ベスト・エッセイ2020

制作 : 角田 光代  林 真理子  藤沢 周  町田 康  三浦 しをん 
  • 光村図書出版
3.25
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本棚登録 : 270
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784813802709

作品紹介・あらすじ

〈収録者名〉(五十音順)
青山七恵/秋山 仁/朝井まかて/荒俣 宏/飯塚大幸/
池内 紀/池上永一/伊藤亜紗/大沢在昌/奥本大三郎/
小山田浩子/角田光代/春日いづみ/加藤シゲアキ/加藤典洋/
河合香織/川本三郎/木皿 泉/岸本佐知子/木下昌輝/
木ノ下裕一/金田一秀穂/久保友香/黒井千次/最相葉月/
齋藤亜矢/最果タヒ/酒井順子/桜木紫乃/佐藤雅彦/
沢田隆治/三辺律子/嶋津 輝/島本理生/管 啓次郎/
青来有一/瀬戸内寂聴/高橋源一郎/髙村 薫/俵 万智/
檀 ふみ/辻村深月/津野海太郎/出久根達郎/ドリアン助川/
中沢新一/長嶋 有/長瀬 海/南條竹則/林 真理子/
東 直子/東山彰良/平岩弓枝/平田俊子/平松洋子/
福島暢啓/藤沢 周/藤原智美/藤原正彦/古市憲寿/
保坂和志/星野博美/ほしよりこ/マイケル・エメリック/牧田真有子/
町田 康/町屋良平/三浦しをん/三木 卓/三田誠広/
村山由佳/森 絵都/山田詠美/山西竜矢/横尾忠則/
吉村作治/ロバート・キャンベル

感想・レビュー・書評

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  • 好きなエッセイストの作品をきっかけに
    2014年にこのシリーズを初めて手に取り
    途中2回とばしたけど
    毎年この時期読むのを楽しみにしています。
    (今年はコロナのせいか少し遅い)

    前は、この中で読んだことある人が何人
    とか数えていたけど、もうわからなくなりました。
    こういう形で読んでると、知らないうちに読んだかもしれないし
    最近他人様のレビューをアトランダムに読むようになって
    それだけでその作家の作品を読んだ気になってる私なので。

    まあ、とにかくこの本を読んで思ったのは
    私はノンフィクションの方が好きだなとあらためて。

    それと今回、心なしか故人を偲ぶものが多かったような気がする。
    もしこれから年々増えてしまったら、
    なんかなー。

    町屋良平さんの「ごまかしやのしっぱい」が良かった。
    〈ぼくはよく「気をつかう」のにしっぱいする。
    「こうしておいたらあの人はよろこぶに違いない」
    「ああ言ったらこの人は怒るに違いない」とかいうのを、まったく間違えたりしている〉
    私もだから。

    〈信じてもらえるかわからないけど
    小説家はごまかしや(ついごまかしちゃうひと)にむいている。
    めちゃめちゃ必死になにもかもごまかした挙げ句に、
    なんとほんとうのことだけが残るからだ。
    だから小説はうその話だとおもわれているかもしれないけど、じつはすごくほんとうの話なのだ。
    すごくがんばってごまかすと、
    最後にはほんとうが残る。
    ごまかしやは小説をかいてみるといい。
    ごまかしてばかりの自分の「ほんとうのこと」がみえてきて、自分のつらい気持ちがすこしだけ楽になるのだ〉
    参考にします。

    髙橋源一郎さんの「幻の女」
    面白かったけど、私には最後がわからなかったのです。
    きっと頭の良い人にはわかるのでしょう。
    誰か、教えてほしい。

  • エッセイが読みたいと気軽な気持ちで
    手にしました。2019年に書かれたエッセイが
    なんと77篇もの収められています。

    短いもので2ページから。
    初読み作家さんも多かったです。

    個人的お気に入りをピックアップしました。

    「灰になれ」森絵都
    手紙はEメールみたいに残らない。確かに。
    渡してしまえば自分にとってはそれでおしまい。
    ラインとか残っちゃうのも利点だけど
    手元からなくなるのもまた長所かもしれない。

    「ハートはピリオド」河合香織
    一押し。まるで短編小説のようなエッセイ。
    男性には申し訳ない内容だけど私は意地が悪いのです。
    日本経済新聞四月二十五日夕刊に掲載。

