ラベルのない缶詰をめぐる冒険 (竹書房文庫 し 2-1)

  • 竹書房
3.69
  • (7)
  • (19)
  • (8)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 223
感想 : 23
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784812490426

作品紹介・あらすじ

くるくる天然パーマに牛乳瓶めがねをかけて、「天才少年」にしか見えない少年、ファーガルのひそかな趣味は、スーパーで安売りされる、「ラベルのない(取れてしまった)」缶詰を集めること。ある日、カラコロ音がする、不審な缶詰を開けると、そこに入っていたのは金のピアス。こうして、ファーガルの、ラベルのない缶詰をめぐる冒険がはじまった―。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • すごい話だ。
    すごくて、ひどくて、怖い話だ。

    ファーガル・バムフィールドの趣味はラベルのない缶詰を集めること。
    ラベルのない缶詰には何が入っているか分からない。
    つまり謎そのものをコレクションしているということ。
    そして、そのコレクションがファーガルを危険な冒険に導いていく。

    シアラーさんの本を読みのはとても久しぶりだったけど、やっぱり面白い。
    缶切りで開けるまで中身の分からない缶詰のようにあやしくて、先の見えない物語にどんどん引き込まれてしまう。

    そして、シアラーさんの物語の中の少年少女もやはり魅力的だった。
    ファーガルがシャーロットに宛てた手紙の優しさと、その手紙に対するシャーロットの行動に感動する。
    そして、彼らの必死の訴えに対する大人達の行動に失望する。

    なにが起こるかなんて誰にも分からない。
    そのことを忘れちゃいけないんだ。

  • 祝!文庫化。シアラーは、もっと読まれるべき作家だと思う・・・

    竹書房のPR
    「くるくる天然パーマに牛乳瓶めがねをかけて、「天才少年」にしか見えない少年、ファーガルのひそかな趣味は、スーパーで安売りされる、「ラベルのない(取れてしまった)」缶詰を集めること。ある日、カラコロ音がする、不審な缶詰を開けると、そこに入っていたのは金のピアス。こうして、ファーガルの、ラベルのない缶詰をめぐる冒険がはじまった―。
    缶詰の中につまっているのは……冒険。」

    • なぎさん
      ごめんなさい!
      さっそく「ネタバレ」と明記しておきました。デリカシーのない表記をして、本当に申し訳ないです。

      これ、なつかしいです。文庫に...
      ごめんなさい!
      さっそく「ネタバレ」と明記しておきました。デリカシーのない表記をして、本当に申し訳ないです。

      これ、なつかしいです。文庫になったのですね!アレックス・シアラーは私も大好きです。
      2012/07/09
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「文庫になったのですね!」
      他のも文庫になって、もっと読まれて欲しいですよね。
      「さっそく「ネタバレ」と明記」
      申し訳無い、未読の癖にレヴュ...
      「文庫になったのですね!」
      他のも文庫になって、もっと読まれて欲しいですよね。
      「さっそく「ネタバレ」と明記」
      申し訳無い、未読の癖にレヴューを覗きに行く私が悪い訳ですから。。。
      2012/07/10
  • 一気に読んじゃいました。
    缶詰でここまでお話が膨らむとは・・・!
    途中のハラハラ、ドキドキ感はすごかった。
    読後感も爽快。

  • 児童文学と侮ることなかれ、スリリングでハラハラするミステリー?サスペンス?に近いような冒険の物語です。
    小学生の頃に読みましたが、あまりの衝撃に、もうずっと前なのに内容をかなり鮮明に覚えています。
    近いうちにまた読み返したいです。

  • 10年ぶり再読。缶詰コレクターの少年ファーガルと少女シャーロットが出会った事から話しが大きく動き出す。二人それぞれのミステリアスで不気味な缶詰の中身披露から、まさかの凶悪事件に巻き込まれてしまうとは、もうページを捲る手を止めることは出来なくなる。ドキドキドキドキ。再読だから、展開はわかっているのに、こんなにも面白く読めるなんて最高か。また、10年後くらいに再読しよーっと。やっぱりこの本、楽しかった。

  • ずっと探していてついに読めた一冊。
    読めてよかった!

