桝 太一が聞く 科学の伝え方

著者 :
  • 東京化学同人
3.87
  • (12)
  • (13)
  • (11)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 164
感想 : 27
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784807920365

作品紹介・あらすじ

サイエンスコミュニケーションとは何か?どんな解決すべき課題があるのか?
桝先生と一緒にインタビュアーになったつもりで,答えを探してみませんか?
桝太一さんが皆さんと一緒にサイエンスコミュニケーションを考えるよみもの。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 国立科学博物館はよく行っていたのだが、コロナ禍で3年近くご無沙汰している。
    2020年に開催したミイラ展の話題が出てきた。
    特別展では主な対象者を絞り込み、それに合わせて説明や展示の方法を考えるそうだ。
    ミイラ展では高齢者と子供と予想したが、実際は若い女性が多かったらしい。
    コロナのせいで、高齢者と子供を連れていく親が敬遠したからかもしれない。

    当時は子供は感染しにくく重症化の例もほとんどなかったのに、学校を休校にするなどエビデンスのない施策が行われた。
    新型コロナでは正しいことを言う人より、分かり易い説明をする人の意見が受け入れられやすかった。
    原発事故の時も同じで、メディアにも科学を学んだことのある人間がもう少し増えた方がいいと私も思った。

    占いは信じる。科学は納得する。
    「あなたの言うことは信じられない」という言い合いをよくみかけるが、
    「科学は信じる信じないではない。証拠に基づいて推測するもの」
    「神様がそう作ったからだ、と言われるとそこで終わってしまう」

    科学をいかに伝えるか。知らないことは知らないと答えることも重要。
    科学を伝える際は、その正確性が担保されていることが大切。
    分かっていることを分かり易く伝えることも難しいので、分からないことを分かり易く伝えることができていない。

    科学者は専門でないことに意見すると世間から批判を浴びることがあるので表に出るのをやめようという人も多いらしい。
    今まだ続いているコロナ騒動でも、「感染症の専門家でないのに」とか「医療現場の状況を知らないのに」とか言われている。

    山中伸弥さんは新型コロナウイルス感染症に関し、世間が何を信じていいのか分からない初期の頃に最新の情報を発信しはじめた。
    「専門外なのだが」とことわっていたが専門家が表に出て正確な情報を伝えないので業を煮やして関わって来たように思えた。
    情報発信のために使用するデータは出所がはっきり明示されているので、信頼度は高いと感じ今でも発信情報を読んでいる。

    山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信
    https://www.covid19-yamanaka.com/

    コロナ関連のニュースや記事や本が巷にあふれているが、元データが不明なものや正確性が担保されていないものは信用しない方がいい。

    サイエンスコミュニケータの代表と言えば、さかなクンですね。とても楽しそうに伝えてくれます。
    他に思いつくのは、米村でんじろう、香川照之、養老孟司、といった面々ですか。

    桝太一さんには今後のサイエンスコミュニケータとしての活躍に期待します。
    サイエンスゼロ、所さんの目がテン、ブラタモリみたいに気軽に楽しめる、週1回30分程度の番組ができるといいなと思っています。

  • サイエンスコミュニケーターの役割についてのインタビュー記事。基礎研究と応用研究の話だったり、話の上手い人がいうことが目立ってしまっている事象について、様々な意見が勉強になった。本はとても薄い

  • 日本でイノベーションが起こりやすくするために、偽科学に騙されないように全国民が科学リテラシーを高めるために、少しでも多くの人が科学の面白さを感じられるようにするために、サイエンスコミュニケーションを生業にする人というのは必要だと思ったし、科学に関わる人間がその意識を持つことも大事だと思った。
    桝太一さんは流石プロという感じで、話を聞き出すのと、噛み砕いて分かりやすくするのが上手い。
    物理学系の方との対話もぜひ続編でやってほしい。

  • 「サイエンスコミュニケーション」聞き慣れない言葉だ。

  • 2022年10月
    最初のインタビューが山中先生で、コロナ禍の中であえて「発信」に踏み切った理由をお話しされていて、我々はサイエンスコミュニケーションというものを必要としていたという事実にそもそも気付かされた。
    あと桝さんがテレビでノーベル賞を紹介する番組を作られていたことをこの本ではじめて知った。見たかったなぁ。

  • サイエンスコミュニケーションとは?

    山中伸弥 ips細胞 ノーベル賞
    大隅良典 オートファージ ノーベル賞
    篠田謙一 国立科学博物館館長
    小川義和 科博のサイエンスコミュニケーシ
         ョンの生みの親
    藤田 誠 結晶スポンジ法で世界に衝撃
    山本 尚 有機化学界の牽引者
    佐藤健太郎 サイエンスライター
    石浦章一 サイエンスコミュニケーションや
         サイエンスライティングを指導


    敷居の高い本かしら?と思いながら読み始めて、あっという間に読み終えてしまいました

    面白かったです❗

    12~3年前、科博で「女子だけナイトミュージアム」イベントがありました。
    小学生女子がワンサか集まり、女性研究者の話しを聞いて、質問応答、夜の博物館探検❤️

    種まきされてたんですね。

    私は、桝の対談後記 が良かったです。
    桝さんのお人柄が出ていて、やさしい言葉で
    まとめられていました。


    科学のヒーローの例に山中伸弥先生やさかなクンです。と香川照之さんの昆虫番組では香川さんが心から楽しそうにされている。と
    JAXAの記者会見の素晴らしいさ。

    そして、桝 太一 
             さんもと私は思います。






        

  • 請求記号 407/Ma 66

  • 印象に残っているところ
    ・p60博士に対するリスペクトはなくなってしまいました。鉄腕アトムのお茶の水博士は科学技術庁の長官という立場ですが、名探偵コナンの阿笠博士は発明好きのおじさんという立場。→アガサ博士は超天才。コナンが活躍できているのはアガサ博士のおかげ。
    ・p60かつて大隈重信は「学の独立」といって、国の繁栄のためには政治と学問は切り離さなくてはいけないと述べた→校歌をただ歌っているだけだったのだが気づかされた
    ・p82化学程面白い学問はありませんよ。物理研究は一秒でわかってしまうか10年以上かかるかのどちらかが多い。化学は3~4日で結果がわかる→じゃあ生物は?
    ・一度就職された方があとから博士号を目指しやすい環境にするシステムにしていかないといけませんね。そうしたほうが科学の発展にとっても絶対にいい。科学は多様な人がいた方がうまくいくんです→中部大学ペプチド研究センター長の山本尚さん、ありがとうございます。私はまさに社会人博士課程生です。もう退学しますがまたいつか。
    ・p85実用的な役に立つか立たないかで判断するのではなく、おもしろい・感動する・成長できる・・・そういった要素を評価して、お金をかける価値があると社会が判断する懐の深さは、確実にあるわけです→ライブやスポーツ観戦はまさにそうだよね

  • 背ラベル:407-マ

全27件中 1 - 10件を表示

桝太一の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
米澤 穂信
マシュー・サイド
辻村 深月
マシュー・サイド
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×