• Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784810912777

作品紹介・あらすじ

27カ国38人の作家が大集結!

感想・レビュー・書評

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  • 2014年ノンフィクションベストテン10位

    柴田元幸さんの帯文が本書の魅力を端的に伝えている。

    「ノーベル賞云々というのは、本当はたぶんどうでもいい話で、要するにこの本は、世界にはこんなにいい作家がいるんだということを伝えたい書き手と編集者が集まって、情報を簡潔明瞭に提供し、愛する対象をめぐる思いを熱く語っている、ということに尽きると思う。その限りにおいて、とても有用で、楽しく、気持ちのいい本である」

    じゃあなんでこんな題名にしたのかっていうと、誰がノーベル賞獲るか、気になる人はやっぱり多いから。トルストイもジョイスもプルーストもとってない賞なんだからあまり当てにはならないよ、と強がってはみても、毎年毎年「おお、ついに!」「へ?誰?」「これはしぶい」「なんでやねんおかしいやろ(なぜか関西弁)」と反応せざるをえないですからね。

    かくいう私も、本書に登場する面子を見ながら、そうそうクンデラだよね~なんでとらないんだろう、ほおジョイス・キャロル・オーツか、そうかエーコねふむふむ、と勝手に品定めしては楽しんでいました。ろくに読んでもいないくせにね!
    ミーハーなお祭りはきっかけ作りに役立つのでありがたいんですよね。

    この本は37人に渡る同時代の外国作家と日本代表の村上春樹を紹介したものです。(川上弘美は入れてもよかったのでは?あの人は現代の川端康成だと思う)知らない人ばかりで、勉強になりました。

    ウクライナ生れでベラルーシ在住のスヴェトラーナ・アレクシエヴィチという作家が最新作以外はすべて邦訳されているなんて初耳!
    ルポルタージュに近い作風のようなので「ベラルーシの石牟礼道子」と覚えておこう。
    (と書いてほったらかしているうちにノーベル賞受賞しました)
    イスマイル・カダレはマジックリアリズムと国家が重要らしいので「アルバニアの大江健三郎」にしよう。
    ダーチャ・マライーニはフェミニストで歴史小説も書くので「イタリアの富岡多恵子」がいいかな。
    ジョイス・キャロル・オーツはグロテスクで多作で勇み足も多いから「アメリカの野坂昭如」でいいや。
    パスカル・キニョールは……えーっと、よくわかんないけど「フランスの古井由吉」にしとこう。
    グギ・ワ・ジオンゴは「ケニアの大西巨人」かな?
    ボブ・ディランは「アメリカの中島みゆき」。
    サルマン・ラシュディは「インドの深沢七郎」だね。
    ……と読みながら見立てでいろいろ遊んでました。

    ただ、6ページ分の解説があるのは26人で、残りの12人はわずか7行。ハンガリーのナーダシュ・ペーテルやルーマニアのミルチェア・カルタレスクやソマリアのヌルディン・ファラーについてももっと知りたい!
    それに、まえがきで都甲幸治さんが英語だけでは世界はわからないと力説しているわりには圧倒的に英語圏の作家が多く、アイルランドの比重が大きすぎるような気がするんですよね。非英語圏の研究者は少ないだろうからしかたないんだけど。

    だから柴田さんが言うように「その限りにおいて」面白いのであって、極上の出来とまではいえない。
    とはいえ、これはないものねだりなんであって、良質なブックガイドなのは間違いありません。ポートレーターmikiさんのイラストも楽しい。三十代の若手批評家が何人も寄稿しています。

    にしても、詩の翻訳は厳しいのかな……。近代アラブ文学で重要な詩人だというシリアのアドニスもオーストラリアの人間国宝レス・マレーもほとんど邦訳がないというのは淋しい。
    ノルウェーの劇作家ヨン・フォッセは日本でも何度も戯曲が上演されているのにいざ読もうとすると邦訳がない、というのも歪んでる気がするなー。
    ああ、私が大富豪だったらパトロンになるのに!クラウドファンティングとかないのかなあ。
    翻訳は国の要。翻訳に携わる人たちを応援していきたい!

    いまさらおととしに読んだノンフィクションベストをまとめるのもまぬけな話ですが、なまけ者なりにきっちり書いていこうと思います。

  • ワクワクこんなにも!ノーベル文学賞に近い人達が居るんだ、、、

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    「村上春樹からボブ・ディランまで。世界で話題の文学は、こんなにも面白い!

    毎年10月に発表される、ノーベル文学賞。その候補者と噂される作家ばかりを紹介した文学ガイドが登場! 27カ国38人の作家を、早稲田大学、東京大学、学習院大学、一橋大学などで教鞭をとる専門家たちが、プロフィールから有名作品の見どころまで、わかりやすく解説されています。それぞれの代表作のあらすじ、日本語訳がある作品リストはもちろん、「この作家が好きな人は、他にこんな本を読んでいます」という読書案内までカバー。

