ドラゴンハート (竹書房文庫)

  • 竹書房 (1970年1月1日発売)
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本 ・本 (376ページ) / ISBN・EAN: 9784812402177

感想・レビュー・書評

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  • 1996年公開のアメリカ映画を脚本家自らがノベライズ。アーサー王伝説をうまく引用した王道ファンタジー。

    映画は未視聴。
    ちょっと検索してみたのだが、神話や伝説などにおいて、ドラゴンスレイヤー、つまり竜殺しや竜退治の物語は古くからかなりの数があるようだ。最近のエンタメでもファンタジーものでは基本となるモチーフ。すでに30年近く前の映画だが、当時でも使い古されていただろう題材を、どう料理したのか。興味深く読んでみた。

    ※以下、ネタバレっぽいものを含みます。

    序盤、主人公ボーエンが竜退治に専心することになった一つの勘違い。それと、あまりに急すぎるアイノンの豹変。これがちょっと、唐突すぎて人物描写的に無理があるように感じた。もう少し説明がほしかったかも?そこに若干の違和感を感じつつも、以後は魅力的なキャラクターが次々に登場し、軽妙な会話のやり取りが面白くて引き込まれていった。

    暴君のような悪逆無道な王と、次第にまとまっていく反乱軍の戦いは本作の見所のひとつ。ちゃんとヒロインとのロマンスもある。また、アーサー王伝説を巧みに引用しており、一度どん底に陥ったボーエンの魂を蘇らせる騎士たちの亡霊には心が震えた。映画でどう表現されているかまだ観ていないが、文章だけで非常に美しいシーンだと感じた。

    竜の返り血を浴びて不死身になったジークフリートの話を、逆手に取ったような設定は独特だ。この世界では実はドラゴンは善なのだが、人間がそれを誤解して悪と決めつけ、ドラゴンスレイヤーのような存在が成り立ってしまう。本作は、人間自身の心に潜んでいるモンスターとの戦い、つまりは人間どうしの戦いの物語である。ドラゴンハートの「ハート」は、ドラゴンが分け与えた心臓と、ドラゴンの善なる心のダブルミーニングなのだろう。ドレイコとボーエンの交流に「ハート」のあたたかさを感じた。

    悲しくも美しいラスト。予想を上回る読後感に感動。
    騎士道と竜退治の英雄譚を現代のエンタメとして蘇らせた力作。
    映画はこれから視聴予定!何やら続編がいくつもあるらしい……?

    ※追記 映画版の感想
    映画では、アイノンが最初からクズだったw
    アーサー王のシーンは小説の方が感動がある。カーラとのロマンスもなし。どちらかというと、ドレイコとボーエンの友情が全面的に出ていて、CGのドラゴンが非常に愛らしい作品になっている。名作。

  •  小さなころに映画を見て大ファンです!
    小説を再読したところ涙が止まりません。ドラゴンがかっこいい!!

  • わがままな王子に命を半分あげてしまったドラゴンと敵だった男が王子を倒すことを考えているがドラゴンと仲良くなってしまう…何とも心打たれる作品でもあります。

  • 元々映画が大好きなので、見つけた瞬間慌てて買った作品。
    映画の語りきれていない部分が入っていて私は好き。
    御伽噺といえる一作。

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