カブトムシ山に帰る

著者 :
  • 汐文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (143ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784811320007

作品紹介・あらすじ

昆虫カメラマンの著者が気づいた、虫が暮らす環境の変化。そして環境の変化がもたらした、虫の変化。カブトムシに、そしてカブトムシが暮らす環境に、今何が起こっているのでしょうか。

感想・レビュー・書評

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  • 夏が来る度、子どもとカブトムシ採りに行ってます。その中で気付いたことが……。
    「なんか昔よりサイズちっちゃいぞ。」
    「昔ほど採れないなぁ」
    かつては一晩で5~60匹はいけたんです。
    (もうその辺のだんご虫レベル)
    そうです、そこには理由がちゃんとあったのです。
    それは里山の減少です。かつては椎茸のホダ木なんかが雑木林にあったものですが、今はハウス内で菌床栽培です。つまり、民家の回りにカブトムシにとって栄養たっぷりな環境が減少しているのです。
    本来カブトムシは山の中にいたそうです。クワガタムシの幼虫と同じように朽木を砕いて食べていたそうです。確かに、柔らかい腐葉土食べるのにあの大きな顎って不自然だなと思い直しました。
    ですから、カブトムシは元々の棲み家である「山」へと戻っているそうなんです。
    まだ家から少し車を走らせると、カブトムシやクワガタは採れます。いるとこにはまだいます。
    子どもとまた今年も採りにいってきます。
    一方、虫が苦手な妻。
    朝脱走したカブトムシが靴の中に潜り込んでたのに「気付かず履いちゃった事件」。
    カブトムシのゼリーを嗅ぎ付けたアリが侵入してきた「アリ百匹事件」
    さらに「疑惑の黒い羽事件」
    「真夜中のブンブン騒音事件」
    また数々の事件が起こらないことを祈ります。

    • ちゃたさん
      しずくさん、フォローありがとうございました。今後ともよろしくお願いします(^o^)

      そうなんです。新海誠さんのアニメ作品が大好きで言の葉の...
      しずくさん、フォローありがとうございました。今後ともよろしくお願いします(^o^)

      そうなんです。新海誠さんのアニメ作品が大好きで言の葉の庭なんです。新海さんの場合逆に小説の方が雰囲気が変わっちゃうかも知れないとおそれちゃっています。あのきれいな映像は文章化できないんじゃないかと思ってしまいます。
      読もうか…迷ってます(^o^)
      2023/06/24
    • しずくさん
      やはりそうだったのですね! 
      新海誠さんのアニメは3作しか観ていませんが断トツで『言の葉の庭』です。無類の雨好き人間としては見逃せない作品...
      やはりそうだったのですね! 
      新海誠さんのアニメは3作しか観ていませんが断トツで『言の葉の庭』です。無類の雨好き人間としては見逃せない作品でした。ブクログを始める前からやっていたブログ(しずくの水瓶)に感想を残しています。https://amegasuki3.blog.fc2.com/blog-entry-110.html (読んでもらえたら幸いです)

      >あのきれいな映像は文章化できないんじゃないかと思ってしまいます。
      同感です!
      原作と映画は別物だと割り切って鑑賞するのは鉄則なのでしょうね。その勇気を持てないならわ観ない方が良いのかも(笑)
      2023/06/25
    • ちゃたさん
      ブログ拝見しました!すごくよくまとまっていて読みやすかったです。雨の描写がなんとも言えずいいですよね。無類の雨好きなのですね。では、「天気の...
      ブログ拝見しました!すごくよくまとまっていて読みやすかったです。雨の描写がなんとも言えずいいですよね。無類の雨好きなのですね。では、「天気の子」は必見ですね。
      雨の日に読書をしてる時間が贅沢な今日この頃です。
      2023/06/25
  • カブトムシが冒険するのかな?って思ってみたら、そうではなかったです。

    昆虫写真家の著者が、出版社からクワガタの図鑑制作を依頼されてクワガタの生態を調べている過程で、
    時折図鑑には書かれていない場所で見つかるカブトムシの幼虫や蛹に疑問を持ち、クワガタ図鑑完成後にそれを調べ始めます。