    帯コメントは、ポール・オースターやエドワード・ゴーリーなどの翻訳で知られる柴田元幸氏。

    〈登場する作家〉
    村上春樹/アシア・ジェバール/スヴェトラーナ・アレクシエヴィチ/ジョイス・キャロル・オーツ/ミラン・クンデラ/トマス・ピンチョン/ウンベルト・エーコ/ダーチャ・マライーニ/グギ・ワ・ジオンゴ/ナーダシュ・ペーテル/アドニス/ミルチェア・カルタレスク/高銀/ヨン・フォッセ/ヌルディン・ファラー/サルマン・ラシュディ/ドン・デリーロ/フィリップ・ロス/コーマック・マッカーシー/ボブ・ディラン/ウィリアム・トレヴァー/マーガレット・アトウッド/セース・ノーテボーム/アモス・オズ/ハビエル・マリアス/ペーター・ハントケ/レス・マレー/アリエル・ドルフマン/ジョン・アッシュベリー/カズオ・イシグロ/ジュノ・ディアス/ジョン・バンヴィル/コルム・トビーン/ウラジーミル・ソローキン/パスカル・キニャール/イスマイル・カダレ/ポール・オースター/トム・ストッパード 」

    • CHR_18さん
      これは読んでみたい!
      いつも読まれているジャンルの幅が広くてすごい!興味のある本ばっかりで参考にさせて頂いております。
      これは読んでみたい!
      いつも読まれているジャンルの幅が広くてすごい!興味のある本ばっかりで参考にさせて頂いております。
      2014/09/14
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      チョッと仕事に追われてウラシマ状態なのですが、時間を作るために玉手箱を封印して、本屋へホボ日参再開しました(何から読もうか目移り中)。。。
      ...
      チョッと仕事に追われてウラシマ状態なのですが、時間を作るために玉手箱を封印して、本屋へホボ日参再開しました(何から読もうか目移り中)。。。
      。氏の本では、やっぱり「読んで、訳して、語り合う。都甲幸治対談集」(立東舎)かなぁ~
      2015/11/04
  • 2014年発刊で、その後イシグロもアレクシェーヴィチもボブ・デュランも実際に受賞した。デュランの受賞なんて一大番狂わせかと思っていたが、この本に載るくらい予想されていたことだったんだな。
    村上春樹が最初に紹介されるが、アトウッド、ピンチョン、ラシュディ、エーコらと並び「獲っていないがすごい作家チーム」にも見える。賞はともかく、世界には優れた作家が大勢いる。知らない作家も、知っていてもあまり読んでいない作家も。読書の楽しみを再認識させてくれる。「この作家が好きな人はこんな本を読んでいます」アマゾン風レコメンドもいい。
    都甲さんのジュノ・ディアス推し、藤井さんのオースター推しなどは、ひいきにしてもちょっとないんじゃないかなーと思ったのだが。

    気になった作家:アシア・ジェバール、イスマイル・カダレ

  • 文学賞絡みで入手した一冊。賛否はあれど、何といっても文学賞最高峰に君臨する賞に、最も近い位置につけている作家達の特集。その割に、名前すら知らない人もちらほらいたのは自身の不明によるもの。これが出版された後、既にこの中から2人の受賞作家が出ているし、少数ながら自分で読んだことのある作家の作品も優れたものが多かったし、これから読むべきものの指標としても優れたブックガイドたり得る。

  • 読みたくなる本が沢山!
    やっぱり「読む」って面白い‼︎
    ただ日本語の電子書籍が少ないんだよね。

  • 村上春樹のファンじゃなくても、ノーベル文学賞候補をめぐる毎年の騒ぎは聞いた事があるはず。世界中のノーベル文学賞に近い作家たちについて、プロフィール、代表作のあらすじやその作家を好む人がよく読んでいる作家の紹介まで、遠大な世界文学の地平に踏み出す一冊。

  • 知っている人は数名

  • 250pに満たない文章量で38人の世界の作家を取り上げているのだから当然その批評は深くはないけれど、さまざまな読書のきっかけとしてはかなり健闘しているのではないだろうか。あとは実際に読むべし。その先には想像もしなかった世界がいっぱい広がってるはず。

  • 『ノーベル文学賞に近い』とされる作家38人を紹介したブックガイド。
    掲載されているのは村上春樹を始め、ミラン・クンデラ、トマス・ピンチョン、サルマン・ラシュディ、カズオ・イシグロ、ウラジーミル・ソローキン、ポール・オースター……等々。各作家に割かれるページ数は少なく、突っ込んだ評論でもないが、各々の魅力を伝えるのに過不足ない紹介文となっている。また、作品の傾向を数値化し、代表作のあらすじ、似た傾向の作家紹介を一目で解るように纏められており、そこを拾い読みするだけでも面白い(予想以上に既読が多かったのは残念だが……)。
    名前が挙がっている中で、将来、誰が受賞者になるのかは解らないが、読みたい本が色々と増えてしまった。

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著者プロフィール

翻訳家、批評家、アメリカ文学者。早稲田大学文学学術院教授。 一九六九年、福岡県に生まれる。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。
著書に、『偽アメリカ文学の誕生』(水声社)、『 世紀の世界文学 を 読む』(新潮社)、訳書に、C・ブコウスキー『勝手に生きろ!』(河出文 庫)、ジュノ・ディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』、同『こうし てお前は彼女にフラれる』、ドン・デリーロ『天使エスメラルダ』(共訳、い ずれも新潮社)など多数がある。

「2014年 『狂喜の読み屋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

都甲幸治の作品

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