給食アンサンブル (飛ぶ教室の本)

著者 :
  • 光村図書出版
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本棚登録 : 526
感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784813800781

作品紹介・あらすじ

転校先の学校に馴染むのを拒む美貴、子どもっぽいのがコンプレックスの桃、親友の姉に恋をする満、
悩める人気者の雅人、孤独な優等生の清野、姉御肌で給食が大好きな梢。
6人の中学生たちの揺れる心が、給食をきっかけに変わっていく。
やさしく胸に響くアンサンブルストーリー。
「七夕ゼリー」「マーボー豆腐」「黒糖パン」「ABCスープ」「ミルメーク」「卒業メニュー」の6品がつなぐ連作短編集です。

感想・レビュー・書評

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  • 6人の中学生を描いた連作短編集。
    友達とのやり取りや給食のメニューをきっかけに、さまざまな悩みを軽くしていくような、心温まる話。
    みんないい子たちだった。
    本好きの子が登場したのも嬉しくなった。

    本書は子どもの学校の図書だよりで紹介され、知った。
    「"ミルメーク"は知っていますか?この学校の給食には出たことはないかも」とも書いてあった。
    そうなの?寂しいね。
    私にとっては、牛乳が豪華な飲み物に変わる特別なメニューだったのに。
    思い出の給食メニューや、そのエピソードがきっとあるはず。それを思い起こすのも面白いかもしれない。

    • なおなおさん
      さわわさん、たださん、こんばんは。
      お二人にミルメークについて報告でーーす( ^ω^o[ ]o
      カルディにはなく、なんと!ダイソーにありま...
      さわわさん、たださん、こんばんは。
      お二人にミルメークについて報告でーーす( ^ω^o[ ]o
      カルディにはなく、なんと!ダイソーにありました!
      そこは大きめのダイソーですが。
      「ミルメーク ダイソー」と検索してみてください。出てくると思います。
      一袋に1種類のミルメーク小袋8つ。
      種類はたくさんありました。いちご、コーヒー以外に、バナナ、紅茶、キャラメル、ココアなど。
      ミロを飲むさわわさんには、ココアが合うのではないかな?
      それからデザイン(小袋)は、昔ながらの物かなぁ〜。
      さわわさんとはおそらく歳がだいぶ離れていると思いますが、この本をきっかけに世代を超えて牛乳やミルメークの話までして、嬉しい限りです(^^)
      2023/05/01
    • りりうさん
      なおなおさん、こんばんは。ダイソーにあるんですね!大きめ……家の近くのダイソーは大きいのか小さいのか……ココアもあるんですね、美味しそうです...
      なおなおさん、こんばんは。ダイソーにあるんですね!大きめ……家の近くのダイソーは大きいのか小さいのか……ココアもあるんですね、美味しそうです‼︎今度私も見てみます、なかったら調べよーっと。私もなおなおさん、たださんとブクログで通じることができ、嬉しいです。ありがとうございます!
      2023/05/01
    • たださん
      なおなおさん、さわわさん、こんばんは。

      なおなおさん
      おお、ダイソーでしたか。
      早速、画像検索してみたら、出て来ましたよ♪
      あれっ、この牛...
      なおなおさん、さわわさん、こんばんは。

      なおなおさん
      おお、ダイソーでしたか。
      早速、画像検索してみたら、出て来ましたよ♪
      あれっ、この牛の絵、ノスタルジーは感じるけれど、見たことないなあ・・と思ったら、その左手に持っているパックが、それっぽいですね。文字がメインで、色もこんな感じでしたが、牛の絵は覚えてないなあ、あったっけ(^^;)
      でも、ダイソー行ったときに探してみようと思います。近くには無いので、すぐにとはいきませんが・・
      ありがとうございます(^o^)

      さわわさん
      そうですね。ミルメークと大きく書いてあるのが、おそらく、往年のデザインだと思います。

      実は、私も小学校の頃、牛乳苦手だったので、当時は鼻をつままずに息を止めるやり方を会得しまして、毎回、それで凌いでおりました(^^;)
      ですから、ミルメークの日は、とても嬉しかったですよ。
      2023/05/01
  • 私がフォローしている方々が、よく、この作品を登録されているのを見まして、気になって読んでみたのですが、爽やかな良い作品でした。

