すべての幸福をその手のひらに (スターツ出版文庫)

著者 :
  • スターツ出版
4.22
  • (3)
  • (5)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 34
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784813705406

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 兄弟の絆を描いたお話です。あれこれ言うとネタバレになりそうなので控えますが、日常生活にふっと存在する不思議が様々に展開していきます。なんとなく懐かしさすらある。
    辛さや苦しさも優しく撫でられるように書く作家さんなので、読み終わりは静寂と温かさが心に漂います。
    こういう話を書きたい、という意志も見えて好きなお話でした。

  • 初めて手に取った出版社の本で、ラインナップやイラストから若い人、特に女性向けのレーベルという第一印象。裏表紙のあらすじを読む限り、ミステリっぽい内容のようですが、先に抱いた先入観から、恋愛要素や学校内の人間関係が中心なのだろうと思いこみつつ読み始めました。

    しかし、いろんな点でその予想を覆されました。現実的な世界観の話かと思っていたら、まさかファンタジーだったとは……

    作品によっては、期待していた内容と違っていると「コレじゃない!」とネガティブな感想を抱いてしまうのですが、本作ではそのような否定的な感はなく、よい意味で期待を裏切られた感のほうが強かったです。

    その要因は、異能者ではない人の視点で物語を追うことができた点が大きいのかも。

    偶然ではありますが、本作を読む直前に漫画「ヒカルの碁」を再読していて、そのとき「これ、佐為の存在を知らない人、例えば塔矢アキラ視点で描かれていたら、どんな印象を受けるのだろう?」と疑問を持ちまして。その直後だったため、“普通の人”視点の本作を興味を持って読むことができたのかな、と思っています。

    ただ、それがなくとも志や司、瑛の必死の想いや行動は、十二分に私を感動させてくれたのではないかと思います。多分タイトルの元となっている場面――アキラがヨゴト様に願いを伝えるところ――は、アキラの強い想いが伝わり、特にグッときました。

  • 縁あって一足お先に沖田円さんご本人からいただきました。(サイン付きだぞうらやましかろう!)

    兄と妹の深い絆のお話です。
    今までにない沖田円の魅力を垣間見たのと同時にあぁ円さんらしいなぁという安心感も感じられる。
    優しくて、厳しくて、温かい。

    どんなラストを迎えるのだろうと、早く見届けたい気もするし、もう少し先の楽しみにとっておきたい気もする、と思いながらもやはり最速でページをめくってしまうのは私の癖だな。

    あぁ、彼女は逃げないんだな。
    最後のページを読んでそう感じました。
    誰かを大切に思うのはすごく人間くさくてすごく身勝手なことで、でもやっぱり素敵なことです。

    今まで、書籍になっていない作品も含めて円さんの物語のなかで、わたしはいちばん本作が好きだと宣言します!

    すべての幸福をその手のひらに、と彼は願ったけれど、わたしは三人の手のひらに等しく幸せが宿るように願ってやみません。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

沖田円(おきた えん)
愛知県安城市出身・在住。代表作に『僕は何度でも、きみに初めての恋をする。』。『神様の願いごと』は安城市を舞台としており、同作は安城七夕まつりの公式ポスターに起用される。『きみに届け。はじまりの歌』は、同作内の作中詩を「緑黄色社会」とコラボレーションし、楽曲化された。

すべての幸福をその手のひらに (スターツ出版文庫)のその他の作品

沖田円の作品

ツイートする