- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784808308926
作品紹介・あらすじ
スイカ大躍進のヒミツ。前代未聞のSuicaプロジェクトはこうして成功した。世界最大規模の交通システムネットワークとICカードが開け放った巨大ビジネス。鉄道の枠を超えて進化するJR東日本の未来戦略とは。
感想・レビュー・書評
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Suicaが各改札ごとの分散型サーバから駅ごとのセンターサーバ方式になるらしいニュースと「Suicaはあの仕組みがすごかったのになんで変えてしまうんやろ」みたいなツイートを読んで気になって買ってみた(絶版なのかネット書店では取り扱いがなくメルカリでゲット)
面白い、まず日本独特の縛りゲーが難易度高い、「とにかくラッシュ時にスムーズに通さないといけない」という絶対的命題があるおかげで当時既存だったヨーロッパの激重扉もダメ、爆速のデータ交換達成しないとダメ、で普通に開発してたら「まあそこは現場の運用でよしなにしてくれよ」って濁したくなっちゃうところがことごとく通用しない
ど〜〜〜しても読み取り機を通過させる速度にデータ読み書きが間に合わんぞ?ってなって「せや!ちょっとだけ読み取り機傾けて通過さすんじゃなくてしっかりかざしてもらおう!」ってなったところはほんとにコンマ何秒の世界で震えた
改札でがっつりタッチしてくおばちゃんに「そんなんシュッと上通したらいいのに」とか思ってたの反省しました、しっかりタッチします、実際たまにエラー出して余計に時間かかることあるし
PiTaPaがまた違ったアプローチなのも面白い、関西って定期券ないんや、、、
先進的な取り組みだけどあまりに先取りしすぎると人々は着いてこれない、インフラ会社はそこを大事にしてくのも重要だよね、って褒めてるんか貶してるんかよくわからん講評もよかっあ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者はJR東日本でSuicaシステムの開発を指揮した方。
わたし自身、この本のなかで書かれている、それまでの磁気カードシステムからSuicaへの切り替えのそのときを見ている。
個人的な印象では「あっという間に切り替わり、当たり前になった」というかんじだった。
ユーザーとしては、「便利・手軽」が単純にわかりやすく、すぐに体感できたものだった。
開発開始当時、すでに海外ではICカードによるシステムは実用化はされていた。ただし、これに日本独自の事情を織り込み、将来の「電子切符」以上の広がりを目指すことを考えると、ほとんど「新たなものを一から作る」ような状態であったようだ。
実働に至るまでのハード面、ソフト面両方の困難について書かれており、今では当たり前に使っているこのシステムがどれだけ考えられて、細かい改善を加えられてできたものなのかがわかる。 -
他方に比べて、技術的な話は少ない。
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技術者としてのモチベーションがかなり上がる
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やっぱりSuicaは便利だし、Suicaと一緒になったVIEWカードも便利だし、さかざきちはるさんのペンギンはかわいいし。読みたかったのになかなか読めなくて、先週の通勤時間に一気に読み終えてしまった。いろんな経緯が読めて面白かった。
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面白かった。 JRという巨大公益企業が、それまでの古くなった経営体質から、一企業としての出発を成し遂げた物語だとおもう。 国にバックアップされた単なる輸送屋からビジネスモデルを追及する企業に変革するのにSuicaは大きな推進力になったと思う。 Suicaは単なる切符の置き換えだけでなく、電子マネーの布石を敷いた大きな成功だ。
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Suicaって便利やね。電子マネーの淘汰が進んだ後に生き残る大本命やと思います。
Suica推進プロジェクトの指揮を執ってる人の書いた本。 -
巨大公益企業において、それまでにない挑戦的な試みが成功した背景を知りたかった。プロジェクトの始めの頃の社内の無理解、保守的な反応に象徴されるように組織的な壁はやはり大きかったようだが、それ以上に優れたリーダ人材がいて、社内外で実行体制ができているところが、さすがJRと感じた。当初から単なる切符の代替ではなく、金融の世界を変えるようなインパクトを想定していたところの先見性に脱帽する。関西でのスイカに対抗するような取り組み(ポストペイ方式)は初めて知ったが、スイカにはない鉄道事業そのものに大きな影響を与える可能性があるものと感じる。
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Suica の開発記。システム開発者にとって参考になる。難しい話は書かれてないが、個人的には分散処理のところはもう少し詳細に知りたい。
磁気式きっぷは反転部があって裏でも入れられる(?)
250kbps
海外とは全然違う
試験における障害検出率
バスのデータ管理はメモリーカードがささってて運転手が毎回抜いてる
神が人間に与えた特権は「人に尽くす喜び」と「ものを創る喜び」
-> 知る喜びもあると思う。 -
筆者はJR東日本の現役幹部で、技術設備系の出身。本書も大半はSuica誕生に至るまでの技術的な歴史で、戦後の券売機自動化から改札IC化、更にはPASMOとの相互開放までを書き起こしていく。
日本には世界に例を見ない都市鉄道網が形成され、ラッシュ時の乗降客数、精緻なダイヤ、距離別運賃制などを見てもインフラの完成度が高い。その中で出改札の効率化を長年追求してきた結果としてSuicaが導入され、ついには電子マネー普及の端緒とまでなっている。
ただできれば、技術史だけでなく電子マネーの経済的な側面、流通業にもたらすマーケティングインパクトにも言及してほしかった。その辺はただいま展開中なので、企業秘密なのかも。