ざしきわらし (えほん遠野物語)

  • 汐文社
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本棚登録 : 280
感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784811322551

作品紹介・あらすじ

この神がいる家は、栄えるといわれる。百年をこえて語りつがれる怪談の原点。美しく悲しい物語。京極夏彦による新たな語りと、未分化の闇をはらんだ絵が一体となり、初の本格絵本シリーズとして現代によみがえる!

感想・レビュー・書評

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  • 本書を含めた、汐文社の『えほん遠野物語』シリーズは、京極夏彦さんの新たな語りと、作品毎に、絵を描く人が異なる点に特徴があるそうで、私の場合は、町田尚子さんの絵が見たくて、いつもの図書館で借りてきました。

    遠野物語について、汐文社の説明によると、

    『岩手県遠野の人、佐々木喜善が、故郷で見聞きした怪異の物語を、柳田国男が書きのこした名著』

    との事で、ちゃんと読むのは初めての私でしたが・・・こういう話、大好き(笑)

    ところどころで目にする鴉の羽が、嫌でも印象に残り、まるで何かを暗示しているかのような、抜群の臨場感において、京極夏彦さんの、必要最小限に抑えたシンプルな文章は、逆に想像力を刺激させられるとともに、直接的に、目にした結果の恐ろしさを、どうぞと示してくれる。

    ざしきわらしの物語自体が、怖いのかどうかは、正直微妙なところでしたが、人間の愚かさを、悠然と見下ろしているかのような白馬といい、庭の枯れたひまわりといい、物語を通して伝えたいことを、読み手側が察することの出来る構成には、読み手で良かったと、素直に感じられるものがありました。

    それから、町田尚子さんの絵、今回もアクリルガッシュだと思うのですが、以前読んだ、「おばけにょうぼう」同様、ホラー感、満載で素晴らしく、遠近両方の様々な視点を、効果的に使った見せ方も上手いと思いました。

    それにしても、アクリルガッシュで、こんなに怖い感じになるのは何故だろうと、考えていたら・・・そうそう、襖のべったりとした質感!!
    これが、まるで、その中に何かを埋め込んでいるような錯覚を起こさせる・・・まあ、こう感じるのは私だけなのでしょうがね。ああ、怖い。

    ちなみに、町田さん大好きな猫も、絶妙な効果を発揮しつつ、登場しているので、町田さんの猫の絵ファンの方にも、おすすめですよ(空から見下ろした視点の絵にも、小さいながらいるので、お見逃しなきよう)。

  • 「座敷わらし」が住む家は、栄えると言い伝えられています。それは男の子であったり、二人の童女であったりと、自在に姿をかえた「神さま」でありました。その守り神がいなくなると、家は滅びてしまうという、柳田国男原作の『遠野物語』をもとにした、京極夏彦の文、町田尚子の絵による豪華コラボの絵本です。不気味さただよう妖艶な世界へ吸い込まれてしまいそうです。

  • 民俗学専攻してたので、
    柳田國男✖️京極夏彦は私得でしかない。
    しかも町田尚子さんのイラストで最高。
    町田さんの描くこういう系の絵本、最高に雰囲気が出てて超こわいです。あと猫が可愛い。


    この遠野物語の怖さとか雰囲気、いつか読み聞かせしたいと思いつつ、果たして伝わるのかなあ。
    わたしにそんなテクニックがないので。修行します。読み聞かせするなら高学年から。

  • 京極夏彦 (著), 柳田国男 (著), 町田尚子 (イラスト)

  • 絵本では中々ないタッチと文章。
    子どもたちは昔の話し言葉が飽きてしまうかな?と思ったかが、不気味な絵が惹きつけたのかリクエストが多かった。

  • 原作:柳田国男、文:京極夏彦、絵:町田尚子。原作の物語の17~21のうち17→18→20→19がこの絵本にあたる部分。もともと「遠野物語」自体が遠野地方に伝わる民話や伝承を筆記、編集したものなので淡々とこうであったという事を伝え書かれたものなので絵本の形にすると逆に怖さが増すような気がしました。特に町田さんの絵が怖い。夜は読めない。一つ発見があって京極夏彦の「えほん遠野物語」を1冊読むごとに柳田さんの「遠野物語」の該当する部分を読むと非常にわかりやすいという事実に気づきました。

  • ざしきわらしってどういうものか。実はおそろしいものでもあるし、こういった栄枯盛衰の営みの中に神さまがいるというのが、日本らしい。妖怪って、私たちの文化の中には自然に今でも溶け込んでるんだなとしみじみ感じた一冊でした。

  • 「この神がいる家は、栄えるといわれる。百年をこえて語りつがれる怪談の原点。美しく悲しい物語。京極夏彦による新たな語りと、未分化の闇をはらんだ絵が一体となり、初の本格絵本シリーズとして現代によみがえる!」

  • ざしきわらしの話は不思議な話。昔からこんな話が言い伝わってきているのでしょうか?

  • 内容がいまいち怖くない

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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