作品紹介・あらすじ

日本文藝家協会 編
編纂委員/角田光代、林真理子、藤沢周、堀江敏幸、町田康、三浦しをん

コロナ禍の中、表現者たちは、いったい何を見つめ、何を考えていたのだろうか。
この本を読むと2021年の空気が伝わってくる。
苦しいことだけではない。喜びやユーモアが、洗練された文章で綴られている。
日本語の美しさも感じとってほしい。
――本書編纂委員 林 真理子

日々の雑感、考察、失敗談から、亡くなられたあの方への追悼文まで…
さまざまな書き手たちが、「エッセイ」という枠組みのなかで書き記した2021年の記録。
この年に新聞・雑誌等の媒体に発表された中から選りすぐった、珠玉のアンソロジーです。

感想・レビュー・書評

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  • コロナ禍の2021年だけに、少し鬱々としたものや追悼文が多い気がした。
    一つ一つがとても短いので、すき間時間にさらっと読める。
    齋藤陽道さん、岸田奈美さん、田中卓志さんのエッセイが特に好きだった。

  • 2021年版を初めて読んでからすっかりトリコに。図書館で予約して待つこと約1年。今回もとてもよかった!
    作家さんなど、約70人分のエッセイ。ひとつひとつは短くてスキマ時間にも読めるけど、1冊読むのはめちゃくちゃ読み応えある。
    印象に残ったエッセイはどれだったかなぁー、と読み終わってから目次を見返すと、「あれも、これも」とボロボロでてくる。それに対して、自分なりにどう思ったか、書こうと思ったらいくらでもネタになりそう。残念ながら私は思考と時間が追いつかないのだけど…。

    世の中まだまだコロナ禍な2021年に書かれたエッセイを集めて、2022年に出版されていて、私が読んでいる今はやっとコロナがインフルエンザと同じ扱いになった2023年。
    私もここ数年で出産したりして自分の生活も変わったし、世の中も大きく変わってしまった2年間。エッセイは旬のものを読んだほうがいいのか、少し置いても読んで何か感じられるのか、悩ましい…。

    編纂委員の方たちがどうやって集めてきているのか…新聞や雑誌などいろんなところでいろんな人がエッセイを書いているご時世で、「ベスト」を選ぶのはさぞかし大変だろうな、と編纂プロセスにも興味がわいちゃう。編纂委員の方がどなたかその辺のことをエッセイにしてくれないかなぁ。

    しかし世の中、なーんかいろんな人がいるよねぇ。
    そんなこと当たり前にわかっているつもりでも、あらためてこうしてモノを書くことをお仕事にしている方たちの考えていることに触れると、心底そう思う。
    書いているご本人のみならず、エッセイに登場する人たちもバラエティに富んでいる。みんな、それでも生きてる。そうやって、生きてる。
    ひとつひとつのエッセイをバラバラに読んでいたら気づかなかったかもしれないけど。

    多感な時期にこういう本に出会っていたかったなぁー。
    思えば中学生のあたりはエッセイを毛嫌いしていた気もするから、出会っても手には取らなかったかもしれないけど…惜しいことをした。
    死ぬまでに出会えてよかった、と思って次に進もう。

    組織の中で浮いちゃうこともあるけれど、それはそれでまぁいっか。

    家の中でもいろいろ起きるけど、私は私で自分の思うところを持とう。
    それを言葉にする力をつけていこう。
    じんわりと物書きの皆さんから学んでいけたらいいなぁ。

  • 久々にベスト・エッセイを購入した。
    というか、前はいつ買ったかなぁと思って棚を探したら、2011年だった。

    表紙がなんだか良かった。
    オビから虎が覗いている。

    コロナ禍の昨今だから、今しか出会えないエッセイがあるんじゃないかなと思ったのだった。

    いろんな人が悼まれている。
    立花隆、さいとう・たかを、白土三平、河合雅雄、田中邦衛、那須正幹、安野光雅、瀬戸内寂聴。
    著作が残ることだけでなく、誰かの言葉によって、語られ続けることもまた、痕跡の一つと思う。

    私にとっては元々「会えない」人ばかりなのだから。

    文章を書くことを生業とする人達のなかにあって、不思議と印象に残ったのが、加納愛子と田中卓志の芸人お二人。

    Aマッソ加納さんについては、幼少期からの読書遍歴や大学で映画サークルに入る話が中心で、芸人転向が最後にやってきたので、あれっ?と思って、ああ、あのコンビか!と思った。

    アンガールズ田中さんの「最高の食事」は、母親の作ったお弁当を巡るエピソード。
    元になったバラエティー番組を見てはなかったはずだけど、私、この話どこかで見たなぁと感じていた。
    田中さんのお母さんが作ったお弁当が酷評され、誰にも選ばれなかった、という話。

    気持ちと仕事を両立させることは、難しい。
    難しいことが出来る人だから、ずっとテレビに出続けているんだろう。

    どこかで見たなぁ、は、寮美千子さんが奈良少年刑務所を訪れたときの文章。

    「空が青いから白をえらんだのです」

    初出は「東京人」1月号とあるけれど、絶対読んでない。であれば、どこで出会ったんだろう?
    こういう意外な出会いが楽しめる。

  • 2022年8月光村図書刊。2021年に発表されたエッセイ75編を収録。いつもながらの多彩さが楽しい。コロナ禍の中のエッセイばかりなのだが、日常的なお話が多い。いつの間にかコロナ禍も日常に組み込まれたんだと再確認しました。

