もっと知りたいマティス 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

  • 東京美術 (2016年8月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (80ページ) / ISBN・EAN: 9784808710491

作品紹介・あらすじ

「絵画」とは何か、「表現する」というのはどういうことなのかーーマティスは常に自身の画家としての実践のなかで、表現と造形のあり方そのものを模索し続けた、20世紀の巨匠のなかでもとりわけ影響力の大きな存在です。本書は、マティスの生きた時代と画家自身の資質に培われた創造の世界を、多角的な切り口を交えつつ紹介する画期的な入門書です。
その歩みは、マネや印象派などモダン・アートの新しい傾向が次々と展開された1890年代のパリに始まり、幾度もの転機を経て、ポップアートなど20世紀後半の新世代へ橋渡しするまでの80年余りにわたります。本書は、自らの芸術について語った有名な『画家のノート』、制作行為自体を証すプロセスやヴァリエーション、絵画と装飾、デッサンと色彩の葛藤など、重要な手がかりを織り交ぜつつ、「旧来の絵画のあり方を超えて、新たな、よりしなやかに私たちと結びつく、視界を切り開いた」マティスの画業をたどります。西欧の近現代美術を理解するうえでも役に立つ画集となっています。

みんなの感想まとめ

表現と造形の探求を続けた画家の魅力を深く掘り下げる本書は、マティスの独特な視点と技法を通じて、絵画の新たな可能性を示しています。特に、マティスの作品が持つ2次元と3次元の間を行き来する表現が印象的で、...

感想・レビュー・書評

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  • まず書いておかなければならないのは、本書の著者・天野知香氏によるテキストは同シリーズのなかでも際立って的確だということ。マティスを知りたければまずこの1冊。

    なるほどと膝を打った指摘は、マティスの絵というのは2次元と3次元のあいだをたゆたうような表現であるということ。

    例えばテーブルを覆う赤い布が壁面を這い上るように描かれている「赤のハーモニー」。底面と高さがまるで、ひとつの平面のようだ。まさにこれなんて2.5次元。

    さてマティスといえば、人気のある「ジャズ」シリーズや「ブルーヌード」などに代表される切り絵だ。これも大好きだけど、加えて彼がモロッコを旅したときに描いた「カスバの門」、「テラスのゾラ」、「窓から見た風景」もお気に入り。

    一方で、室内装飾画のような作品のいくつかには、どうしても受け付けないものもあった。

    ところで、フランスはニースの近くにあるヴァンス村の、マティスが全面的に空間装飾にたずさわった礼拝堂を見た。司祭が纏う上蔡服まで彼がデザインしている。

    この、表現が矛盾しているかもしれないが、「抽象的であると同時に具体的な空間」に入り、ステンドグラスや壁画や祭壇を目にしながら、文字通り脳がしびれた。

    この体験をきっかけに、目にかかっていた薄い膜が剥がれたかのように、マティスの作品が、これまで見たものも含めてまったく違って見えるようになったから不思議。

    とくに、これまで何とも思わなかった晩年の室内装飾画。例えば本書に掲載されている「エジプトのカーテンのある室内」と「大きな赤い室内」(これはパリの国立近代美術館で見た)。

    これらなんて今や、本書に印刷されてるのを見ただけでもう全身に鳥肌が立つ。なぜだかわからないけど、そうだ、両目を寄せて見ると3Dに浮かび上がって見える錯視画が見えた瞬間の感じに近い。

    ひょっとしてこの絵のこの瞬間のすばらしさは、自分にしか見えていないのではないかという幸福な錯覚に包まれるのだ。

  • 『ジヴェルニーの食卓』の最初の話がマティスだから少し興味出てこの本手に取ったけどまだ私には良さがわからんな〜途中で断念
    いつか美術館でみて、また興味が出たら読み返そう

  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1342532

  • 2次元と3次元の間の反復横跳びを2次元のキャンバス上でやろうとする狂人。

  • 2023/5/18

    メモ
    ・セザンヌのヴォリュームとは?
    ・マティスはフォーヴ的な荒々しい筆致で描くが、セザンヌに学んだ彩色の構成などに工夫をこらし、全体のバランス感は保つ
    ・《赤のハーモニー》の衝撃たるや
    ・《茄子のある部屋》好き

  • 読んだのはkindleの名画シリーズマティスだが記録用に使わせてもらう。

    はじめてマティスに出会ったのは絵画ではなく、原田マハの「ジヴェルニーの食卓」に収録された「うつくしい墓」。リアルに描写された心情と調和を描くことによって平和を求めたマティスの姿がとても美しくて、この人のことをもっと知りたいと思うようになった。

    しかしマティスの絵を調べてみると予想外、全く美しいと感じなかったのである笑
    なんだこのテキトーな描写と明るすぎる原色は...と

    それでも評価されている画家だし、国立西洋美術館の「ピカソとその時代」に行く前に予習しておこうと読んでみた。

    私は色彩を感じにくいからなのか抽象化されすぎた絵にはやはり惹かれない。装飾や古典回帰の時代の絵には魅力を感じるが。
    しかし、この本やマティスの精神性をわかりやすく伝えてくれるし、世界大戦の最中に自身の病とも闘いながら色彩と形を探求する姿に心打たれた。

    マティスの絵をじっくり、生でみたら感じるものも違うかなあ。今度の展示会が楽しみだ。

  • マティスの教会に行ってみたい。

  • 【資料ID: 1117023007】 723.35-A 43
    http://opac.lib.saga-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB21969834

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著者プロフィール

天野 知香(アマノ チカ)
1959年生まれ。東京大学文学部美術史学科、同大学院修士、博士課程修了。パリ第一大学芸術考古学研究所博士課程留学。博士(文学)。現在お茶の水女子大学基幹研究院人文科学系教授。専門はフランス近代美術史、フェミニズム美術史。主要著書・編著・論文に、『装飾/芸術―19-20世紀フランスにおける「芸術」の位相』(ブリュッケ、2001年)、「視覚『芸術』における身体―フェミニズムによる美術史の再検討」(竹村和子編、シリーズ ジェンダー研究のフロンティア第5巻『欲望・暴力のレジーム―揺らぐ表象/格闘する理論』作品社、2008年)、『西洋近代の都市と芸術3 パリII』(竹林舎、2015年)ほか。展覧会企画として「マティス」(国立西洋美術館、2004年)など。

「2017年 『現代アート10講』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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