- Amazon.co.jp ・マンガ (116ページ)
- / ISBN・EAN: 9784812475744
感想・レビュー・書評
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11年夏、18きっぷの旅で遠野に滞在したときに、やけに外装が古い本屋さんで見かけて手に取った一冊。みずしな孝之は知っていたので作者の名前だけは知っていて、なるほど中身もみずしなフォロワーな感じなのですが、とにっかくお話がいい! 普通の漫画では描き出さない見事な“ツボ”を突いて突いて突きまくってくれます。「遠野」という『ちょっと変わった田舎町』の世界観と、だらだらと過ごしながらも少しづつ自分や他人の生き方と向き合っていく主人公たちの淡々とした日々が、面白くて、ちょっとだけせつない。「もろもろの不安・もろもろの後悔」「生まれて初めて子どもが欲しいなんてことを思っちゃって」「なんだよ、ずるいなー」「『帰ってくる』って選択肢は、ずっとあるんだよ」。名台詞そろいの秀作。他のシリーズも絶対読む!!
遠野滞在中に、静かに日が暮れていく中、宿屋の部屋で横になって、近所の鐘の音を聞きながら、こんな本に、こんな場所で出合えた幸福をかみ締めました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東京から縁もゆかりもない遠野の地に越してきた筆者が、架空の登場人物を通してその土地の暮らしを伝えるマンガ。
想像していたより遠野の紹介や東北らしさは描かれていなかったが、逆に生活感が出ていて暮らしを主眼に描いたことがわかる。
ただ地元の伝統や街の様子を深堀しないと結局どこの街でも良かったのでは?という感は否めない。 -
東北遠野に2年くらい住んでみた紀行文のような形式のお話
「日記もの」の一種
それとも「ルポルタージュ」か
「紀行」が非日常の日記で「ルポルタージュ」が取材とするなら
この作品はどこに該当するかあいまいだ
絵やキャラクタでなく主人公の独白で説明するという
マンガなんだか随筆なんだかよくわからない作品
文章だけだとつまらないし絵で説明するのも困難であり中途半端
つまり取材にも紀行にもなっていないと思う -
前作『中央線モノローグ』を読み終えてもう10年近く経つんじゃなかろうかというタイミングで、ふと続編『遠野モノがたり』を手にとった。
岩手の遠野で淡々と、でも不可逆に過ぎていく叙事のなかに、モノローグというスタイルでぐいぐい入り込んでくる叙情。
しみるぜ、しみまくるぜ。 -
遠野市出身、中央線“西荻窪”在住の自分にとって作者の『中央線モノローグ』『遠野モノがたり』は他人の作品とは思えないほどでした。
「帰ってくる」っていう選択肢は ずっとあるんだよ
長い間 選択問題解いてないから 忘れちゃったかなあ
この台詞にページをめくる指が止まりました。
ほんと、そうだよねぇ -
「中央モノローグ線」の続刊。
擬似エッセイになっていますが、作者さんは、いまだに遠野に住んでいるようです。
震災時は、どうなったのか心配でしたが、無事だったようで。 -
成る程、都会から来た人には田舎はこう見えるのか〜!と、妙な所に感動しながら読みました。
読後の田舎民としては、地元が「やっぱり好き!」になっちゃう反面、中野辺りに憧れてしまう次第です。 -
遠野知らなくても地方都市あるあるネタとして、遠野知ってればおいしさ数倍で読める感じです。地元なので「あー、あそこのことか」ってノリで読みました。私は遠野好きなので☆5つ。
座敷童子ちゃんかわいいなあ(*´∀`) -
モノローグ続編。
なのかさんは遠野に居ました。
中央線ほど他のキャラが居るわけでなし、また、そのキャラたちと絡むものでもない。
でもその距離感が、「東京都中野区から北へ500キロ余り離れた岩手県は遠野市」の、鄙(良い意味で)の雰囲気なのかな。
ただ、モノローグなので、セリフ一つたりとも読み飛ばせない。文章のご本を読むような一種の緊張感。わりと時間がかかりました。