夏の塩 (SHY NOVELS 233)

著者 :
  • 大洋図書
4.58
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本棚登録 : 910
感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (393ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784813012016

感想・レビュー・書評

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  • 文庫が話題になった当時手に取ってみたものの、恋愛小説(男女問わず)というもの自体が肌に合わず一巻だけ読んで止めた。
    最近何故か急に読みたくなって、10年振りくらいに手に取った。
    段々と人間らしくなっていく魚住の姿に号泣。
    彼の幸せを願わずにはいられない。

    • HNGSKさん
      araさん初めまして。あやこと申します。
      この作品ではないですけれど、「いいね」をありがとうございます。
      私も、榎田さんの作品、大好きです。...
      araさん初めまして。あやこと申します。
      この作品ではないですけれど、「いいね」をありがとうございます。
      私も、榎田さんの作品、大好きです。魚住くんシリーズ大好き。
      お前ら、くっつく気があるのかーっ!て叫んだこと多数回です・・・マリちゃんがすきです。
      あ、嬉しくてつい、余計なことを・・・

      もし、よかったら、フォローさせてください。
      2013/02/21
  • シッカリした人物設定、出てくる女子がカッコいい、主人公の男2人の愛すべきキャラ、出てくる食べ物が美味しそう、もどかしいくらい2人の関係は進まないのにエロくてドキドキする
    ってトコが星5つの理由。
    BLでこんなに泣くとは。そもそもこれはBLなのか?完璧だと思う

  • 久々に読んだ。
    高校時代に友達に借りて読んで、後に手に入れたいと思ったときにはもう手に入らなくなっていた。
    復刊を知って、衝動買い。
    BL好きな人じゃなくても、読めると思う。
    (私もそうだった)

    マリさんの科白がささるんだ。


    20111218再読

  • すごく良かったです。変な言い方かもしれませんが、BLを読まない人にも胸を張ってお奨めできる作品ではないかと。主人公2人だけの閉じた恋愛物語じゃなくて、登場する沢山の人たちがちゃんと奥行きを持った人間として描かれていて、それぞれの絆があって。色々な事を考えさせられる作品です。

  • おそらく十年ぶりに読みました。「魚住くん」の完全版。BL小説がこんな風に1冊のハードカバーで出るってそうそうないよな、ということに改めてこの本の人気をしみじみと感じました。色んな人の心にもこの本が響いているってマジマジすっげー嬉しいですね。

    十年ぶりに読むと、最後が決まっていて、それに向かって書かれていた本なんだなとしみじみしました。
    そしてやっぱり十年前と同じところにドキドキしたりぐっとしたりした。
    「お前のこと好きなんだ」辺りはもちろん、「久留米が呼んだんだ」のところにいつも泣きそうになってしまいます。後者は泣くところじゃないかもしれないのに。こっちはもっと硬質だけど、文章の書き方とか影響受けているかもとハッとしました。第三者が見たら残念なくらい似てないけど(笑)。

  • 文庫で追っていたものが、一冊のハードカバーになりました。

    出てくる登場人物たちがとても愛しい。
    みんなでご飯を食べるシーンはとても幸せ。

    なんでだろうなあ、と考えますが、一つは混ざりたいなあっていう希望かな。
    偏見なく、信頼はしているけれどもたれることなく、同じ食卓を囲むように、日々の付き合いがあります。サリームと一緒にご飯つくりたい。

    さちのちゃんと一緒に、ご飯食べられたらいいのにな・・・。
    ネズミランドでもさちのちゃんあんまり食べてなかったし。

  • 「おまえが泣くところ見してみ」

    なんだかんだで世話焼きサラリーマン(久留米充)・何かと不幸な院生(魚住真澄)
    魚住が久留米の家に転がり込むところから始まる、生と死と友と愛のお話。

    魚住くんシリーズ復刻版…だったのですね。知らなかった。
    何気なく買ってみたら、大当り!あー新品買えばよかった(笑)
    いくつかの区切りのよいお話しで構成されてますが、どれもこの人たちの世界を知るうえで欠かすことのできないお話しだなぁと思いました。魚住くんが様々な人と関わることで成長、、というか人間らしくなる様が微笑ましかったです。そして鈍い2人がもどかしい!そのもどかしさも一興。最後のお話しは涙無くして読めませんが、大切なものについて考えさせられる感慨深いお話しでした。
    文句なしで殿堂入り!

