったっけ。
    ヒバリがキャンパスの人通りが多い歩道のすぐそばで営巣しちゃって。先生はもちろんだけれど、何人もの学生たちが保護に乗り出します。

    自宅玄関前に置きっぱなしだった板の下に、小さなアシナガバチの巣があるのを見つけた先生。よくここを選んでくれた!誰かと喜びを共有したくなって初歩的なミスを犯す。妻に話してしまったのだ。それは危ないな~取ってしまわなければ、と言われてしまう。玄関前だもの、当たり前の反応でしょ。野生児の奥様は普通の人ですね。
    「玄関のハチは一つ屋根の下で暮らす家族の一員」と抗弁する先生に、「家族の一員ではありません」と奥様。蜂を救うため頭をフル回転させる先生。いや~、こういう人と暮らすのは大変でしょうね。でも面白そうだわ。

    モモンガプロジェクトの話。どういうプロジェクトかは本書を読んでいただくとして、ロゴへの情熱がとっても面白かった。ロゴに対するいろいろな考察、薀蓄。
    モモンガプロジェクトのロゴは先生が描いたのですが、その焼き印を作ってグッズに押すことに快感を覚えた先生は焼き印押し作業を独占!
    素敵だなと私が思ったのは、独占の仕方です。プロジェクトリーダーだからとか教授だからという権威を振り回すのではなく、練習用の板に何回も何回も押印して、数々の失敗を経て完璧に押せるようになり、焼き印押し作業を独り占めするのです。
    その努力を知ったらプロジェクトに参加した人で、「先生一人で押すなんてずるい」という人はいないと思う。そんなにやりたいのか!と驚くかもしれないけれど。

    何度も笑いながら楽しく読ませていただきました!

  • シリーズ7作目。

    身近な生物たちを相手にする動物行動学者の頭の中がのぞけることが楽しいシリーズです。
    観察し、仮説を立て、実験する。
    それが日常の中であたりまえになっているからこそ、1つ1つの発見にわくわくさせられるのだろうな。

    今回は私のようなカエル嫌いには厳しいエピソードも…。
    珍しく冒頭でコバヤシ先生が「カエル嫌いは読み飛ばした方がいいかも…」と書かれていたのですが、やっぱり気になって読んでしまいました。(ただし写真はほとんど手で隠しながら…)
    半分鳥肌をたてつつも、やわそうに見えるカエルの卵のゼリー状の部分が果たしている役割に驚かされました…生き物の仕組みってやっぱりすごい。
    ヒバリを見守る鳥取環境大学のみなさんのエピソードは、身近な動物と人間のちょうどよい距離感が感じられてほっこりしました。

  • 相変わらず面白い。

    特にアシナガバチの章がお気に入り。
    育った幼虫が成虫になる前にその部屋に卵を産む。
    浅くなった部屋に壁を増築して深くする。
    自然淘汰の末に得られた「効率」に感動した。

    あぁ・・・ヤギコ亡くなったか・・・

  • このシリーズは大変面白いのだけど、ちょっとした不満めいたものとしてはセキツイ動物の話題に比べて勢い昆虫類の話題が少ないコトだったのだけど、本書でそれが少し挽回された感。

    まぁ、小林先生

  • 今回も生き物達への愛がたくさん詰まってました。
    私も生き物は好きな方ではあると思っているものの、
    蜂なんてすぐに駆除してしまうので、
    害がないのなら可能な限り共生したいと思う先生を尊敬。

  • ヤギコ…!
    巻頭の写真から、どれだけ象徴的な存在だったのがわかる。
    蜂の話は、ちょうど『蜂と蟻に刺されてみた〜』と並行して読んでいたので、照らし合わせながら読むのも楽しかった。

  • なんかすごく中高時代を思い出させる先生だった。私の中高の教員は、正規の教科を教えるかたわら(正規の方も趣味と化している人も少なくなかったが)、ひそかに"裏芸"を磨いていて、総合的な学習の時間を利用して生徒をつき合わせている(ちゃんと教育的効果を狙っていたと信じてはいるが)。自分もこういう「○○博士」と仲間内で呼ばれるようなものを一つでも持ちたいなと思った。内容では、中高にヤギがいたこともあって、ヤギがイモムシを食べるのかどうかの実験が面白かった。あと、自分はさすがにハチには感情移入はしないなと思った。

  • 図書館で。
    ひばりが営巣してる大学…いいなぁ。自分の大学も大昔はフクロウが居たらしいですが建物を作るので伐採したそうで居なくなってしまったらしい。建物より自然環境を大事にしてほしいものだなぁ。

    それにしても学生がちょっと掘った池を見つけて繁殖する動物のたくましいことよ。自然破壊も簡単だけれども人間が少し気を付けて環境を整えて意識を持てば共存も出来るんだろうになぁ…。私もモモンガプロジェクト何か購入して協力しようかな。でも焼き鏝を独占している先生はちょっと大人気ないと思いました(笑)。

  • やっぱりおもしろいし、興味深い。
    ヤギ部のヤギ子が死んだことでヤギ子の写真特集あり。
    蜂を家族と言い、毎日観察する。もし家族なら、おもしろくもありめんどくさくもあるだろう。
    おもしろいけれど、へ~なるほど~と思ったり、そういう視点もあるんだなと思わされる。おすすめ。

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著者プロフィール

1958年岡山県生まれ。岡山大学理学部生物学科卒業。京都大学で理学博士取得。岡山県で高等学校に勤務後、2001年鳥取環境大学講師、2005年教授。2015年より公立鳥取環境大学に名称変更。2016年から環境学部長。専門は動物行動学。
著書に『絵でわかる動物の行動と心理』(講談社)、『利己的遺伝子から見た人間』(PHP研究所)、『ヒトの脳にはクセがある』『ヒト、動物に会う』(新潮社)、『なぜヤギは、車好きなのか?』(朝日新聞出版)、『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!』、『先生、犬にサンショウウオの捜索を頼むのですか!』(築地書館)など多数。

「2018年 『進化教育学入門 動物行動学から見た学習』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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