職業教育とジェンダーの比較社会史 近現代における女性と戦争障害者への就労支援 (叢書・比較教育社会史)

  • 昭和堂 (2024年12月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784812224014

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    https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/728687

  • 1. 女性の職業教育の重要性
    ストランノリュプスキーは、女性が職業労働を行うことが家庭生活への志向を弱めることはなく、むしろ就職の選択肢が増えることで家族や社会にメリットがあると主張している。女性の職業選択肢を広げることは、結婚に頼らずに生計を立てる手段を提供し、失敗するリスクを軽減する。

    2. 職業教育の提案
    ストランノリュプスキーは、女子ギムナジア・プロギムナジアで一般教育を学んだ後、職業教育を受けるべきと提案している。彼が挙げた職業には以下が含まれる:
    - 教職
    - 医療職(看護師、助産師など)
    - 商業関連職(事務員、薄記係など)
    - 芸術職

    彼は、女性が医療職に就くことで、地域社会の医師不足を緩和するなど、社会的貢献が可能であると述べている。

    3. 教育内容の拡充
    ストランノリュプスキーは、女子教育において職業教育と専門教育の普及を志向しており、家庭の利益や女性の特性に合った職業を選ぶべきだと強調している。また、教育内容の変更を伴わずに職業教育の拡充を図ることが重要であるとされている。

    4. 男性教師と女性教師の教育的役割
    明治時代の日本において、女子教育の必要性が強調される一方で、男性教師の職業的自覚が不足していることが指摘されている。教育理念の論争が続く中で、子どもの教育が国家のためであることが明確にされ、教師には国家の一員として子どもを育てる役割が求められた。

    5. 社会福祉職の発展
    「ベルリン女子社会事業学校」における社会事業専門教育は、女性の社会的役割を拡大するために実践的な理論教育を提供し、家庭の役割を果たしつつ社会事業に参加することを促進している。このような教育は、女性が社会に積極的に関与する機会を提供するものである。

    6. 戦後の職業教育と社会復帰
    戦争による傷病者や障害者に対する職業教育が重要視され、社会復帰の手段として活用されることが期待されている。戦争障害者の権利として職業教育が提供されるべきであり、これにより社会に貢献することが求められている。

    結論
    本書では、女性の職業教育の重要性、教育内容の拡充、男性教師と女性教師の役割、社会福祉職の発展、戦後の職業教育と社会復帰の問題が強調されている。女性が社会において重要な役割を果たすためには、教育制度の改善と職業機会の拡大が不可欠であることが示されている。

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著者プロフィール

【解説】北村 陽子(きたむら・ようこ)
東京大学大学院人文社会系研究科准教授。著書に『戦争障害者の社会史』(名古屋大学出版会、2021 年)、『職業教育とジェンダーの比較社会史』(編著、昭和堂、2025年)。論文に「戦争障害者の社会復帰と男性性」(『ジェンダー研究』第25 号、2023 年)など。訳書にタラ・ザーラ『失われた子どもたち』(監訳、みすず書房、2019 年)ほか。

「2025年 『顔を失った兵士たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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