  • 選び抜かれた言葉と思い出。幅広い執筆者による珠玉のエッセイ集です。

  • 2014年からこのシリーズを読み始めて時々とばしてはいるけど毎回楽しみにしています。
    (いま調べたら昨年読んでいなかった)

    普通に面白かったのは
    武田砂鉄『部屋にいる感じ』
    二宮敦人『特に秘密、ありません』
    岸本佐知子『雪原』

    岸本さんは前にも面白いと書いていて
    エッセイ集も読んでいます。
    でも武田さん二宮さんは初めて(たぶん)
    きっと面白い人なんだろうなと思うけど
    先日朝井リョウさんのエッセイ集で笑って
    小説と全然違うと思ったので
    このお二方も小説を読んでみるまでは何も言えません。

    興味深く読んだのは
    奥本大三郎『ナマケモノ』
    高見浩『『老人と海』をめぐる恋』
    佐々涼子『この世の通路』

    佐々さんは本屋大賞2020ノンフィクション大賞
    『エンド・オブ・ライフ』を読んでいました。
    このエッセイには驚きました!
    ノンフィクション作家が、こんな大事件をエッセイ程度におさめて良いのでしょうか?!

  • コロナ禍2年目。コロナ対策をした生活にすっかり馴染んだことを作品を通して再度実感。

    立花隆さん、瀬戸内寂聴さん、山本文緒さんが亡くなられたからかお悔やみが多かったのが印象に残りました。

    ロクな恋/李琴峰
    自分の作品の中の恋を「コスパが悪すぎる」とぶった切っていて笑ってしまった

    月の沙漠/小池水音
    月の砂漠をはるばると…北村薫さんの『月の砂漠をさばさばと』を思い出しました。童謡っていいものですね。

    陰のある光/小泉 凡
    松江の光は陰のある光。

    父と兄の書棚が招いた変な読書/志茂田景樹
    家にある本に触れる大切さと懐かしさ。戦後の家庭の雰囲気も感じられました。

    関係性の結晶/齋藤陽道
    写真が写し取るもの。

    珠玉の世界/ブレイディみかこ
    世界が珠玉で溢れますように。

    神様、世間様/尾崎世界観
    ドアを閉めるときに思い出しそう。尾崎さんは初読み、繊細な方なのかな。

    そんな時代/海猫沢めろん
    「今」を感じたエッセイ。今どきの子供は「スネ夫がいい」らしい、ショックだ。子供から「1分くらいにまとめて」と言われたら私はキレるかもしれない…。

    この世の通路/佐々涼子
    人体(卵巣)の不思議。普段はこういうエッセイが載っている本を読まないので新鮮です。

    忘れがたきご亭主/三浦しをん
    市井の人はドラマに満ち溢れている。最近のテレビが面白くないのは昔と違って一般人を映すのが難しくなったからじゃないかな。毎日同じ芸能人ばかり観てもつまらない。

  • 2021年に新聞や雑誌等の媒体に発表された中から厳選した錚々たるメンバーによるエッセイ集。

    お気に入りはいくつもあるけれど、先日、田中卓志さんと他界されたお母様を特集した番組を視聴したばかりだった事もあり田中さんの『最高の食事』でまたも涙腺崩壊。

    他には夏井いつきさんの『悪態俳句のススメ』はピリリと毒が効いていて面白い。

    佐々涼子さんの『この世の通路』は身体の不思議に驚愕。

    三浦しをんさんの『忘れがたきご亭主』はひたすら可笑しい。

    山本文緒さんとのエピソードを綴った角田光代さんの『それは私の夢だった』もとても好き。

  • 作家のみならず、幅広い職業の方々のエッセイ集。今回は追悼文が多かった。山本文緒さん、立花隆さん、瀬戸内寂聴さん、田中邦衛さん、田村正和さんなど…寂しい気持ちになった。

  • ・大人への扉を開けたのは
    ・我が町の「宝」
    ・そんな時代
    ・悪態俳句のススメ
    ・息子よ安心しなさい、あなたの親指は天国で花となり咲いている

    の、5篇が特に好きだった。

    ベストエッセイというエッセイ集なので、
    好みなのもあれば好みじゃないのもあったけど、
    そこを含めて、食わず嫌いをしてきた
    自分の新しい好きを発見できるので大好物。

    読み切りたい本だったので、消化できてよかった。

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著者プロフィール

1984年生。出版社勤務を経て、一橋大学大学院に進学、1990年代のアメリカ小説/文化を研究する。現在、東京都立大学・武蔵野美術大学非常勤講師。主な論考に「アメリカの裏切り者」(『アステイオン』93号)、「神話を書き換え、高く翔べ──ジェスミン・ウォードとアメリカの十年」(『歌え、葬られぬ者たちよ、歌え』付属解説)、「『ビラヴド』と、その時代」(『ユリイカ』2019年9月号)。

「2020年 『現代アメリカ文学ポップコーン大盛』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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