地図帳の深読み

著者 :
  • 帝国書院
3.28
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本棚登録 : 482
レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784807164691

作品紹介・あらすじ

学生時代に誰もが手にした懐かしの学校地図帳には、こんな楽しみ方があった!100年以上に渡り地図帳を出版し続けてきた帝国書院と地図研究家の今尾恵介氏がタッグを組み、海面下の土地、中央分水界、飛び地、地名や国名、経緯度や主題図など「地図帳」ならではの情報を、スマホ地図ではできない「深読み」をする!家の奥に眠るあの地図帳、今もう一度繙いてみませんか。

感想・レビュー・書評

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  • 帯には「地図帳(新詳高等地図)と一緒に読もう!」とある
    ああ、懐かしい…地図帳!
    あいにく私は捨ててしまった…
    家人が持っていたのを拝借することに
    (非常に為になるし、その時代の歴史がわかる!取っておけばよかったなぁ)

    地図を見る機会ありますか?
    車に乗ればカーナビ、道に迷ったらGoogle マップ…
    地図をみる機会が大幅に減った
    それでも旅行に行く前、一番よく見る
    旅行から帰ってから軌跡を辿るのも好きだ
    でもこれって完全に地図を平面に、ある1面からだけ見ていることになる
    楽しいけど、もったいない
    そんなことに気づかせてくれるのがこちらの書だ

    面白かったトピック

    ■川、分水嶺
    川の源流をたどるのは面白い
    ただし、平面地図では見づらいのでパソコンかスマホがベターである
    川は名前も変わるので、思った以上に長かったことも多々あり、こんな遠くから繋がってるんだ!と感動すら覚える(笑)
    特に登ったことのある山が源流だとなんか嬉しい

    ■飛地
    様々な事情で飛地が出来てしまう…
    統廃合による場合、戦争による分断等
    世界最大級はアラスカ州ですね!
    ロシアこの植民地経営を維持できずアメリカへ売却

    ■分断された国
    ベトナムやドイツ
    新旧地図の比較がわかりやすい

    ■半世紀で7割の湖が消えた
    水位が減る→海水濃度上昇→漁業の壊滅


    地図は…
    地学がわかる
    その場所の歴史がわかる
    時代背景がわかる
    土地や川や山脈の名前の由来、
    人口統計の変化、面積統計、
    言語、宗教、名産物までも…
    新旧地図の比較も興味深い
    (家の地図にユーゴスラビアが載っていた、時代の移り変わりを感じる その瞬間には気づかないことを気付かされる)
    また国内外の戦争において地形がいかに大切か…そういう目で地図を見るのも面白い
    幅広い知識の宝庫だ

    こちらはカラーだし、写真も多く楽しめるのだが、様々な方面からのご紹介的な感じなので物足りなかった
    つい奥行きある物語を求めてしまう…
    (恐らくこういう見方もあるんですよ!
    という親切な内容なのだが)
    自分自身が興味あることで深読みするのが一番かも…
    また地図を平面的ではなくもっと立体的に、また想像力を持って楽しむとよいだろう

    個人的には国土地理院の地形図
    わかるようになると登山がもっと楽しめるだろう…
    わかっているけど、つい…

    それはさておき
    地図って本当に飽きない!

  • 私は地図マニアではないが、本屋でたまたま手に取った本書がなかなか愉しくて紐解いた。世界と日本の地図が全頁カラーで載っているけれども、私の興味関心から日本の「深イイネ!」と思った部分をメモする。

    ⚫︎四万十川が太平洋を目前にして内陸へ向きを変えているのは、南海トラフ地震が何度もあって、海岸線に山ができたから。
    ⚫︎この前広島県三次もののけミュージアムに行ったのだが、そこを流れる江(ごう)の川は、そのあと広島港まであと25キロまで来て、八千代から島根県方面に流れて江津にたどり着く。これは、中国山地の隆起量に対し江の川の浸食量が根性で凌駕した結果らしい。
    ⚫︎私がパラパラめくって面白いと思った所。まるで盲腸の突起のように、境界線が入り組んでいるところがある。最もわかりやすいのが、大阪市が松原市内に細長く飛び出した部分(長さ620m、幅2mほど)がある。地図の赤色点線の市境の記号がとてつもなく異様だ。これは阿麻美許曽神社の参道のためです。この規模の大きいのが、山形、福島、新潟の県境にある飯豊山神社の参道で約8.3キロに及んでいる。地図で、こういうのを見つけれたら、楽しいだろうなぁ。
    ⚫︎知らなかったが、和歌山県は「飛地」を持っている。新宮市の東北に三重県と奈良県の間に新宮市が2カ所ある。練馬区には、埼玉県新座市の中に練馬区飛地がある。13軒の家があり、ゴミの収集や学区問題では55m離れているだけなので困っていないが、東京ブランドのお陰で隣の土地より2割も地価が高いらしい。他に神奈川県相模原市の東京都町田市飛地、大阪府池田市の兵庫県伊丹市飛地がある。
    ⚫︎地名の読み方にも一章を設けている。原音に忠実に書くのは難しいらしい。コラムで、岡山は地元民間では「おきゃーま」と言っている、と書いているが、地元民として言うが何十年前の話をしているのやら。
    ⚫︎わざとなのか?表紙に使われた地図の説明が一切ない。よく見ると、東京都日本武道館の隣に史跡(?)として「ヒカリゴケ生育地」とある。また、大分県、熊本県、福岡県の県境に酒呑童子山がある。九州に何故?そのすぐ側には、カメルーン選手たちの練習場になった中津江があり、鯛生という閉山した鉱山があった。ちょっと調べたら金山で70年代まで掘っていたらしい。いろいろ気になるー!
    地図って、楽しそう!

