地球を滅ぼす炭酸飲料 データが語る人類と地球の未来

  • 築地書館 (2020年12月17日発売)
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本 ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784806716105

作品紹介・あらすじ

全米図書賞に輝く女性科学者が、大きな問題への取り組みを平易に説く快書。

学部長から「気候変動にかんする講義を受け持ってほしい」と依頼され、
人口増加、農業の集約化、過去半世紀のエネルギー使用量など、
「自分でも理解できるように極力具体的かつ正確な形で地球の変化の数値化に取り組み、
これらの作業を通じて多くを学んだ」。

データが示す地球の現状と未来は明るいものでは決してないが、
私たちひとりひとりが考え、今、ここから変えていけば、
具体的な問題解決への道筋がみえると著者は説く。

感想・レビュー・書評

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  • 読む前は炭酸飲料が製造過程やプラスチックの製造等の過程でどれほど地球や生物に影響を与えているか、みたいなテーマかと思っていた。
    実際は違ったが、環境問題や貧困問題などの社会問題を扱っており、広く学べた。

  • 1.なぜ炭酸飲料が地球を滅ぼすのか気になったので読みました。

    2.効率がよくなり、自然の消費量が減るかと思いきや、事実は異なりました。増える人口に対応せねばとばかりに過剰な生産、大量廃棄が当たり前になって世界の実情を取り上げています。私たちは生活してるだけで環境に害を与えております。また、綺麗なモノを求める欲求が強まったことや過剰な糖分摂取によって地球とともに自分の身体も破壊しております。このことについて警鐘を鳴らし、自身で見つめ直すきっかけを与えてくれる一冊となってます。

    3.炭酸飲料を作る過程で多くの二酸化炭素を排出するとともに、人間の体に悪影響だけを及ぼします。だから、炭酸飲料が地球を滅ぼすことになるのです。という結論だったので、予想通りだと思いました。
    他の内容はよく話題に取り上げられてるばかりの内容でした。私自身、自然が大好きで自分にてる範囲の自然保護をやっていこうと日々生活をしてます。
    しかし、世界の流れでは環境破壊が止まりません。SDGsが叫ばれて5年ほどたちますが、本心から環境や貧困について考えてる人はどの程度いるでしょうか。おそらく大半の人は「ビジネスで話題になってるから取り上げてる」という気持ちだと思います。そんな気持ちでは環境破壊は止まりませんし、悪くなる一方です。
    残念ながら地球破壊は止まらないと確信しました。

  • 和文タイトルが飛躍している。一般的に環境問題に関わる生産活動や行動について分かりやすく紹介※原題が「The Story of More」

    【感想】
     炭酸飲料を悪者にしている本ではない。人口増加、食糧生産システム、化石燃料によるエネルギー利用がいかに環境に影響を与え、深刻な影響を及ぼしているかを語っている本。対象読者としては環境問題への初学者。「環境問題って何?」「何が環境にとって悪いことなの?」というような、環境問題へ関心が高まり始めた人には興味深く読めるだろう。翻訳も結構いいし、ウィットにも富んでいる。
     ただ、大学で環境経済学を専攻した私にとっては、既知の内容が多かった。このような環境問題本を読んで改めて認識したのは「じゃあどうこの問題を解決するか?」に自身の興味が移っていること。「環境が大変だ」ということはもう多くの科学者が結論づけていて、周知の事実となった。じゃあ、どうすれば、幸福度を落さずに、CO2の排出量を減らし、生態系を破壊せずに暮らしていけるのか。普段の1つ1つの選択が、どれほどのインパクトを持っているのか。そういう行動や政策論について真摯に論じている本を読んでいきたい。一応この本でも「ごみを減らそう」とか「肉を食べないようにしよう」ということは語られているが、多くの人の行動を変えるインプリケーションにはなり得ない。今のところ、先進国人類は「便利で」「豊かで」「おいしく」「快適」なライフスタイルの方が、環境より大事だと考えている。
     極論だが、この本を読んで思ったのは「人口を減らしていくしかないんじゃないか」という関心を持った。むろん、今生きている人をあえて殺すとかではないが。今の世界人口を前提として、環境負荷を与えないような排出量および食糧生産は極めて難しい気がする。「いかに環境負荷を与えないエネルギー生産を行うか」「いかに環境負荷を与えないライフスタイルを選択するか」という視点はよく聞く気がするが、そもそも根本的に、先進国の人間は生きているだけでかなりの環境負荷を与えている。ただ意図せず経済成長した結果、人一人が生きていくのに必要なシステム、スキルが多くなり、子育てコストが増大し、先進国で新生児の出生数は減っているのだが。。まぁ、でも今から先進国が一人っ子政策を採用したって、間に合わないんだけどなぁ。。難しい。

