ひきこもれ <新装版> ひとりの時間をもつということ (SB新書)

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  • SBクリエイティブ
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本棚登録 : 187
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784815604585

作品紹介・あらすじ

孤独の時間が 豊かな人生をつくる!

100分de名著(NHK)で『共同幻想論』が話題!
今また注目される、思想界の巨人が
平易な言葉でかたった人生論が
よみやすい新装版で復刊!


「一人でこもって誰とも顔を合わせずに長い時間を過ごす。
『分断されない、ひとまとまりの時間』をもつことが必要なのだとぼくは思います。
一人でこもって過ごす時間こそが『価値』を生むからです」「『孤独』ということを、どこまで自分の中に呑み込んで、つきつめていけるか。
その上で、どこまで風通しよく生きていけるか。
それを目指していこう」“思想界の巨人”が普段着のことばで語る、もうひとつの社会とのかかわり方。

コロナ禍で、人と人とが分断されるなか、自分の時間をいかに使うのか―ー
いまこそ読み直したい、不朽の名作が、
読みやすいレイアウトと人気絵本作家のイラストとともに、新装版として出版!


「自分の世界に、沈潜せよ!」
本書はそんなメッセージが込められた、熱い本です。

解説:齋藤孝氏(明治大学教授)

感想・レビュー・書評

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  • 時間を分断しない。そうかもな。子どもが何やらやってる時はほうっておくとするか。お手伝いなんか頼まずに。

  • やさしい、読みやすい、手厳しい。
    サラッと読めて心に残る、お得な時間が持てた。

  • 自分はひきこもり体質。
    大学時代は学校をサボって自宅にひきこもり、サークルの会長もしていましたが、活動がなければ、やはり自宅にひきこもっていました。
    たいてい本を読んで、ボーッと考え事をしていましたね。
    20年ほど前でしょうか、社会人になってから、ゴールデンウイークの休日5日間を部屋で一人きりで過ごしてみて、はっきりと自覚しました。
    人に一切会わないのが、全く苦痛じゃないのですね。
    さすがに3、4日目くらいから人恋しくなるのでは、と思いましたが、5日目も「このままずっとひきこもっていたい」と思うほど。
    危うく社会復帰できなくなるところでした。
    でも、ひきこもりって、そんなにいけないこと?
    むしろ、積極的に評価すべきでは。
    これが本書の主題です。
    著者は、「知の巨人」とも言うべきあの吉本隆明(1924~2012)。
    コロナ禍の中、本書は新装版として9月に出版されました。
    ひきこもりは、社会的にマイナスイメージでとらえられます。
    コミュニケーション重視の流れが強まる中、ひきこもりはいよいよ立場がない。
    でも、本書のこんな記述にハッとさせられます。
    「世の中の職業の大部分は、ひきこもって仕事をするものや、一度はひきこもって技術や知識を身につけないと一人前になれない」
    自己実現理論で知られる心理学者、アブラハム・マズローによると、自己実現を達成した人には「友人が少ない」という共通点があるのだとか。
    「引っ込み思案は駄目で、とにかく社交的なほうがいいいんだ」という社会に支配的な価値観に対しても、吉本は明確にノーと言います。
    「その人なりの他人とのつながり方というのがあるのです」という言葉に、救われる人も多いのではないでしょうか。
    実は、吉本自身が引っ込み思案で社交下手。
    ですから、「若者たちよ、ひきこもれ」という呼びかけには、説得力があります。
    「教師が生徒と向き合おうとするから生徒は迷惑する」
    「学校なんかに期待する親は大きな間違いを犯している」
    「子どもの自殺は親の代理死である」
    「ひきこもっていることがマイナスにならない職業がいつか見つかる」
    「戦争で死んだ日本人を歴史から抹消してはいけない」
    など、吉本の透徹した批評眼を経た問題提起に、得心することしきり。
    ちなみに、ぼくは、コミュニケーションだけやたらと上手くて中身のない人より、寡黙だけれども存在感のある人に憧れます。
    じゃあ今の自分はというと、コミュニケーションがあまり上手くない上に中身がなく、少しおしゃべりで存在感が全くありません。
    死のうかな。

  • 2020.10.11
    老人のお話というのは10は語ってくれないが、それでいいと思う。

  • ひきこもることはなにも悪いことではない、ただ社会の大枠を、いまどのような状況なのかを自分なりに掴んでおくことはとても大切だ、という考えが特に感動した。ご自身の経験から深く考えて話されるから、吉本さんの言葉は説得力が全然違う。

    思想界の巨人である吉本さんは、ひとりの人としても大変魅力的で「デパートで道に迷ったら壁を触りながら進めば必ず出口にたどり着く」と真面目な顔で(太宰を語るのと同じ顔で!)家族に教えてくれた、というエピソードがとても好きである。

  • 20200926 吉本隆明さんの本を初めて読んだ。主張していることがシンプルでわかりやすい。二十年前の本なのだが今年の社会情勢に合う。引きこもらないとできない事が確かにあると思えればこの災禍も後で何かのきっかけとして話されるかも知れない。別の本も読んでみようと思う。

  • 「ひきこもり」ではなく、「ひきこもれ」。
    このタイトルにセンスの良さを感じた。

    吉本隆明氏の晩年に関しては、評価の仕方が諸々存在する。
    ただ、吉本隆明氏の生き様というのはぶれる事なく存在しているのだと思う。本書を読みながら、若干のとっ散らかり感を感じる事は否めない。
    しかし、信じる事を伝えるという姿勢のパワーの方が絶対的なため、構成からの理解というより、フレーズが染み込む印象だった。

    「死ぬ時はすでに「死」は本人のものでなくなっている」という説は特に納得がいった。
    「死を自分で支配することはできない」その通りであり、死を巡る選択については、吉本隆明氏自身が死の直前にどう捉えたのか聞きたいところだ。

    本書では誕生に関しても触れている。胎児から1歳までの母親の状態が子供に大きな影響を与えるという説が展開されるが、極めて同感である。
    何故、男性の吉本氏がそれを直感的に理解されたのか興味深い。

    生も死も、そして生き方も、吉本隆明氏による俯瞰にはブレがない。生き方が凄い人だった事が伝わってくる一冊。

  • タイトルに惹かれて購入。

    ひきこもりの時間、ひとりで、ひとまとまりの時間を持つことの大切さが紹介されていて、なるほどと思いました。

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著者プロフィール

1924(大正13)年、東京・月島生れ。2003(平成15)年、『夏目漱石を読む』で小林秀雄賞受賞。文学、社会、政治からテレビ、料理、ネコの世話まであらゆる事象を扱う「思想界の巨人」。主な著書に『吉本隆明全詩集』『共同幻想論』『ハイ・イメージ論』『なぜ、猫とつきあうのか』『日本人は思想したか』『親鸞』『超「戦争論」』『超恋愛論』『日本語のゆくえ』など。

「2020年 『ひきこもれ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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