  • ◯地図帳の裏技的な読み方でも教えてくれるのかしら、と思ったら、地図帳をもとに色々な話が展開されている。もちろん地図帳の理解できなかったマークなどの説明もある。面白い。
    ◯改めて地図帳の情報量の多さを思い知った。面白かったのは、日本の古い国の名前が載っていたこと、名産品が載っていたことか。
    ◯本の中で行われていた、新旧比較もその時々の世界情勢を知られて面白い。地図帳は自然のものではなく、人間の営為によって作られているのだと(地学というよりは、歴史や社会に近い)と感じた。

  • 地図研究家として多くの著作のある筆者。
    今回テーマに選んだのは懐かしい帝国書院の地図。学校でお馴染みのカラー版の地図帳から見えてくる奥深い地理の世界。

    日本人なら誰もが手に取っただろう帝国書院の地図帳。標高、国境から各地の名産地や宗教、言語まで。地図から浮かび上がる蘊蓄の数々。

    本書を読み地図帳から広い世界を想像したこと子供の頃を思い出した。まだ見ぬ異国。単にテストのためでなく大好きな学科だった。クリスマス島やエロマンガ島。

    本書は地図をそれこそ穴のあくほど眺めて筆者でなければ気づかなかったトリビアの連続。四万十川の蛇行や、山越えをする吉野川ら江の川など。

    本書はベストセラーになっているという。これだけ身近な地図帳は世界史上あっただろうか。
    世紀のベストセラー帝国書院の地図帳を手段としたのだからもちろん本書も傑作です。

  • 八郎潟は、海抜-3~-5m。
    カスピ海は―22~34m。皮が流れ込んでいる。流れ出す川はない。
    死海は地球の裂け目。-400m。
    北米大陸のデスヴァレーは-85m。

    福島県の飯豊山神社の参道は、細長く福島県が続いている。
    大阪市は松原市内の阿麻美許曽神社の参道をもつ。
    横浜市はほぼ相模国ではなく武蔵国。

    練馬区は新座市に飛び地、伊丹市は池田市に柱脚だけの飛び地がある。
    ロシアは、ポーランドとリトアニアの間に飛び地がある。

    上流は千曲川、下流は信濃川。
    有明海を4割干拓する計画があった。
    アラル海は半世紀で7割が消えた。かつては世界第4位の巨大湖。かつての港には海がある。

    ニースやカンヌは知床と同じ緯度。

    東海道新幹線でもっとも南の駅は浜松駅。
    アラスカと練馬区は同じ人口。

  • これ、私の好きなやつ。
    学校では教えてくれない、でも、地図を見てて何となく感じるザワザワ感や、全く気になって無かった事まで、
    気持ち良く網羅?されてる。
    この本は、つまんない人には、まーったくどうでもいい事しか書いてないでしょうが、
    ハマった人には、あるある!ってなんかニヤニヤしながら読んでしまう、そして誰かに話したくなり、うっかり撃沈するヤツです(笑)

    • くりりんさん
      地図って、その土地行ったこと無くても、そこに記された情報だけで、いろいろ想像して行った気になれる便利なツールと思います。一方でこの本に書かれ...
      地図って、その土地行ったこと無くても、そこに記された情報だけで、いろいろ想像して行った気になれる便利なツールと思います。一方でこの本に書かれている様に、地名の由来や地形などを知ると、その土地の歴史や人々の生活が垣間見れる、歴史書みたいな役目もあるのかなぁと思いました。
      2019/12/12
  • 地図帳、私も好きでした。がこの本に書かれているほど深くは読み込んでいなかったなと思わず実感してしまいました。自分の場合はもっぱらどこにどの都市があるといった位置情報に重きをおいて眺めていたのですが、本作ではそのほかにも機構、言語など全方位的に地図帳をタイトルとおり深読みし著者が持つ知見がおしみなく注ぎ込まれています。今尾さんの本でいつも思うのですが、地図の図版を挿入した構成であるためもっと大判で地図の図版も最大サイズにしたもので読みたかったなと思います。

  • 帝国書院からの出版です。

    小学校の時に誰もが目を通したであろう
    地図帳も帝国書院です。

    その帝国書院から地図研究家として名高
    い今尾氏の執筆とくれば、読まずには
    いられません。

    あらゆる情報が詰まった地図帳でありま
    すが、充分にそれを使いこなしていると
    は言いがたいと思える人こそ読むべき
    一冊です。

    例えば最近は県境マニアが注目を浴びて
    います。アメリカにも同様のマニアがい
    て、4つの州が出会う場所があるらしい
    のです。

    ユタ州、コロラド州、アリゾナ州、ニュ
    ーメキシコ州の州境が集まっているそう
    です。そんな場所も地図から読み取るこ
    とができます。

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著者プロフィール

今尾恵介(いまお・けいすけ)
1959年横浜市生まれ。地図研究家。明治大学文学部中退。中学生の頃から国土地理院発行の地形図や時刻表を眺めるのが趣味。音楽出版社勤務を経て、1991年にフリーランサーとして独立、1991年より執筆業を開始。地図や地形図の著作を主に手がけるほか、地名や鉄道にも造詣が深い。主な著書に『地図で読む戦争の時代』『地図と鉄道省文書で読む私鉄の歩み』(白水社)『鉄道でゆく凸凹地形の旅』(朝日新書)『地図帳の深読み』(帝国書院)など多数。現在(一財)日本地図センター客員研究員、(一財)地図情報センター評議員、日本地図学会「地図と地名」専門部会主査。

「2020年 『長野電鉄百年探訪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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