    「九十九の憂鬱」東山彰良
    「好きなことをひとつやるためには、好きではないことを
    九十九もやらなければならない。ときにはなんの意味も
    見いだせない九十九のしがらみが、本当に好きな
    たったひとつのことを支えている」(P68)
    忘れがちだけど肝に銘じておきたいこと。

    「体重計が図るもの」久保友香
    女子の「ものさし」、昔は体重計、今はアクセス数や
    「いいね」の数、どちらも「努力」を評価してほしい、
    ということ。

    「古新聞を読み返す楽しみ」荒俣宏
    福沢諭吉が新聞を編集発行することになった
    いきさつについて。こんなところにも歴史が
    絡んでくる。日本史、しっかりやっておけばよかった。

    「丑の刻まいり」平岩弓枝
    小さいときに目撃した丑の刻まいり。
    本当にやってる人がいたとは衝撃。お話の中だけと
    思っていました…。

    今回は図書館本ですが、次に発行されるのは
    2021年版、2020年のエッセイがまとめられる
    のでしょう。世界の転機となった年のエッセイ、
    ぜひ購入して読みたいです。

  • 2020年8月光村図書出版刊。2020年に各媒体で発表された77人77篇のエッセイアンソロジー。シリーズ24作目。タイトルと作者に目を通すだけでも楽しい。いつものように内容は多彩。詩人の平田俊子さんの「すらすら一気」は、頂いた本の礼状に賛辞のつもりで「すらすら読めました」と書いたら、筆者の方から、すらすら読めるような本を書いたのではないとの抗議めいた言葉を貰ったとかいうお話。「一気」という言葉も気をつけないという教訓。なるほど、あり得る話だと深く共感しました。
    〈収録作品および筆者〉(五十音順)
    耳覚めの季節/青山七恵
    市原悦子さんの読み聞かせ/秋山 仁
    北斎のたくらみ/朝井まかて
    古新聞を読み返す楽しみ/荒俣 宏
    気づく/飯塚大幸
    人生の意味深いとき/池内 紀
    ウチナーンチュ肯定した革命/池上永一
    ティッシュの否定形/伊藤亜紗
    生島治郎さんの手紙/大沢在昌
    梅雨の前に/奥本大三郎
    アスレチック裏/小山田浩子
    暮らすことは変化を受け入れること/角田光代
    家付き娘/春日いづみ
    できることならスティードで・渋谷/加藤シゲアキ
    助けられて考えること/加藤典洋
    ハートはピリオド/河合香織
    池内紀さんを悼む/川本三郎
    お菓子の家/木皿 泉
    無花果/岸本佐知子
    雨の日は外へ/木下昌輝
    信じるチカラ/木ノ下裕一
    平成最後の年/金田一秀穂
    体重計が測るもの/久保友香
    散歩の範囲 狭くて驚き/黒井千次
    毎日が新しいという生き方/最相葉月
    描くことのちから/齋藤亜矢
    ぼくの勇気について/最果タヒ
    恥の感覚/酒井順子
    軍艦島にて/桜木紫乃
    決着のはじまり/佐藤雅彦
    医学知識はネタにあらず/沢田隆治
    注ワード/三辺律子
    狂熱の黒部/嶋津 輝
    冬と猫/島本理生
    動物の命を思う夏/管 啓次郎
    暖簾は語る/青来有一
    ショーケンとの再会/瀬戸内寂聴
    幻の女/高橋源一郎
    仕合わせなお弁当/髙村 薫
    たっぷりの栄養を/俵 万智
    堀文子先生と大木/檀 ふみ
    まばたきをするように/辻村深月
    人は本を読まなくなったけれども/津野海太郎
    平成は夢の世/出久根達郎
    三宅島でトマトを育てる。/ドリアン助川
    仙童遷化/中沢新一
    プラ田プラ夫/長嶋 有
    人はなぜ働くのだろうか?/長瀬 海
    氷白玉/南條竹則
    女たちが共有する宝もの/林 真理子
    転校生の時間/東 直子
    九十九の憂鬱/東山彰良
    丑の刻まいり/平岩弓枝
    すらすら一気/平田俊子
    最期に食べるもの/平松洋子
    愛しの「国語辞典」様/福島暢啓
    隠棲/藤沢 周
    漱石が見抜いた「職業」の本質/藤原智美
    AIは死なない/藤原正彦
    憧憬,その先の話/古市憲寿
    自分という反ー根拠/保坂和志
    胃袋が察知した異変/星野博美
    行動せねば…思い知る/ほしよりこ
    「加藤先生」/マイケル・エメリック
    声を忘れるとき,言葉を消すとき/牧田真有子
    常に弱い私の思い/町田 康
    ごまかしやのしっぱい/町屋良平
    「知りたい」という気持ち/三浦しをん
    のどはこわい/三木 卓
    堺屋太一さんを悼む/三田誠広
    祭りの夜の秘密/村山由佳
    灰になれ/森 絵都
    ベストフレンド4ever/山田詠美
    おさがりの教え/山西竜矢
    追悼・和田誠君とのこと/横尾忠則
    古代エジプトの天地人/吉村作治
    「終わり」で失う議論の場/ロバート・キャンベル

