旅する印象派 パリから世界へ (ToBi selection)

  • 東京美術 (2024年7月2日発売)
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本 ・本 (144ページ) / ISBN・EAN: 9784808712976

作品紹介・あらすじ

19世紀パリに生まれた印象派は、新しい芸術潮流の息吹に敏感な諸外国の芸術家たちにより世界中に広まった。西ヨーロッパ、北米、北欧、東欧、ロシアそして日本で印象派に触発された画家を多数紹介し、その魅力を再発見する。

感想・レビュー・書評

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  • フランス以外での印象派の影響を受けた画家たちの様々な絵を紹介している。アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ベルギー、ドイツ、オランダ、ノルウェー、デンマーク、フィンランド、スウェーデン、スペイン、イタリア、スイス、ロシア、ポーランド、チェコ、日本、中国、台湾である。
    そもそもフランスの印象派の新しい傾向として、光の表現を追求したことであり、主に戸外の陽光をいかに表現するかに苦心したことをあげている。そして、描く対象が、それまでの絵画の主流であった神話画、歴史画、宗教画ではなく、同時代の生活や風景であったこと。印象派がグループとして運動したのはごく短期間(印象派展が開かれたのは1874-1886)であり、その後半は印象派展に出品するのを取りやめた画家が多くいたり、ゴーガンやスーラなどのポスト印象派の画家たちが出品していて、印象派の性格は曖昧になっている。
    おおよそ、この短い期間のあたりでフランスに留学した各国の画家たちが帰国して、自国に印象派を広めていったのだ。反アカデミアという色合いもあったようだ。その後、各国で象徴主義、アールヌーボー、表現主義などとも混ざり合ってそれぞれの展開をしていく。
    こうやって各国の絵を見ていると、それぞれの国の特徴が表れていて、本当に面白いし新鮮である。
    アメリカの画家の絵は、新大陸ということで、なんか雰囲気が違って面白い。ベルギーのレイセルベルヘやヴェルド、レメンなどの画家の点描画は、本家のスーラよりいいなと思うぐらいだ。それぞれ独特のセンスを持っていて、なにより明るい。同じベルギーのエミール・クラウスも抑えた色調がなんともいえない美しさだ。北欧の画家たちも、その自然を反映していて魅力的。スペインやイタリア、スイスの画家の絵は、やっぱり明るい日差しを感じるものである。

  • 表紙に惹かれてついジャケがいしてしまったけど、いいなとおもえる絵が多かった。あまり聞いたことのない画家でも、ハッとするような作品があって、もっと見てみたくなりました。

  • ▼東京大学附属図書館の所蔵状況(UTokyo OPAC)https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2003706099

  • アシュトン、ジュリアン・ロッシ
    アストルプ、ニコライ
    アンカー、アルベール
    アンカー、アンナ
    イスラエルス、イサーク
    ヴァーレンショルド、エリック
    ヴァン・ド・ヴェルド、アンリ
    ヴィチョコウスキ、レオン
    ヴィノグラドフ、セルジェイ
    ウーデ、フリッツ・フォン
    ヴェルスター、フロリス
    エデルフェルト、アルベルト
    太田喜二郎
    岡田三郎助
    カサット、メアリー
    ガッレン=カッレラ、アクセリ
    カレン、モーリス
    クラウス、エミール
    グラバル、イゴール
    クロイヤー、ピーダー・セヴリン
    黒田清輝
    児島虎次郎
    コリント、ローヴィス
    コローヴィン、コンスタンティン
    コンダー、チャールズ
    サージェント、ジョン・シンガー
    斎藤豊作
    シッカート、ウォルター
    シトゥッシ、アントニン
    シュゾール=コテ、
    マルク=オレール・ド・フォイ
    徐悲鴻
    スター、シドニー
    スタニスラウスキ、ヤン
    ストット、エドワード
    ストリートン、アーサー
    スラヴィーチェク、アントニン
    スレフォークト、マックス
    セガンティーニ、ジョヴァンニ
    セローフ、ヴァレンティン
    ソールバーグ、ハラルド
    ソローリャ、ホアキン
    ダ・ヴォルペード、ジュゼッペ・ペリッツァ
    チェイス、ウィリアム・メリット
    陳澄波
    デ・ベルエーテ、アウレリアーノ
    テスレフ、エレン
    デューイング、トマス
    トワックマン、ジョン
    ノルトストロム、カール
    ハッサム、チャイルド
    ハマスホイ、ヴィルヘルム
    ハロネン、ペッカ
    ファン・レイセルベルへ、テオ
    フィンチ、ウィリー
    フォックス、エマニュエル・フィリップス
    フォルトゥーニ、マリアーノ/マドラーソ、ライモンド・デ
    藤島武二
    ブルース、ウィリアム・ブレア
    ヘイル、フィリップ・レスリー
    ペーテルセン、アイリフ
    ベリ、リッカルド
    ペリー、リラ・カボット
    ボズナイスカ、オルガ
    ボッチョーニ、ウンベルト
    ホドラー、フェルディナント
    マカビン、フレデリック
    マクドナルド、J・E・H
    モダーゾン、オットー
    モルベッリ、アンジェロ
    ユリィ、レッサー
    ラーション、カール
    ラ・タン、ヘンリー・ハーバート
    ラリオーノフ、ミハイル
    リード、ロバート
    リーバーマン、マックス
    劉榮楓
    レヴィターン、イサーク
    レーピン、イリヤ
    レメン、ジョルジュ
    ローズ、ガイ
    ロゼール、アーサー・ドミニク
    ロバーツ、トム
    ロビンソン、セオドア

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著者プロフィール

東京ステーションギャラリー 館長。雪国新潟で産湯を使い、南国別府で温泉に浸かって育つ。慶應大学、成城大学大学院、ブリュッセル自由大学で美術史を学ぶ。そごう美術館、サントリーミュージアム[天保山]を経て現職。著書に『偽装された自画像』(祥伝社)、『印象派BOX』(講談社)、『ゴッホ作品集』(東京美術)、訳書に『ゴーガン』(西村書店)、共訳書に『ゴッホの手紙——絵と魂の日記』(同)など。

「2023年 『ゴッホのプロヴァンス便り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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