創られながら創ること: 身体のドラマトゥルギー

  • 太郎次郎社エディタス
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  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784811806211

作品紹介・あらすじ

「人間はどうしたら変わることができるか」という問いに、〈からだ〉を通して答えを探しだそうとする対話集。自分のからだが変わることで、確実に子どもとの関係が変わっていく。授業を生みだす教師の〈からだ〉をどうつくりだすか。

感想・レビュー・書評

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  • まだ言語を獲得していない子どもの頃に比べ、言葉や記号を上滑りに扱うことに慣れ、長けてしまっている大人にとって、大切なことを気付かせてくれる1冊。「論理的に分かりやすく伝える」という目的からこぼれ落ちてしまう、隙間の事象の数々をひろいあつめている(ゆえに意味として分かりやすくはない)。身体で感じることを主軸に置く2人の対談ゆえに、話し言葉のよさがよく出ている。

  • 言葉にすることは、自己の達成領域、つまり身体化している知性と、思考部分を分別するということ。

    【自分がそうなっていったかというと、しゃべる言葉がなくなった】

    【そのことばにならなっていうふうなものを、無理にことばにすれば、べつのものになってしまうとかさ、吟味する感覚を鈍らせたままでしゃべていた】

    【そういうところにじぶんのからだを置く、何が起きるかわからない、わからないところに自分のからだをおく】

    【だからぜんぜん意味づけをしなかった。意味づけすることに危険さも知っていたし。自分の中に起きていることを、なにかことばとしてとどめておくってことを、ぜんぜんしなくなってしまった。その時ことばにすぐなるってことは、そのときまでの自分の枠組みの中にあることだけがことばになるんだから、たいしたぶんじゃないんだよね。そのとき自分の言葉にならない部分ってのが、自分になかった部分なので、それは一生ことばにならないかもしれないし、十年後なるかもしれないし】

    【その場で何が起こるかわからないということに賢治は賭けた】

    【意識して到達できるってのは大したことじゃない。】

    【そういう旅の枠組みは当然あそこで解体した】

    【メキシコの大学では時間割が、午前と午後しかない】

    【チャイムにからだを合わせるようになる】

    【一列に並ぶというのは思想統制】

    【自分の声は自分自身に戻ってくる】

    【自分の思ってることをずばずば言うことのからだの心地よさ。触れあってるからだのあったかさを感じる】

    【ほとんどの知性は身体化するし、むしろ身体としてる知性のはずなんだ】

    【創造するというには、越えられながら超えるという精神の運動なんだ。つまりほんとうの創造というのは、創るということよりも前に、創られながら創ること。自分自身が創られるという体験から出てくるのが本当の創造】

    【途方にくれるとか、いわば最初の設計がだめになったところから旅が始まる】

    【他者と出会うことによる驚き、途方に暮れること、不意打ちみたいなもの、つまり自分が解体されるという経験】

    【いろんなことば化されていない無意識を持っている。ことば化でいるようになるにつれて、自分がわかってくるということと、他者がわかってくるということがセットになる】

    【元気がなくなるというには、ほんとうはやりたくないことなのである】

    【ほんとうに気持ちの良いことの体験をしてないから。その体験がベースにないことは恐い。あなたの気持ちよさは、本当の気持ちよさじゃないんですよと言っても、絶対だめ。そういう場をどうやってつくるのかが大切】

  • 対談。使えなさそう。

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著者プロフィール

見田宗介。1937年東京都生まれ。東京大学名誉教授。現代社会論、比較社会学専攻。著書に、見田宗介名で『現代社会の理論―情報化・消費化社会の現在と未来』(1996年)『社会学入門―人間と社会の未来』(2006年)『宮沢賢治―存在の祭りの中へ』(いずれも岩波書店、1986年)などがあり、真木悠介名で『気流の鳴る音―交響するコミューン』(筑摩書房、1977年)『時間の比較社会学』(1981年)『自我の起原―愛とエゴイズムの動物社会学』(ともに岩波書店、1993年)及び本書『現代社会の存立構造』(初版、筑摩書房、1977年)などがある。『定本見田宗介著作集』(全10巻、2011-12年、毎日出版文化賞)『定本真木悠介著作集』(全4巻、2012-13年、ともに岩波書店)には、半世紀に及ぶ業績が、著者自身による新編集を経て体系的に示されている。本書『現代社会の存立構造』は上記著作集に含まれない。

「2014年 『現代社会の存立構造/『現代社会の存立構造』を読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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