- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784813707745
作品紹介・あらすじ
優等生で人気者・澄香が入水自殺⁉ 衝撃の噂が週明けクラスに広まった。昏睡状態の彼女の秘密を握るのは5名の同級生。空気を読んで立ち回る佳織、注目を浴びようともがく小森、派手な化粧で武装する知里、正直でマイペースな高田。優しいと有名な澄香の恋人・友。澄香の事故は自殺だったのか。各々が知る澄香の本性と、次々に明かされていく彼らの本音に胸が掴まれて…。青春の眩さと痛みをリアルに描き出す。櫻いいよ渾身の書き下ろし最新作!
感想・レビュー・書評
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高校生のリアルな日常や葛藤が描かれていました…!主人公、澄香の性格が段々と明かされていく感じ、思いのすれ違いがとても良かったです…!ねこが登場するタイミングがすごく良く、読み進めていくのがどんどん楽しくなるような本でした…!感じることがたくさんあって面白いので、ぜひ読んでみてください!!
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高校2年のクラスの優等生で人気もある学級委員長の睦月澄香は、雨で増水した川で溺れて昏睡状態にとなり入院します。澄香は自殺未遂との噂が流れる中、澄香に関係する5人の同級生、クラスで当たり障りなく過ごす浅田佳織、何かと佳織にちょっかいを出す小森真也、派手な安藤知里、図書室で本を読む友の友達の高田純平、澄香の彼氏の楠山友、そして学校に出入りして澄香にエサをもらっていた猫、それぞれが知る澄香のイメージが違っています。順番に語り手が変わっていき、本当の澄香が明らかになっていきます。不器用で未完成な高校生たちの葛藤や痛みが心に刻まれていきます。
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あぁ、これはまさに櫻いいよの手によるものだな、と思える作品。
誰もが未完成で、なりたい自分がどんなものか、また理想に程遠い自分を知って、あがいている。
10代の若者達にぜひ読んで、彼らなりの『さふいうもの』を見つけてほしいなと思いました、
宮沢賢治の詩をモチーフにした作品の構成も素敵。(もちろん黒猫のパラパラ漫画もかんわいいいい)
登場人物達の連作短編を通じて明らかになる澄香の本心と本音をぜひ見届けてください。
ちなみにわたし自身はあまりにも特殊な人となりで高校時代を過ごしたのでどのキャラにも自身を投影できなかったけれど、過去の自分をこの中に見つけられたらもっと楽しめたのかな。