  • 質のいいエッセイがたくさん入っていて、一つひとつ大切に読みました。亡くなった方への追悼文には愛が溢れていて、じんときました。読んだ自分もエッセイが書きたくなります。

  • 世がさだめなきからこそ、人は書くのだろう。伝わる、残る、心に届く言葉の数々が、ここに-。角田光代、三浦しをん、藤沢周、林真理子ら、一流文筆家の名文を収録。日本文藝家協会編纂のエッセイ・アンソロジー。

    普段読むことのない作家さんの文章を読み,次につながる。

  • 短いので、色んな方のエッセイが 
    読めて嬉しいです。

    佐藤雅彦さんの 決着のはじまり が
    良かったです。

  • 何人もの人が書いたものなので、いくつか下手なのもある。

  • 読みながら、いっぱいメモした本です。
    好きな作家さんもたくさん、「これは誰?」って気になった方もたくさん。贅沢な本でした。

    特に良かったのは、秋山仁さんが書かれた、市原悦子さんが子どもたちに読み聞かせをするエピソード。
    人に何かを伝えるということ について考えさせられました。

    俵万智さんの古典に対する考え方もなるほど❣️と思えたし、辻村深月さんの時間に関する考え方も共感できました。

    加藤シゲアキさんの文章からは、なんだか自分が知らない世界を教えてくれそうな匂いがプンプンして、彼の小説を読もうと思いました。

    あと、一番響いたのは町屋良平さんの

    小説家はごまかしやにむいている。めちゃめちゃ必死になにもかもをごまかした挙げ句に、なんとすごくほんとうのことだけが残るからだ。

    っていう文章。
    最近、「文章を書く」ということに想いを巡らすことが多かったので尚更。

    本はだいたい目当ての作者がいて手を伸ばすことが多いけれど、この本では新たに気になる方もたくさんできて、さらに読書欲が高まりました


  • エッセイ。
    基本的には今まで全然興味ない分野だった。
    だって、「私、こんな丁寧な生き方してるの☆」とか「俺はこの日常の風景をこう思うんだ」なんて聞いてもおかしくも楽しくもないから。(偏見)
    …と思っていたのだが、「ベスト•エッセイ」なるものがあるのを知り、「ベストなら、おもしろいエッセイストに会えるのでは…⁉︎」と思って読んだ本。

    2人目にして…はいはいオーロラね、モンサンミッシェルね、やっぱり世界中旅したことを自慢してくるんですか?と妬みの気持ちで読み進めていたら、「実際の旅が、想像における旅に勝ることは、(僕の場合)まずなかった」と。
    なるほど、こういうことを書く人もいるのか。
    そのあと、何人かは引っかかる内容を書く方がいたものの、やっぱり、エッセイはあんまり性には合わないのかなあ、と思った。

  • 選ばれたエッセイなので、どの話も考えさせられることが多かったが、中でも古典についての論説を描いた俵万智さんの「たっぷりの栄養を」が面白かった.確かに何百年もの年月を経て残った作品は、昨日今日のベストセラーとは次元が違うのだろう.もっと古典を親しもうと思った.

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著者プロフィール

日本文藝家協会(にほんぶんげいかきょうかい)
昭和21年(1946)、作家、劇作家、評論家、随筆家、翻訳家、詩人、歌人、俳人等、文芸を職業とするものの職能団体として誕生。大正15年(1926)に劇作家協会と小説家協会とが合併、設立された文藝家協会を前身とする。戦後、「社団法人 日本文藝家協会」として生まれ変わり、文芸家の権利を守るだけではなく、日本の文芸文化全般の隆盛を願って活動を続けている。


「2023年 『文学2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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