    中学1年生の同じクラスを舞台に、思春期ならではの悩みを抱えるクラスメイトが、給食を通して、前向きな気持ちになっていく連作集。

    給食をメインにしているような感もあるが、それを抜きにしても、クラスメイト同士のやり取りや物語の内容に、心動かされるものがあるのも確かで、文章が読みやすい上に、笑える部分もあって、面白い。

    それでいて、人は見た目に反して苦しんでいることもあり、その心の内を思いやることの大切さを教えてくれて、特に同年代の方には共感出来る部分が多いと思うので、お薦めの作品です。私の場合は、青春の素晴らしさを思い出して切なくなったり、ミルメーク懐かしいなあ、なんて感じたり。

    以下、ネタバレ含みますのでご注意を。














    また、この物語の構成は、ちょうど1年間を通した内容になっており、章を追うごとに、個性的なクラスメイトの色々な一面を知ることが出来て、次第に愛着を持てるようになる作り方が上手いと思いました。

    更に、悩みを持つ6人の登場人物たちについては、ちょうど二人ずつ、対になっているのが面白いなと思いました。美貴と梢は転校について、桃と満は大人への憧れで、足立と清野はそれぞれのようになりたいなという、これまた憧れになります。

    こういう作り方は、おそらく意図的にされているとは思うのですが、そうすることで、世界って意外に狭くて、自分は一人ぼっちじゃないんだ、現実は自分が思っているよりも、もっと素晴らしいものかもしれないという、希望の物語のようにも感じられました。

  • 給食アンサンブル[前編] | みつむら web magazine | 光村図書出版
    https://www.mitsumura-tosho.co.jp/webmaga/shoseki/detail09.html

    らぎの日記帳
    https://ameblo.jp/ragi166

    給食アンサンブル (如月かずさ 作) | 飛ぶ教室の本 | 一般書籍 | 光村図書出版
    https://www.mitsumura-tosho.co.jp/shohin/tobunohon/book_th002.html

  • 読み終わった後、しばらく涙止まらなかった…。
    如月かずささんの作品は初めて読んだ。
    上手い!めちゃくちゃ上手い!
    同じクラスの、6人の中学1年生で視点が変わっていく連作小説。
    脇役として出る時と主役として出る時では複雑さがもちろん違うわけなのだけど、全く違和感がない。
    主役でも脇役でも、みんな生きてる。
    大きな出来事が起こるわけではないけれど、それぞれに悩んだり戸惑ったり、それは子どもたちにとっては本当に切実で、その心に柔らかく寄り添う温かさが胸に沁みた。
    しっかり地に足が着きつつも、フィクションだからできる良さもあり、バランスがとても良い。
    良い物語を読みました。
    他の作品も是非読みたい!

  • 出てくるメニューは、学校給食の定番ばかり。
    ミルメークとかABCスープとか七夕ゼリーとか。
    全国的に、同じようなメニューを作ってるってことですよね?
    …日本の給食ってすごいな。
    (と、別のところに感心してみた)

    さて、お話は給食メニュータイトルに沿って7つぐらい入っていたかな。

    ある中学のあるクラスの数名の生徒達が交代で主人公となって、タイトルに絡んだお話と共に現れます。

    それぞれ、中学生らしい心配事を抱えて過ごしています。転校してきた子。子どもっぽいことを悩む子。友達のお姉さんが気になる男の子。今の自分の立ち位置が永遠ではないことを心配する子。そして、転校することになった子。