    カブトムシの小型化と雑木林と農村の関係とか、東西での林の違いとか知らなかった事が次々と明らかになっていって面白い。
    まるでミステリー小説みたいw

    背表紙でもカブトムシの大きさの比較が写真ではっきりわかるので、こんなに違うのかって結構衝撃的。

    人と自然は関わり方次第でお互い豊かに暮らしていけるんだねぇ。

    イラストもほのぼのした感じで良いです。

    里山行ってみたいなぁ。

  • なぜカブトムシが小型化しているのか?いや、カブトムシってそもそもどういう生態なのか、そのあたりの調査や、昆虫少年の作者が故郷長崎から昆虫王国山梨にやってきてカブトムシ取りをするシーンのわくわく感など、楽しく読めた。
    普段軽く使っている”自然がいっぱい!”みたいな自然って結局なんなんだろう、人間の手が入ってこそ続いてきた里山のことなどを考えるきっかけにも。(i44)

  • 2014年度 青少年全国読書感想文コンクール高学年課題図書。

    おもしろかった!
    これ、高学年じゃなくて中学年でも良かったのでは。
    だってカブトムシ好きは中学年ぐらいまでだと思うから。

    最近、小型のカブトムシが増えているそうです。
    指先にのるくらいの3センチほどのミニカブトムシ。
    なぜか。

    という問いが最初のフックとなって、
    それにひっぱられてどんどん読まされてしまいます。
    著者自身の子どもの頃や仕事の話なんかがあって、
    なかなか答えが明かされないのがもどかしいのですが、
    ちゃんとそれも最後には大きな絵の一部であることがわかり、
    読み終わってとても満足しました。

    オススメです!

  • 里山とカブトムシの関係が分かって面白かった.

  • 小学生の夏の課題図書です。
    夫がクワガタ好きなので、店頭で見かけたこの本を買いたがり、「図書館で借りてあげるから」となだめて買わせずに借りました(笑)そして私も読みました。。

    理由を知ってしまえばなんてことはないですけど、論理的で丁寧な説明が好感度高く、そういえば里山が・・・などと考えさせられ、これが課題図書というものね、と子どものいない私にはそういう意味でも興味深かったです。
    また、樹液の謎や、畑の近くにある大きな朽ち果てた木の意味なんかも知ることが出来、意外と役立ち(?)ました♪

  • 腐葉土の中ではなく、枯れた固い木の中にいたカブトムシの幼虫。そして、カナブンほど小さなカブトムシとの出会い。
    その秘密は、雑木林にあった。

    読み応えがありました。カブトムシの生態について、多くのページを割いてるわけではないのに、読了後、不思議な感動を受けました。
    児童書には、時折、大人が読む本には出せない真実の凄みを持ったものがありますが、これもそういった類の本だと思います。

    自然と人間のかかわり。子供が生まれてから、自然をおざなりにしたことはないけれど、どのように向き合ってきただろうか…と考えさせられました。

    昆虫嫌いな子でも、カブトムシが嫌いな子はあんまりいないもの。
    ぜひ、読んでほしい本です。

  • コガネムシサイズのカブトムシが増えてきている。
    その理由は、もともと小さかったカブトムシが、人間が雑木林を利用し、カブトムシがより成長しやすい環境を作ってきたために、カブトムシが大きくなったのだ!

  • 里山偉大!
    人と自然が共生してゆくための仕組みってきっと色々あるけれど、暮らしの形として清貧なものは無駄なく美しいんだよね。江戸時代の暮らしのように。

    木を切る→自然破壊
    と考えてしまう典型的な間違った思考の持ち主の自分は本当に浅いわ〜。農業を営む上で腐葉土が必要であったり、暮らしのために炭を必要としていたりという時代があり、人間に都合がいいように田畑の近くに雑木林を作っちまった訳だが、その環境が虫たちにも暮らしやすい新天地だったなんて本当に美しい奇跡をおこしていたんだなー。

    日本昔話の里山のイラストを観ていると、なんとなくほっこりしてしまうのは、カブトムシがかつての好物であったサイカチの樹液にいまだ惹かれてしまうのと同じなのかもしれない。知恵を使って生き抜こう!

    春吉ワンコが可愛いw

    小学生高学年向け課題図書

    ああ☆山口さんってジャポニカ学習帳のひと!
    昆虫写真家ってそういう事か!

  • 「見かけるカブトムシが小さくなっている!」という話題から始まる説明的文章。さて、これはどういうこと!?
    生態系を調べることに情熱を注ぎ、歳月を尽くした筆者だからこそ語れる、興味深いカブトムシの真実。
    「へぇ〜っ!そうなんだ〜」という発見が多くて面白い。

    第60回 青少年読書感想文全国コンクール 高学年課題図書

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