先生、脳のなかで自然が叫んでいます! ([鳥取環境大学]の森の人間動物行動学・番外編)

著者 :
  • 築地書館
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本棚登録 : 103
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784806715665

作品紹介・あらすじ

なぜ小林少年は、大自然とのつきあいのなかで、
すばらしい学び手となれたのか――
ヒトの精神と自然とのつながりから読み解く

幼いホモ・サピエンスの一見残酷な虫遊びには意味があるのか
生物の擬人化は、ヒトの生存・繁殖に有利なのか
生き物の習性・生態に、ヒトが特に敏感に反応するのはなぜか
アカネズミとドングリの関係、ニホンモモンガの暮らし、
キャンパスでの動物との出合い、
子どもたちとの自然教室での実験などをまじえ、
動物行動学と脳のクセから考える

感想・レビュー・書評

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  • 今回は番外編のためか、いつもと少~し違う雰囲気?(゜゜)でも面白~い(^^)あの小林少年がこの小林先生になるのか~(*゚Д゚*)

  • 資料関係の本ばかり続けて読んでいたので、小休止も兼ねて手にとった。り
    多分、以前読んだことがある。既視感がとてもあって、その分読み進めるのも速かった。
    相変わらず軽妙な文章で読みやすくてわかりやすい。人間もまた動物であることをこれだけ楽しげに解説出来る人もいないんじゃなかろうか?

  • 先生シリーズ、読んでみたかったので読んだ。面白いし分かりやすい。今回の本は番外編的な感じ。著者の動物への愛をふつふつと感じる。他のシリーズも読んでみたい。

  • これまでの「先生シリーズ」の番外編ということで、学問的専門分野に突っ込んだ少し堅い内容だったように感じた。小林少年が野山を駆け回っていたエピソードは、現在の小林先生のあるべき姿だったのだろうか?野生動物を擬人化してみる目は自然と人の精神との繋がりとなり、即ち野生生物の生息地の保全に寄与する。脳内の生物認知専用領域には動物への愛好心理を司るプログラムが存在し、それがペットの飼育に繋がる。我々ホモ.サピエンスも野生や自然との共存、動物への愛護の精神の重要性が究極的結論と感じた。

  • 先生シリーズの番外編。他の本よりちょっと専門用語が多め。生態学の勉強した気になる。でも、ユーモアがあって読みやすいのは他の本と同じ。

  • いつもより人間寄りな先生シリーズ。
    うん、いつも通り興味深い。
    そして割合先生自身のことについても書かれている感じ。
    そしてももんが可愛いよももんが。

  • 人間行動学も面白いな!

  • 2019.10.22読了。「ヒトの精神と自然とのつながり」の理解が科学的に意味あるものと証明されるなら、それは本当に環境問題の解決に不可欠なものになる。私にとってもそれは希望に思えた。ちょうど最近動物行動学の父と呼ばれるコンラート・ローレンツの『ソロモンの指輪』を読んだばかりで話がすぐに入ってきた。読んでおいてよかった。ヨーロッパの人類学の研究での聞き取り調査で「神にとって」や「精霊にとって」の項目はやはり興味深い。私はヒトと自然とのつながりの中に神や精霊といった信仰は斬っても切り離せない関係にあると思う。信仰はあくまで人間が作ったものだけどその信仰を守る事が自然との共生につながり、ヒトと自然双方の維持つまり守っているのではないかと考えるのだ。ヒトは信仰によって自分達が生きる世界を守っているのではないかと思っている。小林少年が幼少期から生物に接することの喜びが励まし支えになったように私もまたそうであった。彼らが与えてくれる喜びが無ければ文字通り今の私は無いだろうとも思う。そして脳には生物に対して専用に働く領域があるとな!私はその領域が他の人より発達しているのかあるいはもしかしたら人に対して働くべき領域まで侵食しているような気がしないでもない。本来なら残酷な動物実験(虫遊び)は幼少期にやるものだし私も覚えがあるのだが、高校時代に明らかにそれをやっている男子がいたのはある意味では興味深いものだったのかもしれない。彼らは現代の自然との触れ合いが少ない環境のせいで幼少期に抑圧されていた生物への実験観察の欲求を無意識のうちに満たそうとしていたのかもしれない。「生態展示」の広がり先が植物園とはなるほどと思った。確かに植物もその生態に即した展示のされ方をされた方が見る方も楽しいし分かりやすい。なんならその植物を利用する鳥や動物や虫も放してほしい。やっぱり共生関係を食物連鎖を直に感じたいものだ。

  • 今回は、番外編ということで、少し学術的な内容に寄せた形でいつもと雰囲気が違ったけど、これはこれで面白い。

  • <目次>
    第1章  もし、あなたがアカネズミだったなら?
    第2章  ノウサギの”大腿つきの脚”は生物か無生物か
    第3章  幼いホモ・サピエンスはなぜダンゴムシをもてあそぶのか
    第4章  ポケモンGOはなぜ人気があるのか
    第5章  狩猟採集民族としての能力と学習の深い関係
    第6章  古民家にヤギとカエルとふれあえる里山動物博物館をつくりませんか?

    <内容>
    鳥取環境大の小林教授の”センセイ”シリーズの番外編。先生の専門の人間行動学のさまざまな考察とエッセイ。さらっと読めて含蓄のあるものでした。

    逗子市立図書館

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著者プロフィール

1958年岡山県生まれ。
岡山大学理学部生物学科卒業。京都大学で理学博士取得。
岡山県で高等学校に勤務後、2001年鳥取環境大学講師、2005 年教授。
2015年より公立鳥取環境大学に名称変更。
専門は動物行動学、進化心理学。
これまで、ヒトも含めた哺乳類、鳥類、両生類などの行動を、動物の生存や繁殖にどのように役立つかという視点から調べてきた。
現在は、ヒトと自然の精神的なつながりについての研究や、水辺や森の絶滅危惧動物の保全活動に取り組んでいる。
中国山地の山あいで、幼いころから野生生物たちとふれあいながら育ち、気がつくとそのまま大人になっていた。
1日のうち少しでも野生生物との"交流"をもたないと体調が悪くなる。
自分では虚弱体質の理論派だと思っているが、学生たちからは体力だのみの現場派だと言われている。

「2023年 『先生、ヒキガエルが目移りしてダンゴムシを食べられません!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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