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- Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
- / ISBN・EAN: 9784807901838
感想・レビュー・書評
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DNAの二重らせん構造の発見、RNAによる遺伝情報の伝達メカニズムの解明、タンパク質が生体内で働く仕組みの解明という3つのテーマを中心に、分子生物学の黎明期から1970年台初頭までの発展の歴史を綴っている。
当事者の多くがまだ存命で、そのためにこの科学の新しい分野が生まれてくる様子が非常に生き生きと描かれていて、大変面白かった。
分子生物学の分野には、遺伝学のような従来の生物学の領域より他の分野の科学者の流入による影響が大きかったということが意外であった。化学はもとより物理学の領域から非常に多くの科学者が参入し、重要な貢献をしている。
目に見えないものの構造や機能を解明するために、X線回折による解析、フーリエ変換をベースとした結晶構造の解析などの物理、数学の領域の科学も取り入れられ、異分野が混ざり合うことで、だれもが予想をしなかった姿が明らかになっていく。
科学の発展は直線的なものではないと理解はしていたが、このように具体的かつ変化に富んだストーリーで示されることで、そのことをより深く感じることができた。
科学というものの実際の姿を知るために、とても良い本であると思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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