?が!に変わるとき: 新聞記者、ワクワクする

著者 :
  • 汐文社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (133ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784811321356

感想・レビュー・書評

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  • 東京書籍 国語1より

  • 毎日新聞の記者として活躍されている著者による自身の半生をつづったエッセイ。
    人は誰でも迷い、悩みます。特に将来のことについては不安はつきもので、様々な負の想像を巡らせて、結局現状維持に落ち着く、ということは往々にしてあることです。
    小国さんもまた悩みます。そして決心した方向へ行動を移すのですが、読み手としては「なぜそちらへ?!」「見切り発車…?」と感じるほど選択肢のなかでも最も困難な道を選び、理解しがたい瞬間もありました。でも選んだその瞬間は高い壁に阻まれ苦しかったとしても、思い出になる頃には大体のことは笑い話のひとつとなるもの。そして現状、やはり小国さんご本人は満足げです。

    「たくさんの疑問符を抱えて人と出会い、疑問符が感嘆符に変わる瞬間を、ワクワクしながら愛おしむ。」(p6)
    「?」がにょきにょきと縦に伸びていき…「!」と変わる、という好奇心と意欲は、何歳になっても大事にしたいと思いました。疑問符をたくさん持って生きよう。
    中高生向きかな。

  •  新聞記者・小国綾子さんの25年間が書かれた本です。自分のことを悩んでばかりの記者と言っていますが、人生を楽しめているな、と感じます。進路を考える学生さん、前に進むヒントが見つかるのでは?
    (カウンター担当/bee)

  • ・この本は物語でなく、作者が新聞記者だったころのお話です。小国さんが自分の体験をとおして、分からないところがひらめきに変わったときのことを、読者に伝えてくれます。読んでいて私もワクワクしました。
    ・題を聞くと、よくわかりませんが、著者の体験を通して、大切なことや、著者の生き方を学ぶことができます。

  • タイトルに一目惚れ。読んでよかった。
    前向きになる。ワクワクする。胸が熱くなる。
    小国綾子さんのエッセイのような、経歴のような、育児書のような、祈りのような。素敵な言葉がたくさんあった。
    文字が大きく、読みやすい。小学校中学年から読めそうだが、内容は中高生、大人にも響くものがあると思う。

    1章は就活生に、2章は新社会人に、3章はママやパパに4章は転職を考える人に、5章は震災後の東北、日本のすべての人へ。

    私自身この本で「!」がたくさんあった。あり過ぎて流れるくらい。この本から伝わる、小国さんのエネルギッシュで前向きで、人間臭いお人柄が大好きになった。

    クラバート、松谷みよ子、谷川俊太郎、長田弘、素敵なワードが出てくるたび興奮。

    記者が当事者になれないこと、祈るように届くように書くこと。書くまで悩み続け、書いてもなお悩むこと。あぁ、私だけじゃないんだな、こんな気持ち、と思った。向こう見ずに突っ走っても悩むんだ、とホッとした。

    会社はやめる、仕事はやめない。好きなことはどんな形でも生涯続けられるんだ、と思った。

    以下覚書

    暖かいと暖かなの違い。言葉の力だ。言葉の力を諦めない。

    被災地という名の土地はないし、被災者という名の人はいない。

    一人一人が、違う意見を勇気を持って言葉にしなきゃいけない。違いを楽しんだり驚いたりしながら一緒に考えていける関係を作っていかなきゃならない。

    選び直す勇気さえあれば、今はどんな生き方を選んでも大丈夫。

    これらの言葉にグッとくる。

  • 新聞記者の著者が、書くことについて書いている。
    読んでいて感性が刺激されました。
    おもしろかった。
    小国さんの他の本も読んでみます。

  • 就活で不安を抱えている人は、これを読むと気持ちが軽くなるかも。就活中はすべての入社試験に落ちてしまった、新聞記者の小国さん。就活浪人を覚悟していたら、新聞社に補欠合格。まさかそれが一生の仕事になるとは、計画通りに職業選択できる人なんて、実は世の中ほとんどいない。居場所がないと思ったら、探しに行けばいい。そんな風に思える本です。

  • 雑学?
    と勘違いしてみてみました。
    内容はちと違いますね。

    ただ、人生として感じるものはありますよ。
    疑問符が感嘆符に変わる。。。

    大事なことですね。

  • 汐文社の「新聞を考える本」シリーズ

    新聞記者とはどういう仕事か?
    どうして新聞記者になったのか?ということを学生向きに書いた本

    大変読みやすい文章、素直な内容。
    小国さんらしい印象深い言葉の選び方だと思う。
    タイトル然り。

    P5
    「問い」は何だっていい。できれば単純な方がいい。どうしても知りたいと思うのがいい。

    私が書きたいのは、そんなこと。
    <疑問符>が<感嘆符>に変わる瞬間の喜び。変わるまでの道のり。

    P39
    「迷ったら、やったことのない方を選ぼうよ」

    P50
    でも、警視庁詰めの一年間に私が得たものは、得意なことだけをこなしていたのでは絶対に手に入らない“宝物”だったのかもしれない。

    P61
    「できるいことで、できないことがある。できないことで、できることもある」

    P116
    丸山眞男の言葉より
    「横につきあいなさい」
    同じ職場、同じ考え方の者同士しかつながらないなんて、あまりにもったいない。できるかぎり、異なる意見を持つ者と対話し、横に関係を結んでいきなさい。それが民主主義に本当の強さを与えるんですよ。

    ちょうど、これと同じだな~と
    http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3606.html
    吉野弘さんの詩
    ★後で調べる
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%89%E9%87%8E%E5%BC%98

    http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/180201.html

    P118
    できるだけ遠くの人に言葉を届けたいー

    園子温「震災後の表現は、より誠実でなければいけない。どんな稚拙で未熟な表現になろうと一歩踏み出すこと。それが誠実だ」

    なかにし礼「僕は書きますよ。後で違うと思ったら、何度でも書き直せばいい。続編を書けばいいんです」

    松谷みよ子「読み手にこびないこと。子どもに読んでもらいたいからって、子どもにこびちゃだめなの」

    谷川俊太郎「ただ言わないこと、書かないこと、黙っていることまで<言葉というコトバが含意しているとすれば、私の内部の沈黙は以前に比べて深まったような気がしています>」

    長田弘「詩にできるのは半分だけ。書くことは、言葉にできない残りの半分を大事にすることでもあるんです」

    P123
    意識的に言葉を待つようになった。


    http://www.choubunsha.com/news/2015/news001239.html


    なによりもよいのがあとがきで、就職を決めかねる、どのように生きていったらよいのかわからない子どもたちの背中を押しているところ。
    頭で考えていただけでは生きていかれない。

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著者プロフィール

1966年生まれ。90年毎日新聞社に入社。長野支局、社会部、夕刊編集部などを経て、07年に退社。家族とともに、米国メリーランド州に。4年間の米国滞在中は、週刊ポストに「ニッポンあ・ちゃ・ちゃ」を連載。また、季刊誌「青年問題」社会学者の土井隆義氏と往復書簡形式で、日米の若者をめぐる諸問題を連載した。11年に帰国し、毎日新聞社に再就職。著書に『アメリカなう。』(小学館)『魂の声リストカットの少女たち』(講談社)、『ベイビーパッカーでいこう!』(日本評論社)など多数。

「2013年 『アメリカの少年野球こんなに日本と違ってた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小国綾子の作品

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