- Amazon.co.jp ・本 (522ページ)
- / ISBN・EAN: 9784813314448
作品紹介・あらすじ
百年前、「武士道」で日本人の精神文化を世界に知らしめた国際人・新渡戸稲造の、世紀を越えて読み継がれてきた実践的人生論。百年後、いまだに日本人に勇気を与えてくれる。
感想・レビュー・書評
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武士道の新渡戸稲造の本。読みたくないはずがない。
現代にも通じる生の哲学。 -
1.この本を一言で表すと?
・新戸部稲造が記した、約百年前の自己啓発本
2.よかった点を3〜5つ
・暦を繰り返したからとて、必ずしも老年というのではない。して、この意味で年を取るのは、いたずらに馬齢を加うると違って、星霜を経れば経るほど精神が若返り、それこそ老いてますます盛んになり、老衰はしないで、成熟する。 (p41)
→やるべきこと、目標があるかどうかが重要であるということ
・人の悪口を言うのは、自分の下劣なことを自白するにすぎぬ、最も聞き苦しいことである。自分を上げるために、人を下げんとするほど、心術の陋劣で見にくいことはない。名誉そのものは悪くないにしても、これを得るために人を陥れんとする心術は最も悪い。(p196)
→人の悪口は言うのは自分の価値を下げること。
・難題の解決も、要するに日々の平凡の務めをなし遂げることによって、初めてできることと思う。(p29)
→日々努力が必要ということ
・心がけにより逆境も順境とされる(p366)
→境遇は考え方次第でとうにでもなるということ。
・毎日反省するから諸徳は継続して実行されるのである(p107)
→物事を継続するためのヒントだと思う。
2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・青年は不必要な知識に食傷するな
→不必要(害悪)な知識と判断するのは誰?判断基準は?
・十三章 道 は何が言いたいかよく理解できなかった。
3.実践してみようとおもうこと
・人の悪口を言わない
5.全体の感想・その他
・菜根譚からの引用が多いので、今度改めて読んでみたい。 -
帯に日本人のための教養書と書かれていたが、まさに文字通りだと感じた。著者がエリートでありながら常に謙虚に継続する、鍛錬された精神には脱帽である。
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(02.09.2016)
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修養とは身を修め、心を養うこと。
青年はどうあるべきかということや、職業選択の基準、決心の継続法、勇気の修養、逆境にあるときの心得…などが書かれています。
非常に正当で為になることを言っているなぁと思いました。
しかし、若い人はこういう本を読む機会も少なければ、教えてくれる大人もなかなか居ないと思います。
分厚いけど『武士道』に比べれば、格段に読みやすいのでオススメです。 -
古いけれど、古びない。
たまに読み返して自分も「修養」しないとなあ、と思うけれど、
すぐ忘却先生になって困る。 -
23歳の新渡戸先生が神田の成立学舎で、アルバイト講師のとき、夏目金之助少年はそこの書生だったらしい。諭吉先生は当時50歳。 新渡戸先生が5,000円札の「顔」に選ばれたのは、津田塾大学や東京女子大学等での経歴をして、当時の、女性教育の先達者という貢献分野が認められたためであったそうだが、時は流れ、5,000円札のデザインが変わってからも既に随分経ったように思う。
武士道が、国際社会における日本国の位置づけに意識を置いて書かれた翌年、先生49歳の著作。和魂洋才とは、まさに本書をして新渡戸先生が男女を問わず、その正義を、体力を、知力を、そして処世を修養しなさいとしたプラットフォームを指すのではないかと思います。
健康面でのライフハックにまで、細やかに描かれており、私もハマっていた鼻うがい(鼻から水を吸い込む)は新渡戸先生も試されたうえで「激烈な中耳炎を発生することがあって、危険であるというので、今は中止している」を読んで青ざめましたw。
信念や己の正義を嘲笑されたら「ただちに思い切って相手を殴るがよい」など、今でこそ言わない、明治オリエンテッドな部分もありますが、全体を通じて新渡戸先生が、先輩として、自らの経験をもとに優しさをもって書いてくれたんだなと感じます。ある意味ひとつの「幸福論」といえるでしょう。