  • BL小説まさかのハードカバーですよ。
    榎田さんの作品ということで、ハズレはないだろうと思い購入したらハズレどころか大当たりでした。

    顔はいいのに精神的・身体的に問題ありまくりな魚住と、優しくはないけど魚住にとって一番一緒にいて楽な存在の久留米の物語です。
    BLの癖にまさかの一巻にエロシーンがない!という驚きと、読み終わったあとの充足感に色々と吃驚させられた作品です。ていうか、両思いにすらならないのかよ、みたいな(笑)

    あ、これは1巻で、2巻は「夏の子供」です。
    BLだからと敬遠せず、沢山の方に読んでもらいたい作品です。

  • 読みごたえあった。二段組みで結構なページ数。文庫にしたら何冊分かな? BLといってもとっても仄かで、これくらいなら現実にも有り得るのではないかと思ってしまうほど。静かな中に強く太い絆が感じられた。二人のまわりを取り巻く人々もみな個性溢れるメンツ。お互いを尊重し適度な距離感で二人を見守る。ふわんとしているようで、生きているものなら切り離せないものについても見え隠れしていたりして、場面すべてが濃かった。榎田さんすばらしい! 大好きです。

  • 日本の3〜40年のボーイズラブ小説の歴史の中で、一番の傑作は何か?と問われたら、私は迷いなくこの「夏の塩」「夏の子供」を挙げるな、と久々に再読して改めて思った。10代の頃に読んで深く胸を打たれたけれど、今読んでも全く読み味が変わらない。デビュー作だからかボーイズラブ小説の定型にハマりきっておらず、魚住と久留米だけではなく、サリーム・マリ・響子・濱田などなど…たくさんのキャラクターを扱い、そのサブラインに何度も立ち入りながら、かなり微妙なバランスでボーイズラブ小説として成り立っている。ほとんど奇跡と言っていい。
    それにしても、魚住が久留米の汗で味覚を取り戻していることに気づくくだりや、さちのからのメッセージによって魚住が久留米に愛の告白をするくだりなどはちょっと涙なくして読めない。魚住というある部分がポカンと欠けてしまった人間、生きる感覚を失くしてしまった人間の喪失と再生。「塩」で味覚を取り戻したところから、つよい「子供」になっていくまで。単行本600ページ超にわたって、不器用に近づいたり離れたりする二人の関係性に身悶えながらも、たくさんのキャラクターが奇妙な輪を作りながら二人を支え、メインストーリーをきっちり読ませる、その構造には何度読んでも驚かされる。
    「みんなひとりなのだ。自分の土管の中で、自分はどう生きていくのか、それを考えなければならないのだ。」
    恋愛が全てではない、生きることをめぐる大きくて懐の広い物語であり、私が慈しんできたボーイズラブというカルチャーの一番美しくて素晴らしいところが結晶化された宝石のような物語。たくさんのボーイズラブ読者の宝物になっているであろう作品だし、何度も何度も再刊行されるのも当然だろうが、この作品が今後も生き続け、新たな世代のボーイズラブ読者に読み継がれていくことを心の底から祈っている。

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著者プロフィール

東京都出身。2000年、「魚住くん」シリーズ第1作となる『夏の塩』でデビュー。以降、多彩なテイストの魅力的なボーイズラブ作品を世に送り出している。代表作としては「交渉人」「漫画家」「Nez〔ネ〕」各シリーズなど多数。榎田ユウリ名義でも「宮廷神官物語」「カブキブ!」「妖き庵夜話」「死神」各シリーズなどを発表し、読者から熱い支持を得ている。

「2022年 『threesome』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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