ハンセン病療養所に生きた女たち

著者 :
  • 昭和堂
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レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (177ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784812215548

感想・レビュー・書評

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  • 今夏の講座に向けて読了。「複合差別」という言葉があるように、とりわけジェンダーの視点は抜け落ちがち。「ハンセン病療養所に生きた女たち」5人の話と著者による考察。しかしこれが「これまで顧みられることの少なかったハンセン病療養所におけるジェンダーについて改めて考え」るという視点の提示にしては、少し考察が物足りない。しかしこういう視点で語りで編むことがすでにジェンダー視点なほどに、ジェンダー不平等な社会。

  • 生きるのは楽なことではない。お金は大事。

    社会から切り離された人は、切り離された先で、人と繋がることができない。
    保養所で生まれた人、子ども時代に療養所で暮らすことになった人、ある程度大人になってから療養所へ来ることになった人。様々な境遇の人がいて、それぞれの境遇や受けることのできた教育によって、同じ物を見ていたはずなのに、その解釈が全く違うのは興味深い。幼い頃から保養所にいた人は、客観的に自分を見る訓練ができなかったみたいだ。自分で選択する自由を奪われるとそうなってしまうの?
    時々話の中で出てくる、もっと前の時代に隔離施設で暮らしていた人々の暮らしは、信じがたいほど劣悪だ。想像できない。伝染病なのに断種してどうなるの?
    でも巻末にある療養所の歴史解説を読むと、ハンセン病患者達が受けた仕打ちを肯定することはできないけれど、こういう流れでこうなったのだとはなんとなくわかる。要するに、後進国が先進国に追いつこうとして、行き過ぎたことをしたのよ。

    ハンセン病を患って、隔離された女性という共通点があるものの、人生いろいろな手記集だ。どの人も、自分たちには未来がないという諦観を通り抜けて、今を淡々と生きている態度だけは共通しているように思えた。

  • ハンセン病療養所で暮らしてきた人、特に女性への聞き取りをまとめたもの。
    入所から現在まで、学ぶこと、働くこと、夫や家族との関係のことなど、どのような半生だったかが語られている。


    療養所という小さな世界の中でも、それぞれの人生がある。

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著者プロフィール

国立療養所松丘保養園名誉園長

「2018年 『ハンセン病家族の絆』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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