もっと知りたい葛飾北斎―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
- 東京美術 (2005年8月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (80ページ)
- / ISBN・EAN: 9784808707859
感想・レビュー・書評
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著者、永田生慈さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。
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永田 生慈(ながた せいじ、昭和26年(1951年)8月1日 - 平成30年(2018年)2月6日)は、浮世絵研究家。特に葛飾北斎の研究と作品蒐集を精力的に行い、コレクションは島根県立美術館に寄贈・収蔵された。
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で、本作の内容は、次のとおり。
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絵のこと以外は頓着しないユーモラスな素顔や、人間関係など、エピソードもふんだんに盛り込み、天才の90年の生涯に大接近する。
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そして、葛飾北斎、ウィキペディアには、次のように書かれています。
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葛飾 北斎(かつしか ほくさい、旧字体:葛飾詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本書は、葛飾北斎の90年の生涯と作品を、1~19歳「誕生・幼少年期」、20~35歳「習作の時代・春朗期」、35~45歳「宗理様式の時代」、45~52歳「読本挿絵と肉筆画の時代」、53~70歳「絵手本の時代」、71~74歳「錦絵の時代」、75~90歳「肉筆画の時代」と分けて、オールカラーでビジュアルに解説している。
私は、北斎に関して、代表作である「富嶽三十六景」のいくつかの作品や、ゴッホなどの印象派画壇に大きな影響を与えたこと、海外の雑誌で「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」(調べたところ、米雑誌『ライフ』が1999年に発表したものだった)で日本人として唯一選ばれたことくらいしか知らなかったのだが、本書に目を通して、少なからぬ驚きと発見があった。
まずは、あまりにも多様な対象を、多様な手法・技法で描き続けたこと(西洋の画家にはこのようなタイプはあまりいないのではないだろうか)。そして、多くの人々が抱く「風景版画家」としての作品(「富嶽三十六景」など)は70~74歳のわずか4年の間に制作されたらしいこと。さらに、75歳のときに発表した『富嶽百景』の跋文で、「70歳以前に描いたものは、実に取るに足らないものばかりであった・・・(精進し続ければ)80歳でますます向上し、90歳になればさらにその奥意を極めて、100歳でまさに神妙の域を超えるのではないだろうか。100何十歳となれば一点一格が生きているようになることだろう」と書き、90歳で死に際しても「あと十年、いや、せめて五年生かしてくれ。そうすれば、まことの絵描きになってみせる!」と執着ともいうべき作画への情熱を持っていたこと。。。などである。
北斎が、歌川広重とともに浮世絵のひとつのジャンルとして確立した名所絵(風景画)が、浮世絵の魅力を現代の人々にも伝えていることは間違いないが、北斎のエネルギッシュさと造形への飽くなき執念はそれに収まるものではなかったことがよくわかった。
コンパクトでありながら、北斎の持ち味と魅力が存分に味わえる良書。 -
北斎漫画に大きな焦点をあててその生涯と作品について書いている。
偉大なる北斎をより理解する一歩として内容深い本。 -
江戸時代後期。
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神戸市立博物館で6/22まで開催されている「ボストン美術館浮世絵名品展 北斎」に行こうと思う。どうせなら、ちょっとウンチクを仕込んでから行ってみよう。(こっちの方が絵が多くてトウシロウ向きか)
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葛飾北斎の生涯と画業を解説したものですが、とてもわかりやすくまとまっていたと思います。北斎は多くの人に影響を与えた日本人としてはとても稀有な人だと思いますが、それらの画業を丹念にわかりやすく説明していました。
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風が見える。
絵の向こうに動きが見える。
三角と四角と丸で書かれた猿最高!
この世のものは全て、三角と四角と丸で書ける。 -
葛飾北斎を学びたい方にはこの書籍はおすすめ。北斎の歴史が具体的に文字と絵で描かれているこの一冊はとにかく読みやすい。葛飾北斎の一ファンとしておすすめの一冊。
昔から葛飾北斎のファンである私はこの本は結構すき。
とにかく葛飾北斎の何がいいかというと、もちろん一般的に知られている技術力や表現力はいうまでもない。代表作と言われる『富嶽三十六景』や『北斎漫画』は日本だけではなく、世界的にも著名な画家であり。
同じ日本人として自慢ともいえるでしょう。
しかし北斎のすばらしさはそれだけではとどまらない。と私は強く思う。
名前を何度も変えたり(改号すること30回 )、家を何回も引っ越したり(転居すること93回 )、とちょっと変わった、いやかなり変わっているでしょう。絵を描くことのみに集中のため、部屋が荒れたり汚れたりするたびに引っ越していと言われている。
そして死ぬ直前まで描き続ける、その実に凄まじいと言っても過言ではない葛飾北斎の絵にカンする情熱。
そんな彼の生き方と彼の描いた数々の絵画が紹介されているこの一冊を深く読み楽しむことがでくる。 -
大北斎展に行ってきたので、もっと北斎のことを知りたいと思って図書館で借りた本。
ざっと北斎の一生を知るには簡単でいい本だと思います。
でも、博物館で買った図録の方がもっと詳しく書いているのでそちらも合わせて熟読しようと思っています。 -
北斎はすごい浮世絵師だ、浮世絵だったら北斎がいちばん好き、と思っていた(もちろん今も)。でも、肉筆画を観て驚嘆した。齢百になろうとして、この生命力、この艶!信州小布施にお出での機会あれば、ぜひかの地の北斎館へ。これだけ見事に揃った肉筆画は、他所では滅多に観られません。(図録がヒットしないので、便宜上この入門シリーズに代表していただきます)。彼は稀代のグラフィックデザイナーだったのだ、とも思ったが、やはり自らが称したように「画狂」こそが彼には相応しい。