人狼ゲーム BEAST SIDE (竹書房文庫)

著者 :
  • 竹書房
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784812499696

作品紹介・あらすじ

あたし、樺山由佳は、2度目の殺戮ゲームの席に着いていた。参加者は13名。全員、2年4組のクラスメイトだ。前回は村人側として人狼を駆逐し、勝利を収めたけど、今回は逆に村人たちをあざむき、ひとりずつ殺していかなくちゃならない。普通の女子高生なら絶望するのかもしれないけど…あたしはむしろ興奮し、驚喜していた。なにせ、ずっと待ち望んでいた「非日常」を存分に楽しめるのだから!複数の「自称予言者」が現れ、追いつめられた人狼が道連れを欲し、共有者がほかの村人たちを扇動する。場が混迷を深める中、あたしはひとりほくそ笑み、さらなる血の味を求める…!

感想・レビュー・書評

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  • 前作を読んだのでビーストサイドも読もうと購入。前作でも思ったのだが、なんだかダンロンに似ている気もする…。小説読んだことないけどなんだか雰囲気が…挿絵の感じとか…。と思っていたら、どうもダンロンの作者と同じ方であるようだ。納得。今回も面白かった。主人公がなかなかタフだというか、逸脱しているというか…。なんかものすごかった。

  • 人狼ゲームの続編というか、「今度は殺る側」。主人公が自分の手で人を殺すことに何の躊躇いも感じていなくて感情移入しにくかった。瞳あたりが主人公だともっと面白かったような気もしないでもないけど。「人狼ゲーム」より死の描写がきつめ。最近実世界でも凄惨な事件があったばかりなので、何となくこの手の本は感情的にブロック気味。

  • 前回のゲームでは村人だった由佳。
    今回はタイトル通りに人狼としてゲームに臨む。
    同じように前回のゲームを生きて勝ち抜けた萬田麗子と伊勢淳も、人狼役を割り当てられていた。
    参加者は13名。全員がクラスメートだ。
    人狼3名、予言者1名、用心棒1名、共有者2名、村人6名。
    前回のゲームではなかった役職も登場し、その代わりに人狼も3名に増えている。
    人狼として勝ち抜けるためにはどうしたらいいのか。
    由佳は策を考える。
    ゲームに慣れていることを悟られてはならない。
    あまり目立たず、けれども村人としての反応、考え方は明確にしなければならない。
    夜に狩る相手も、手当たり次第というわけにはいかない。
    後々に生かしておいたら面倒になりそうな者。
    予言者や用心棒などの役職も早めに狩りたい。
    逆に、いかにも人狼だと疑われやすい者はスケープゴートとして残しておいた方がいい。

    人としての良識や倫理観を捨てなければ生き残ることは出来ない。
    由佳以外の麗子たちは、やらなければ自分がやられるという追いつめられた状態で人狼として行動している。
    だが、由佳は違う。
    由佳は人狼であること、ゲームそのものを楽しんでいる。
    極限状態の中で、生きていることを実感している。
    何もわからずにゲームに強制参加させられた者たちの行動も、また極端に走りがちだ。
    個人的な感情に大きく左右され、自滅していく。
    常に冷酷に、残忍に、人でなしとして振る舞った者だけが生き残る。
    それが人狼ゲームだ。
    人狼は何よりも吊られないことが大切だ。
    たった3人しかいない仲間を減らさないようにすることも大事だ。
    由佳の身勝手な判断は、結局仲間を踏み台にして自分だけが勝ち抜けるための策でしかない。
    連携プレーは必須だと思うのだけれど…。
    ゲームそのものを楽しんでいた由佳にとっては、仲間であるはずの人狼も、また自分が生き残るための道具でしかなかったのかもしれない。

  • 由佳の退屈が嫌いなのには共感できる。
    しかし、あそこまで適応できるのは異常ではないだろうか。
    実際に命を賭けて戦ったことがないから分からないが…。
    心情描写が少なく、状況描写ばかりなのが残念。
    人狼の骨頂は心情の変化と頭脳戦にあると思う。
    心情描写があった分、前作の人狼の方が面白かった。
    他にも、恨んでいる相手がわかるというシチュエーションと比べて、もともと誰を憎んでいるか知っていて、勝手に私刑に人狼の投票を使うというのが弱い。

    後、気になった事を一つ。
    P28三行目は、身体の「内側から」湧き起ってくる。ではないだろうか?

  • ライトノベルとして軽く読む分には面白く読めた。
    2作目なのか、前回と違って、「人狼」側を描いている。
    そして、主人公は狂っている。

  • 人狼ゲームの第二弾!
    今度の主人公は人狼!!

    今作は人狼側の工作と駆け引きを楽しむ事に重きが置かれています。

    登場人物が多いと名前と設定を覚えるのが大変でした。

    私は人狼ゲームをやった事があります。
    今作も十分楽しめました。
    読む前に人狼ゲームをすると更に楽しめます。

  • 意外性    ★★☆☆☆   
    熱中度    ★★☆☆☆
    読後感    ★★☆☆☆
    印象深さ   ★★★☆☆ 
    キャラクター ★★★★☆
    入手困難   ★☆☆☆☆
    トータル   ★★★☆☆

    人狼ゲームをテーマとした小説。この作品は,続編に当たり,前作で村人として生き残った3人が,人狼としてゲームに参加する。今回は,誰が人狼かを当てるフーダニットではなく,どのように村人を殺害していくかのハウダニットの小説になっている。
    登場人物は以下の13人