    それぞれ、前向きになれるぐらいには解決をして次へと繋がっていきます。気負わずに、でも、中学生なら少し同じ気持ちを感じながら読める本。

    長いのが苦手な子に、おすすめ。

  • すごく素敵な話だった。

    ずっと美貴の話が続くのかと思っていたら違っていたけれど、一人一人の話にじーんとしてしまった。如月かずささんは心の中を描くのが上手だ。

    ABCスープは初めて聞いたけれど、なんだかどの給食にも思い出がこもっているよう。私が食べている給食にも思い出があるのだろうか。深く考えさせられた。

    給食アンサンブルは二巻もあるので、そちらも読んでみたい。

    • たださん
      さわわさん、こんばんは。
      お久しぶりです(^^)

      ミルメークについて、コメントしたのが、今となっては懐かしくて、良い思い出ですよね(*´ω...
      さわわさん、こんばんは。
      お久しぶりです(^^)

      ミルメークについて、コメントしたのが、今となっては懐かしくて、良い思い出ですよね(*´ω`*)
      ちなみにABCスープは、私も知らなかったです。

      さわわさんのレビューで、本書が給食の良さに加えて、クラスメイト6人の中の、似たもの同士の面白さと、その共通性による世間の狭さに、却って、励まされた思い出がよみがえりました。同じ悩みを抱えている人は、案外近くにいるのだなと。確かに素敵な話だと思います。

      私も早く、「給食アンサンブル2」を読まねば(^^;)
      2023/07/17
    • りりうさん
      たださん、こんにちは。

      ほんとですね、私もたださんとなおなおさんとコメントしあったことを思い出しながら感想を書きました。ABCスープ、給食...
      たださん、こんにちは。

      ほんとですね、私もたださんとなおなおさんとコメントしあったことを思い出しながら感想を書きました。ABCスープ、給食に出る学校はあるんでしょうか?自分の名前のアルファベットが入ってたら嬉しい……(*´∇`*)

      これからもよろしくお願いします!
      2023/07/19
    • たださん
      さわわさん、こんばんは。
      お返事ありがとうございます(^^)

      ABCスープ、気になって調べてみたら、1970年代に群馬県桐生市で発祥だとか...
      さわわさん、こんばんは。
      お返事ありがとうございます(^^)

      ABCスープ、気になって調べてみたら、1970年代に群馬県桐生市で発祥だとか、2000年代に神奈川県藤沢市で考案されたとか、まちまちでして、どうやら時代というよりは、地域によって、左右されるようです。
      少なくとも、私には無理な話ですが、もしかしたら、さわわさんには望みがあるかもしれませんし、確かに、実際に見たら、自分の名前探したくなりますよね(*´∀`)

      こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします(^-^)
      2023/07/19
  • 給食という響きに懐かしさを感じ借りてしまった。
    中学生6人のいろんな複雑な思いを給食を通して紡ぎ合っている。
    みんないい子たちばかりでホッとする。

  • それぞれの悩みを持つクラスメイト6人の心の変化を給食メニューに絡ませながら描いたオムニバス。次第に6人の関係性が繋がって一気読み。登場人物のみんなが本当にいい子!読んだ中学生たちも素直に影響されてほしいな。

  • わたしはこの環境に、いまの状況に慣れてしまいたくなかった。
      ──「七夕ゼリー」笹川美貴

    わたしもきっと、このままじゃ駄目なんだ。変わらなきゃいけない、大人にならなくちゃいけないんだ。
      ──「マーボー豆腐」高梨桃

    このままただ落ちこんでいるわけにはいかない。だけど、いったいおれになにができる?
      ──「黒糖パン」道橋満

    だけどいま、おれははっきりと、自分のことが嫌いだと思った。どうしておれは、こんなふうになっちまったんだろう。
      ──「ABCスープ」足立雅人

    ぼくが教室で浮いてしまっているのも、みんながぼくを敬遠するからじゃなく、ぼくのほうがみんなに近づこうとしなかったせいかもしれない。
      ──「ミルメーク」清野

    そんな約束、なんの意味もないよ。あんたの友達も、どうせそのうちあんたのことを忘れてしまうよ。
      ──「卒業メニュー」飯島梢

    それぞれ悩みをかかえる6人の中学1年生
    友人と給食をきっかけに自分を見つめ、変わっていく

    “やさしく胸に響くアンサンブルストーリー”