  • このワクワク感たまらない。ラストにかける展開に驚かされた。誰が想像できただろう。

  • なんてったって、そう、タイトルがいい。嫌が応にもわくわくする。ラベルのない缶詰。中身は何なのか。そもそも開けるのか開けないのか。ファンタジーなのかミステリーなのか人間ドラマなのか。ぽんぽん疑問が浮かぶ。

    文庫本の厚さや文字の大きさ、表紙からだけではちょっとターゲットが分かりにくいのだけど、内容としては割とお子様向け。ただ、興味深いのは、お子様向け、なんだけれども事件の展開は割ときちんとサイコスリラー風、というところ。いくつか開けてみることになる缶詰があるのだけど、そこから出てきたモノもモノだし、そこから導き出された事件も事件だ。

    ただ、全体として、無理矢理子どもからの視点を作っているきらいがあるというか、「いやーいくら子どもでもそんなことにはならないでしょう」みたいな突っ込みどころが散見されるのも事実で、「いつだってそうだ。大人は子どもの意見なんてまともに聞いちゃくれない!」みたいな描写が目立ってちょっとイライラする。内容を分かりやすくするために作者がわざとやってるのかもしれないけど。結局その「大人が信用してくれない」ってところから最後のクライマックスが展開されていくのだけど、「そこまで大人バカじゃないし!」とどうしても突っ込んでしまう。

    ので。
    あたたかーく寛大な心で、ゆったり楽しめる人には、短時間で読み切れて、それなりに起承転結はあって、ミステリーの要素もあって、気分転換にもなってなかなか悪くない作品。

    私は、もうちょっと昔に読めてたら別だったかもしれないけど、今はあんまり入り込めなかったなー。「子ども対大人」みたいな構図や展開がいまひとつしっくりこなかった。ただ、缶詰の中身が分からないってのは、想像しただけでワクワクする。日本だったらラベルのない缶詰なんて特売でも売りに出さないと思うけど、外国ならまぁありそうね。

  • 面白かったのですが、思ったよりもグロかった…。
    中に何が入っているかわからない缶詰をいろいろ妄想する楽しさ…というあたりは平和だったんですけどね。
    缶詰から指が出てきたって…もう、ホラーの世界…。
    現実の日本だったら絶対出荷停止で、商品回収騒ぎになるよなぁ…なんて思ってしまったり。
    まぁ、そこは小説なのだから大目にみないといけないのかもしれませんが。

    ファーガルが工場で働くあたりは、プロレタリア文学みたいだなぁ…とも思ったり。
    労働者の悲哀。
    シャーロットがファーガルを助けに行くのに、大人が話を全く信じてくれない描写はすごく切なくなりました。

    いろいろな種類の缶詰の描写があったり、スーパーがとても広そうに描写があるあたり、外国の話なんだなぁ…と思いました。

    しばらく缶詰を開けるのがドキドキしそうです(苦笑)。

  • 表紙の可愛さに騙されちゃいけない!!!
    内容はけっこうえげつない。

    ラベルのない缶詰を開ける遊びをしていたら、人の指が入っていたよ。ってはなし。
    その指はどこでどうして入ったのか謎を解いてく様が面白かった。

全23件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

英国スコットランド北部のウィックに生まれ、現在はサマセット州に住んでいる。テレビやラジオ、映画、舞台のシナリオライターとして活躍したあと、数多くのヤングアダルト小説を執筆、ガーディアン賞にノミネートされた『スノードーム』(求龍堂)などを生みだした。映画やテレビシリーズになった作品もあり、日本では『チョコレート・アンダーグラウンド』(求龍堂)を原作としたコミックやアニメ映画が制作された。他に、『青空のむこう』、『13ヵ月と13週と13日と満月の夜』『This is the Life』(いずれも求龍堂)、『スキ・スキ・スキ!』(あかね書房)、『世界でたったひとりの子』『あの雲を追いかけて』『骨董通りの幽霊省』(いずれも竹書房)などがある。

「2017年 『ガラスの封筒と海と』 で使われていた紹介文から引用しています。」

アレックス・シアラーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×