    樺山由佳 人狼
    萬田麗子 人狼
    伊勢淳  人狼
    藤堂由紀彦 預言者
    安道漢和 
    柳川祐貴 自ら志願し最初に吊られる。
    榎本亜希子 大人びた女性。伊勢の殺害を図る。
    宗像美海 最後の3人まで生き残る。
    対馬瞳 最後の3人まで生き残る。用心棒。
    平一也 原志保の殺害を図る。
    小曽根正則 預言者を騙り,伊勢の殺害を図る。
    佐伯まこと 共有者の一人。なお,もう一人が誰だったかは作中では分からない。

    最初の犠牲者は,柳川。実際には死なないと思い,自分に投票するように呼びかけ,死ぬ。
    最初の夜は,用心棒である瞳が小曽根を守り,人狼の襲撃を防ぐ。
    二日目は,志保から妊娠を告げられていた平が,志保が人狼であるというウソをつき,志保の殺害を図る。実際に志保が投票され殺害される。
    志保と仲がよかった麗子が,平を殺害する。
    三日目は,亜希子が伊勢の殺害を図る。小曽根は自分が預言者であるといい,伊勢が人狼だという。由佳の策で,麗子も預言者であると騙ってしまったので,小曽根対麗子の預言者をめぐる争いが始まる。結果は小曽根が勝ち,伊勢が吊られる。伊勢は,死に際し,佐伯まことを道ずれにする。
    三日目の夜に,亜希子が殺害されると翌日,藤堂が自分こそが預言者であると言い出す。小曽根は亜希子が死亡した事実から,亜希子のために預言者を騙ったことを明らかにし,自殺する。麗子と藤堂の預言者をめぐるやり取りは,由佳の策略により麗子が負け,吊られる。
    由佳は,真の預言者である藤堂を殺害する。残るは,安道,宗像,瞳,由佳。預言者を騙っていた麗子が村人と言っていた安道が疑われ,吊られる。残るは3人。由佳は,最後に宗像を殺害しようとするが,瞳が用心棒であり,宗像を守る。五日目は,由佳と瞳による宗像の投票の争奪。宗像,由佳がこれまで守ったという人物に自分が含まれていることから,なぜ,四日目にそのことを告げなかったのかと言い,由佳が人狼だと疑うものの,過去に由佳のおかげでいじめの対象にならなかったという恩義から,瞳を吊る。
    人狼が勝利したことから,宗像は死亡する。最後に残った由佳は,非現実的な生活にあこがれ,自分を人狼を主催している人間達の仲間に入れろと騙り,仲間に入るために道具と思われる携帯電話を手に入れたところで話が終わる。

    人狼ゲーム好きなので楽しめた。預言者をめぐる争いなど,ほんものさながら。麗子が自分が人狼であるとCOする当たりは,かなり盛り上がる。最後に残った瞳が用心棒だったという点はなかなかの意外性。とはいえ,フーダニットではないので意外性はその程度。やはり,人狼ゲームが題材なら,誰が人狼かを当てるフーダニットの方が面白そうではある。

    全体的にみて,結構好みの作風。★3で。

  • 人狼ゲームの2作目
    でも前作の方々は登場せずに、全く新しい人達で人狼ゲーム
    そして今回の主人公は人狼サイド

    人狼3
    占い1
    共有2
    村人7

    人狼3だったら霊媒がいないと村人不利じゃね?と思う
    さらにゲームと違って行動ペナルティの死もあるし、リアル人間関係の恨みつらみで村人も役職を騙るし、マヌケな村人もいるし
    明らかに人狼有利だよね
    ま、小説の設定自体が人狼有利な状況前提なわけだけど

    そんなわけで、今回は「誰が人狼?」ではなく、「どうやって?」がメインのストーリー
    まぁ、村人でも厄介な役職が誰かという面もあるけど、やはりメインはどうやってだね

    さらに人狼サイドも一枚岩ではないし

    とりあえず、リアル人狼やったら僕は生き残る自信がないなぁ

  • 今度は人狼側。残念ながら主人公は交代してしまいました。

    今回は前回村人として生き残った3人が人狼として行動する話。
    少し動機が弱い気がしました。
    前回の主人公であれば手にかけた人のためにも生き残る!って決意があったので人狼側でどう立ち回るかが楽しみの一つだったのですが。

    今回も立ち読み、某本屋さん毎度お世話になってます…

  • 人狼ゲームの続編だったみたいだけど、こちらだけでも十分楽しい。
    人狼ゲームは、TVで知ってとても好きなので、小説出たと知って即買い!

    実際に本当に死んでしまって、リアルなとこもあり怖いけれど、面白さとしては期待以上でした。
    人間性や人間関係も見え隠れ。
    ルールもTVと変わらずで入りやすかったです。

    こういった頭脳戦の小説は大好きです。ただ、頭脳戦は難しいのが多いので、理解して楽しむにはこれはちょうど良かったので、第一作目も読みたいですね。

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著者プロフィール

川上 亮 Ryo Kawakami
『並列バイオ』で第10回ファンタジア長編小説大賞・審査員特別賞を受賞(秋口ぎぐる名義)。
『ラヴ☆アタック!』で第1回角川エンタテインメントNEXT賞を受賞。
執筆活動のほか、カードゲーム『キャット&チョコレート』シリーズ等の制作も行う。www.cosaic.co.jp"

「2020年 『人狼ゲーム デスゲームの運営人 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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