まよいが (えほん遠野物語)

著者 :
制作 : 柳田国男 
  • 汐文社
3.66
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本棚登録 : 181
感想 : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784811322537

作品紹介・あらすじ

女房はそれを拾った。とてもきれいだったからだ。京極夏彦のえほん遠野物語。百年をこえて語りつがれる「怪談の原点」が絵本でよみがえる。

感想・レビュー・書評

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  • 漢字変換すると「迷い家」。

    柳田国男さんの【遠野物語】を絵本化した一冊。
    文は京極夏彦さんだが、元の民話・伝説のもつ不思議さを生かしてあり、いつもの饒舌な京極節はなりを潜めている。
    挿絵も怪しい雰囲気をよく表していて、しかも遊び心があって楽しい。
    よーく見るとあちこちにお化けがいる。
    読み聞かせにも良いかもしれないが、「こういう話があるそうだ」という、もやっとした結末なので、高学年以上に。
    約8分。丁寧にゆっくり絵を見せて。

    たまたま山で迷ってその家に入り込んでしまった女性に、その後不思議に良いことが起こるという話で、それ自体は怖さはない。
    ただ、静かな文体が奇妙な世界観にひと役買っていて、読後じわじわと来る。
    家そのものがひとつの生命体となっている話なので、どこかで誰かが(何かが)自分をじっと見つめているような感覚がある。
    都市部の、どこもかしこも四六時中清潔で明るい家では、何も棲みつかないだろうから、この感覚は怖いながらもどこか懐かしくもある。

    【遠野物語】を読む入り口としても適しているかも。
    読後、何故かみちのくを旅したくなる話。

  • 遠野物語の中で好きな話。欲なく幸せになれるところにホッとする。
    因果応報でないところに、怖さがある。

  • 遠野の白望山は不思議な山だ。
    山の大きさを図ることができず、時には歌声や大木の切り倒される音が聞こえ、夜なのに明るくなることがある。
    人を迷わせることもある。

    ある貧しい家の女房が、あるひ、まよいがに入り込む。


    絵のそこかしこに、あやかしたちが機嫌良くひそんでいる。(なるほど、近藤薫美子さんでしたか)
    妖怪というより、妖精のよう。
    まよいがの住人は、気まぐれで気のいいものなんだろう。

  • 5分前後

  • 京極夏彦さんが文、近藤薫美子さんが絵の遠野物語えほんシリーズ。

    タイトルを勝手に「迷い蛾」と脳内変換し、妖怪のお話かと思ったら違いました。
    おそらく異次元モノの「迷い家」でした。

    何か1つもらってくるとお金持ちになれるのか~。
    蛾じゃダメなんだね。

    このお話は、チャンスを逃しても当人が無欲だったことから、チャンスのほうがまたやってきたお話でした。
    ガツガツしすぎてもダメか。

  • 絵本遠野物語、どれも趣のあるものばかりで、今回もまた不思議な話でした。

  • 民間伝承・民俗学として遠野物語にちょっと興味が湧いたことと、文が京極先生なので。「まよいが=迷い家」なのね。欲がないから向こうからやってくる、というのはなんか滑稽な話。
    原作:柳田国男、文:京極夏彦、絵:近藤薫美子

  • 「まよいが」は「迷い家」で、山の奥深くへ迷い込んだ人間が出会う不思議な「家」の話。
    一つ目は、迷い込んだ猟師が金のといと金のひしゃくを見つけるが、重たくて持ち上げることもできず、削り取ることもできないため、道々の木の皮を剥いで目印をつけながら帰ったが、後日探しても目印一つ見つけることが出来なかった話。
    二つ目は、山の中の裕福そうな、しかし全く住人のいない家に迷い込んだ女が、これは迷い家だと気づいて何も取らず逃げてくるが、後日山の上から椀が流れてきて、それを米を計るのに使っていたら、米がまったく減らずその家は栄えた。迷い家に出会ったらその家のものを持ってくると福に恵まれるらしいが、女は無欲で何も取らずに帰ってきたため、椀の方から女のところへやってきたのだろう、という話。

    **********

    なるほどこの手の話をまよいがというのか。じゃあ男が山の中で迷い込んだ家で美しい女にもてなされ、そのまま結婚するが、女が家を空ける時に見てはいけない部屋を見てしまって現世に戻される話とかもそれかな。あれはどちらかというと浦島太郎にも近いような話だけども。いろんなタイプのまよいがの話があるように思うけど、他にはとっさにこれという話が出てこない…

    この手の話の怖さは、簡単にくくれば「神」と言えるような人知を超えた大きな存在の意図が人間側には全く読めないところにあると思う。迷い家はなんのためにあるのか?なぜ福をもたらしてくれるのか?人間にはいくら考えてもわからない。わからないから、正直に暮らしていたから福が訪れた、と理由付けがされることもあるが、昔話は必ずしも正直者が福を得るとは限らない。なぜそうなったかわからないまま、たまたま山の奥を歩いているだけで神の領域に迷い込み、そして紙一重のところで幸にも不幸にも転んでしまう。その判断基準は人間にはわからない。結末が残酷でも因果応報として納得できる物語よりも、なぜそうなったのか、神の意図がわからない話の方が怖ろしさがあるように思う。

  • 地図イラスト/小野寺光子
    ブックデザイン/椎名麻美

  • 迷い家の精?ちっちゃくて、一杯いてかわいい。こだまとか、まっくろくろすけ的かな。
    欲がない三浦家、幸運になって良かった。

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著者プロフィール

京極夏彦
一九六三年生まれ。九四年『姑獲鳥の夏』でデビュー。九六年『魍魎の匣』で第四九回日本推理作家協会賞(長編部門)、九七年『嗤う伊右衛門』で第二五回泉鏡花文学賞、二〇〇三年『覘き小平次』で第一六回山本周五郎賞、〇四年『後巷説百物語』で第一三〇回直木三十五賞、一一年『西巷説百物語』で第二四回柴田錬三郎賞を受賞。他の著作に『数えずの井戸』『死ねばいいのに』『虚談』『ヒトごろし』「書楼弔堂」シリーズ、「京極夏彦の妖怪えほん」シリーズ、『遠野物語remix』、『地獄の楽しみ方』などがある。

「2022年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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