  • 「気候変動への、私たちのこれから」
    殺人事件の犠牲者は世界で年間50万人、戦争による死者は5万人、
    自殺者は80万人、うちアメリカは5万人。
     病死は毎年人口75億の1%だが、50年前に比べ、貧困国の死亡率は半減した。
     200年前は都会に住む人は3%、今は半数。80年後、世界人口は100億人になる。

    肉の生産量3億トン
     50年前の3倍、50年前より少ない個体から。
     10億トンの穀物を人が食べるが、同じ量を家畜が食べ、1億トンの肉が手に入る。
    魚の半数が養殖
     1ポンド(450g)のサーモンを育てるには3ポンドの魚肉、
     そのために15ポンドの魚採餌。
     魚3000トンまでは食物連鎖は崩壊しない。いまはその75%。
    海藻 2500万トン 50年前の12.5倍
     半分は肥料、餌、化学添加物ハイドロコロイドの原料。
    砂糖
     飲み物の砂糖が増加 アメリカ人の全カロリーの10%に。
     アメリカのトウモロコシからHFCS 砂糖から摂取されるカロリーの1/3に。
    食品の40%がそのまま廃棄。

    世界の生産価値 80兆ドル この50年で4倍に
     アメリカとEUが労働価値の半分を占める。
    アメリカ人 世界人口の4%
     エネルギーの15%、電気の20%を消費。
    サハラ以南 世界人口の13% この50年で3倍に増加。
     電気のない暮らしの半分以上、浄水を確保できない人の半分以上。 
     労働価値は世界の2%
    インド 50年で人口は倍、生産価値は1000倍、だが貧困価値の指標は変化ない。
     サハラ以南+インド 人口は1/3だが、合計電気消費量は世界の10%に満たない。

    燃料やエネルギーを地球に平等に配分すると1960年代のスイスのレベルになる。

    化石燃料
     化石燃料比率は50年前の94%から85%へ減ったが、燃焼量は2倍になった。
     世界の2/3は化石燃料でタービンを回して作る。
      航空機 25000機で40億人を運ぶ 1970年ではわずか300万人
      車   アメリカ成人の85%が車通勤
       エネルギーの90%を化石燃料に頼る
       バイオ燃料1ポンドの燃料には20ポンドのサトウキビが必要
     原子力 アメリカの電力の20%

    地球の奥底に眠っていた二酸化炭素を燃やしてきた。
    二酸化炭素が熱を吸収する温室効果で気温が100年で1度上昇。

    京都議定書
     国際協定を装って文化的願望を押し付け。

    生物種存続期間 1000万年 30億年のサイクル

  • 炭酸好きとしては、見逃せない書名だったのですが、炭酸飲料の言及はわずか10ページに過ぎず、書名から期待していた内容とはかけ離れてました。

  • [NDC]519.04
    [情報入手先]
    [テーマ] でーれーBOOKS2022/エントリー作品

  • 人口、食料、エネルギー、環境など今、地球につきつけられている問題について丁寧に解説されています。

    全人口をカバー出来るだけの食料が作り出されているのに世界中の飢えている人たちには行きわたらずに破棄されている。

    石油や電気のエネルギーも少数の人達が大半を消費している。

    どれもが待ったなしの問題だからこそ今世界中が少しずつだけど動き出している。

    それがSDGsですね。

    我々も意識を変えなくてはいけない時代なんでしょうね。

  • この本を読もうと思ったきっかけは、ワシントン・インディペンデント・レビュー・ブックスの「もしも環境の現状について誰もが読むべき本を一冊選ぶとすれば、それは本書だ」という推奨文だった。しかも「感情に流されず、ユーモアを交えたわかりやすい文章で、気候変動について説明する偉業」とまで書かれている。こんな風に言われたら、思わず期待してしまうではないか。実際、環境に関する書籍の多くは、数字やデータの満載と専門用語の多用が読書意欲のブレーキになることが多い。ノルウェー科学文学アカデミーのメンバーである筆者ホープ・ヤーレンは、自らの幼少期の思い出と温暖化が進んだ現代の違いを、ワールドワイドなデータを駆使しながら、平易な表現で、しかもちょっぴりシニカルでウイットに富んだ表現で語りかけてくれる。我々が今何をなすべきかを調べるためのヒントも事細かく紹介。原題は「The Story of More」。邦題と装丁もなかなかにキャッチ―だ。

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著者プロフィール

地球生物学分野が専門の科学者。
2016 年にはタイム誌から、世界で最も影響力のある100人のひとりに選ばれた。
これまでにフルブライト賞を3度受賞している。
2008年から2016年までホノルルのハワイ大学に終身在職権のある教授として在籍。
現在はノルウェー科学文学アカデミーのメンバーで、オスロ大学教授。
前作『ラボ・ガール』(化学同人)は、全米批評家協会賞(自伝部門)を受賞。

(著者近影 撮影:Katelyn Sweeny Ching)

「2020年 『地球を滅ぼす炭酸飲料』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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