- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784811324791
感想・レビュー・書評
-
遠野あたりの家では、<おしらさま>という神さまが祀られている。桑の木で作られた二体一対の神像で、男神が馬の頭になっているのもある。それには理由がある。昔、ある家の娘が馬を慕って夫婦になった。娘の父親は怒った挙句、馬を桑の木に吊るして殺してしまった。悲しんだ娘は馬とともに天に昇り、おしら様になったという。おしら様が地上に残された父親に遣わした虫が蚕であり、父親が桑の葉で育てた繭からは糸が採れた。それが養蚕のはじまりとされ、蚕の神様、女・子どもの病を癒す神様、狩りの神様として祀られるようになったという。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
遠野物語が好きです
不思議な話がいっぱい
ちょっとこわいけれど
絵がダイナミック
子どもにはちょっと距離があるでしょうか
≪ 桑の木で 繭をあたため おしらさま ≫ -
怖いことは書いていないのに、ほんのり不気味で、昔話特有の訳のわからなさというか一種の理不尽さがある。
柳田國男の原作を誇張せず絵本にした良い本。 -
おしら様の神体は男と女、もしくは馬と女であることの由来や、風習、禁忌を犯した代償となる祟りについての伝承などが、絵本としてまとまっている。
物語としても、民俗学の入口としても面白い。
原作:柳田国男、文:京極夏彦、絵:伊藤孝行 -
おしらさまは、男神と女神の二体一対。
ご利益があったりなかったり。
力はみんなもってる。
怖いけど、少し和む。不思議な話と共存してるんだな。 -
地図イラスト/小野寺光子
ブックデザイン/椎名麻美 -
「いろいろなおしらさまが、いろいろな暮らしの中にいる。」
馬と娘が夫婦になった。それは許されない恋……。遠野でまつられる男女一対の神「おしら様」には、さまざまな不思議な話や悲劇が語り継がれている。イラストレーター伊野孝行が自在に描く新しい「おしら様」がここに!(アマゾン紹介文)
異類婚姻譚の代表的な一作。
さすがに絵本で取り扱うのはどうなんだろう。もちろん、妖しい雰囲気ではなく悲恋譚に仕上げているが。
にしても、おしらさまの成立過程がよくわかんない。近いうちに調べてみよう。 -
京極夏彦さんが文、伊野孝行さんが絵の「えほん遠野物語」シリーズの1冊。
お馬さんと夫婦になった娘さんがいて、それを娘さんの親が怒って、お馬さんを桑の木に吊るして殺してしまう。
娘さんもお馬さんと一緒に天へ昇ってしまい、二人揃って「おしらさま」になったんだって。
その桑の木で作った男女の神像が「おしらさま」で、養蚕の神さまでもあるみたい。
蚕が馬の首の形をしている…ってあったけれど、確かに似ているかも…。
今は養蚕業は衰退してしまっているけれど、生活のなかに神さまがいる、その神さまは禁忌も求めていて、それには先祖伝来の生活の知恵が込められている。
こういう神さまの考え方は、とても日本らしいと思いました。 -
馬と娘
いろいろなおしらさま
レビュー登録は30日だけれど、読んだのは29日。