    2016~17年にかけて『飛ぶ教室』に掲載された6編に加筆修正して単行本化

  • 6人の中学生の日常と悩みを、給食の献立を通して描いていく。

    1話目は、東京のお嬢様学校から転校してきて、新しい中学校に馴染むのを拒む美貴の物語(七夕ゼリー)。続けて、自分が子どもっぽいことに悩む桃(マーボー豆腐)、友人の姉に恋する満(黒糖パン)、お調子者で人気者の雅人(ABCスープ)、孤独な優等生の清野(ミルメーク)、そして姉御肌で給食が大好きな梢(卒業メニュー)と、彼らの悩みや日常がそれぞれの視点で描かれていく。

    私が心に残ったのは、1話目の美貴の話と、優等生の清野の話だ。
    私はお嬢様学校に在学したことはないが、自分が大好きだった場所から他へ移動した時、新しい場所に馴染めずに変に自分を閉じてしまう気持ちはとてもよくわかった。そして、結局はその意固地な気持ちが自分をますます今いる場所から遠ざけてしまうということ。そのことがわかっていても、なかなか前に進めない気持ち。
    読んでいる時はどうして美貴に共感するのかな?と思ったが、今書いてみて初めて、自分もそれを経験してきたことに気づく。そこを乗り越えられた美貴は、当時の私よりも遥かに柔軟性に富み、素直だ。
    途中、女子グループ特有のジメジメとした話かなと思いきや、ここに登場する女の子たちは心根が優しい子たちばかりのようで、爽やかに読み切れる。ただ、実際の中学生女子はもう少し面倒くさいことになるパターンもたくさんあるだろうなと思った。

    清野の話では逆に、俯瞰した立場で清野に寄り添う見方をした。
    勉強が好きで、物事を真面目に受け取りがちな清野が、クラスメイトの中で浮いてしまうのはよく分かる。実際真面目な子にこういう子は多い気がする。本当かどうかは知らないが、「IQが10違うと話が合わない。」という話を思い出した。清野は、地元の公立中学よりも私立中などに行った方が価値観の合う仲間を見つけられそうだなと思った。しかしそんな清野が、勉強はからっきしの雅人や梢と仲良くなっていくさまは面白いし単純に嬉しい。清野を「面白い」と思える雅人の感性も素直だ。価値観が似た集合体は楽であるかもしれないが、価値観が全く違う者が集まる集合体では、そこでしか出会えない出会いや化学反応があるのかもしれない。

    オムニバス形式なので、1話ずつドキドキしながらページを繰ったが、最後の方は少し単調になってしまったかもしれない。個人的には、過去に給食調理員をしていたこともあり、職業柄給食にどう絡めていくのかなぁと興味津々で見守っていたが、読み終えてみて、さほど給食が重要にも感じられなかったので少し物足りなかった。
    とはいえ、各話給食の献立が個々人にとってのエポックメイキングになっているのは確かなのだが。
    自分だったら、どの献立でどんなストーリーにするかなーなどと考えてみるのも楽しいかもしれない。(そもそも給食の献立を絡めてお話を作るって、結構難しいのかもしれない。)

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著者プロフィール

1983年、群馬県桐生市生まれ。東京大学教養学部卒業。『サナギの見る夢』(講談社)で第49回講談社児童文学新人賞佳作を受賞。『ミステリアス・セブンス―封印の七不思議』(岩崎書店)で第7回ジュニア冒険小説大賞を受賞。『カエルの歌姫』(講談社)で第45回日本児童文学者協会新人賞受賞。その他の作品に、『シンデレラウミウシの彼女』『スペシャルQトなぼくら』(講談社)、『給食アンサンブル』(光村図書出版)、『七不思議探偵アマデウス!」(静山社)、「ミッチの道ばたコレクション」シリーズ(偕成社)「なのだのノダちゃん」シリーズ(小峰書店)ほか多数。


「2023年 『YA!ジェンダーフリーアンソロジー TRUE Colors』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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