友達の妹が俺にだけウザい 4 (GA文庫)

著者 : 三河ごーすと

• SBクリエイティブ (2020年3月13日発売)

作品紹介・あらすじ

「センパイ……。じゃあ、センパイは、私のこと……」

『縁結びの儀式』で山奥の祠に閉じ込められた明照と彩羽。二人きりでのゼロ距離ウザ絡みを前に、難攻不落だった明照にある変化が訪れる。

一方、真白と“秘密”を共有した菫は、影石家の秘密を探るなかでひとつの決意を固めていた。《５階同盟》の誰もが予想すらしていなかった菫の決断とは――。

そして、巻貝なまこの担当編集・カナリアが《５階同盟》に目を付けたことで、明照はさらなる難題を突きつけられてしまい……!?

今度こそ海に行きます！ 話題沸騰のいちゃウザ青春ラブコメ、まだまだ夏休みな水着回の第４巻!!

感想・レビュー・書評

[芳樹さんの感想 · 2022年11月5日]

教え子の後押しに力を得て影石家と一線を引くことを決めた菫のエピソードからの、アイドル編集者カナリアが所有するプライベートビーチでの水着回。今回もドタバタと進みますが、根底に流れるのは「自分は《5階同盟》に何をしてやれるのか」という明照の切実な思いでした。縁結びの儀式を経て彩羽を『女の子』として意識するようになり、カナリアの強引な『指導』もあって、明照がさらに前へ進むことができて何よりと思います。後を引くように投げつけられたラストシーンでの爆弾は、真白の今後にどう影響を与えるのか。続きが大いに気になります。

[タカツテムさんの感想 · 2020年5月2日]

前半と後半で行われている話が全く別方向になっているこの巻。けれども統一されているのは《5階同盟》に果たして明照は必要なのか？また、明照は《5階同盟》を独占して良いのか？というテーマ


前半の菫と明照による偽婚約騒動。ここで明照が最重要視していたのは菫が実家の呪いから開放されること。でもそれは菫が自由を手に入れる代わりに《5階同盟》から脱退するかもしれない虞を含んでいる
けれども、面倒見の良すぎる明照は菫の開放を優先してしまう。更に自分にはどうこういう権利がないなんて言う
それは彩羽が指摘したように偽悪趣味としか言い様がない
助けられた方からすれば感謝の念が湧いてくるけど、助けてくれた当の本人がその姿勢では何とも言えないものがある


そういった明照と《5階同盟》メンバーの認識の差が如実に、そして課題となったのが後半の話だね
《5階同盟》を最優先にしてしまうなら、《5階同盟》を自分より上手く回せる人間が現れたらその人に席を譲らなければならない
でも、そんな行為はメンバーには、特に彩羽には許せるものではない。何故なら明照だって《5階同盟》のメンバーだから

明照の席が脅かされそうになった状況を彩羽はそれで良いのかと明照に問う。そこまで状況が逼迫してようやく現れた明照の「我」の部分
「俺がここまで持ってきたから、他のプロデューサーは、この才能たちに気づけたんだぞ」という考え方
それがあるからカナリアがほぼ企画を奪ってしまった段階であっても明照はフォローの姿勢を崩さないし、最後の最後には《5階同盟》のクリエイターに最も必要な材料を提示できた
明照の覚悟を示すには良いエピソードだったんじゃないだろうか

そして《5階同盟》の運営問題と時を同じくして描かれるのは恋愛方面のあれこれ
ウザい彩羽も可愛いと思ってしまった明照、明照を自分の中で幾つもの世界一だと告げた彩羽、彩羽と明照の繋がりを知ってしまった真白
局面が大きく動きそうだと感じられた終盤でした

[missing1973さんの感想 · 2020年4月5日]

結婚したくない菫のニセ婚約者として村の奇祭に参加した明照と彩羽だったが、、、、からの続き
いろいろあってニセ婚約者イベントも終了し、各面々で思うところがありつつ、次イベントへ突入

次イベントは待望の海
女性陣の水着を楽しみつつ、５階同盟の面々はカナリヤちゃんの別荘でゲーム作成合宿に突入

２つのイベントを経て、それぞれに決意するところあり、人間関係を思い直すところあり、成長するところあり

ただ、明照と彩羽との関係が、真白やおじさんにバレてしまう
さて次巻では、明照と彩羽は障害を乗り越えてラブラブになるのか、真白の略奪愛が成就するのか
フラグ的には彩羽ルートのようだが、はてさて

以下再読のための備忘
・翠、菫の心を殺してしまう、、、
・明照、彩羽の胸の感触に動揺する
・カナリア荘（笑）
・ウザい彩羽が可愛い？何だその背脂たっぷりのラーメンが健康に良い、みたいな話は。
・嫉妬満点な真白たん（かわいい）
・巻貝先生のド性癖（笑）
・ウザいくらいにベタベタと懐く
・カップル爆破主義の真白たん

著者プロフィール

『ウィザード＆ウォーリアー・ウィズ・マネー』で第18回電撃小説大賞《銀賞》を受賞し、同作で電撃文庫よりデビュー。
代表作として『自称Ｆランクのお兄さまがゲームで評価される学園の頂点に君臨するそうですよ？』（MF文庫J）、『理想の娘なら世界最強でも可愛がってくれますか？』（MF文庫J）など

「2022年 『友達の妹が俺にだけウザい10』 で使われていた紹介文から引用しています。」