ギリシアの抒情詩人たち

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  • 京都大学学術出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (545ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784814001309

作品紹介・あらすじ

ギリシア抒情詩(lyric)は、もともと竪琴(lyra)の音にあわせ歌われたもので、恋愛詩もあり、政治信条などを述べたものもある。サッポーの詩がもつ神韻とも言うべき音の調べ、アルカイオスの諷刺詩、学匠詩人カリマコスらヘレニズム時代の作家らによる西洋版本歌取りの歌などなど、ギリシア叙情詩がもつ瞠目すべき技巧の数々を、平易な言葉で解説する。洋の東西の詩歌に造詣の深い著者がおくる本格派。

感想・レビュー・書評

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    『蜜蜂と遠雷』


    ギリシア抒情詩(lyric)は、もともと竪琴(lyra)の音にあわせ歌われたもので、恋愛詩もあり、政治信条などを述べたものもある。サッポーの詩がもつ神韻とも言うべき音の調べ、アルカイオスの諷刺詩、学匠詩人カリマコスらヘレニズム時代の作家らによる西洋版本歌取りの歌などなど、ギリシア叙情詩がもつ瞠目すべき技巧の数々を、平易な言葉で解説する。洋の東西の詩歌に造詣の深い著者がおくる本格派。

  • とにかくあとがきは絶対に読まないといけない。
    今の大学を、速成丁稚教育の場、と言い切る、この危機感と嘆きをちゃんと受け止めないといけない。
    沓掛良彦さんの著作は、古代西洋へ誘ってくれたと同時に、いつもその訳文で、日本語の美しさ、奥深さを教えてくれた。
    この本でも沓掛良彦さんの日本語の訳文に、私は何度もうっとりとした。
    あとがきにはこれが最後の著作であると書かれている。
    ただただ寂しい。

  • 素晴らしい傑作。
    縁もゆかりもなかったギリシア詩人たち、アルキロコス、アルカイオス、サッポー、アナクレオン、シモニデス、ピンダロス、カリマコス、テオクリトスらをそれぞれ50ページほどで紹介しきる筆力に脱帽。
    そして最後に新古今和歌集とつながっては感動さえ覚えた。

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著者プロフィール

1941年長野県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。文学博士。東京外国語大学名誉教授。専門は西洋古典文学。
主な著訳書
『サッフォー—詩と生涯』(平凡社、後に水声社)、『讃酒詩話』、『和泉式部幻想』(以上、岩波書店)、『陶淵明私記—詩酒の世界逍遥』(大修館書店)、『西行弾奏』(中央公論新社)、『エラスムス—人文主義の王者』(岩波現代全書)、『式子内親王私抄—清冽・ほのかな美の歌』、『人間とは何ぞ—酔翁東西古典詩話』(以上、ミネルヴァ書房)、『古代西洋万華鏡—ギリシア・エピグラムにみる人々の生』(法政大学出版局)、『ギリシアの抒惰詩人たち』(京都大学学術出版会)、『ピエリアの薔薇—ギリシア詞華集選』(水声社、後に平凡社ライブラリー)、『ホメーロスの諸神讃歌』(ちくま学芸文庫)、エラスムス『痴愚神礼讃—ラテン語原典訳』 (中公文庫)、オウィデイウス『恋愛指南—アルス・アマトリア』(岩波文庫)、『黄金の竪琴—沓掛良彦訳詩選』 (思潮社、読売文学賞受賞)、『ギリシア詞華集』全4冊(西洋古典叢書、京都大学学術出版会)、など

「2021年 『オルフェウス変幻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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