- 本 ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784815619220
作品紹介・あらすじ
\著名人も推薦!/
読書猿氏(『独学大全』著者)「哲学の森への招待状、届きました。」
飲茶氏(『史上最強の哲学入門』著者)「“史上最強”を超える本が出てしまった!」
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【累計100万部突破シリーズ最新刊!】
西洋哲学史を1時間で解説する動画が13万回、5時間半におよぶ西洋古代哲学史の講義動画が12万回など、これまでの動画総再生回数は400万回を超える哲学YouTuberによる“画期的な”哲学入門書が誕生!
小難しい用語や抽象的な説明ばかりで、つまらないと思われがちな哲学。
ですが、この壮大な学問は、たった2つの哲学思想から始まります。そして、その後の思想同士の対立構造が「哲学の歴史」を形作っているのです。
本書では、難解な哲学用語や年号を用いることなく、大学4年間の哲学の基礎を、1つのストーリーで学べます!
古代から現代まで、60人の哲学者を網羅的に取り上げた、一生役立つ教養が身につけられる必読の1冊!
現役の学生さんから学び直しをしたい社会人の方まで、幅広い年代層におすすめの教科書です。
感想・レビュー・書評
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読了までに時間がかかった一冊。なるほど!っと思うこともあれば、よくわからんって思うこともある。よくわからなければYouTube見ればいいしね、という漢字で読んでた。
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哲学史をガッと振り返ることのできる本で、必然的に密度の濃い内容となっており、語り口は軽やかであるものの読むのに苦労した。
冒頭で著者自身が述べているように古代から近代までの哲学史を均等に紹介しており、聞きなれない人の名前や考え方も多く面白かった。
それぞれの個別の考え方に触れつつ何度も戻ってきて読めるようなアンカーになる本だと思う。 -
何が重要でそれはなぜか、自然哲学と形而上学の2つの思想対立軸で説明していくことで、哲学とは何かを読み進める。
そこにキリスト教が絡む。
今まで点だった理解が線になった、気がする。
126冊目読了。
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『感想』
〇「古代」「中世」「近代」「現代」と分け、その時代に何と何が対立していたのかを大きく語ることで、わかりやすい部分はあった。
〇大きなくくりであった分、哲学者の活躍期間などが示されていない。こんなのは初めて。
〇存在というものがずっとキーワードとなっていたように感じた。存在という状態すら人によって違うのだから哲学は面白い。
〇題には一度読んだら絶対に忘れないとあるが、それはない。難しいことをわかりやすく伝えようとする努力は伝わるが、何度も読まなきゃわからない。前に載せた考えと比較しながら進むところもあるが、流石にそのページに戻って内容を確認する必要があった。
〇哲学には終わりなどないのだろう。確かに科学的検証ができる部分が増えてきてはいるが、それでも目に見える形で表れているものはない。だからこそ宗教がなくなることもない。
『フレーズ』
・自然哲学:自然や存在を、自然内の原理によって説明する哲学
形而上学:自然や存在を、自然を超えた原理によって説明する哲学(p.16)
・ヘラクレイトスの言うくず山とは、人間の知性では無秩序・無価値であるとしか思えないものの比喩です。しかしそれらにも、実際には美的な価値や秩序はある。それが自然というものであり、人間の知性の及ばない領域があることの指摘です。(p.32)
・存在のテーゼ「ある、そしてないはない」(p.35)
「ない」という言葉の意味を突き詰めれば、頭の中にさえ存在しないはずです。そのためパルメニデスは、「ない」については「語ることも考えることもできない」と言いました。一方の「ある」はどうかというと、「ある」ならば、少しも「ない」を含みません。なぜなら、全く存在しないものが存在するものに作用や影響を与えることは、物理的にも論理的にも不可能だからです。これらの話を、パルメニデスは「同じものが、思惟され、存在する」と表現しました。言い換えれば、存在するものは思考可能で、存在しないものは思考不可能という意味です。
・私たちの世界から真理や神という、絶対的で唯一の尺度を否定・追放し、人間の多様な思惑こそが真意や善悪といった判断の尺度なのだと考えるのが、プロタゴラスの人間尺度説です。(略)人間が尺度になり、どんな言論でもある意味では正しいということになれば、その言論の正しさや誤りの吟味・検証ができなくなります。(p.42)
・パウロの独自性は何かというと、自分では絶対に罪を浄められないという点です。(略)人間を罪から救うのは、神の恵み(恩恵)です。この神の恵みが、誰にでも無条件で与えられるということ、これがパウロの最重要ポイントです。(p.86)
・トマスにおける神と被造物の対比(p.112)
神: 単純実体・・・純粋な形相(非質料的実体)
本質に存在を含む(自分が存在の原因)
存在を分有する(与える)
被造物:複合実体・・・質料と形相の複合物
本質に存在を含まない(神が存在の原因)
神から存在を受け取り現実存在となる
キリスト論で語られていることの1つは、受肉の意味です。「なぜ神は、わざわざ人になったのか」という問いです。これに対するトマスの答えを短く述べると、人間知性が最高の認識(=最高の幸福)に到達できることを、神自身が人間たちに示すためです。というのも、私たちは受肉によってイエス・キリスト、つまり人となった神を直接見ることができるからです。キリストは、神と人間とを結びつける存在です。神が人になることに、必然性はありません。にもかかわらず受肉が行われた理由は、神は人間を愛しており、希望を与えるためだと考えられます。(p.114)
・スピノザが目的論(目的因)を虚偽だと考える理由は、物事の必然的な原因にはたどりつけないからです。目的は意思や欲求です。それらはどうとでも解釈できるし、本当に確かめることはできません。そのため、物事の原因を目的論的に考える限り、私たちは偶然的な原因に依存していることになり、いつでも裏切られます。(p.150)
・共可能性がわずかでも欠けるものは、存在できません。これは現在の同時的な意味だけではなく、過去から未来までの全時間的にも同様です。(p.155)
・ロックの経験論の本質とは、既存の哲学(形而上学)の破壊です。これまでの哲学がすべて根拠のない虚妄であるという告発こそ、経験論の哲学の最大の特徴です。(p.157)
・知性の働きとは、多くの観念を整理・統合して、観念同士の関係を理解することだとロックは理解します。(p.158)
・数学や自然科学は確実な学問であるという根拠をいかにして与えるか、これがカントの課題です。その課題に対する答えが、「物自体」と「現象」の区別です。数学や自然科学の対象は「物自体」(神目線での真理)ではなく「現象」(人間目線での真理)であること、その「現象」の範囲内であれば、私たちは確実な知識を持てるのだと述べました。(p.166)
・カントはこれらの自然法則は、客観的な真理ではないと考えます。それらは、人間精神にとっては存在するように見えるだけで、実際に自然そのものの中に存在するかどうかはわからないからです。(略)カントは自然法則を人間知性にとっての主観的な理解だとみなします。法則は自然の中ではなく、知性の中にあるのです。(p.167)
・コントはまた、知識の歴史として、人間精神を3段階の局面に整理します。①神学的精神(原因は誰かの意志)、②形而上学的精神(原因は観察不可)、③実証的精神(原因は観察可)です。(p.187)
・意志とは、個人では抗えないほど大きな力を持つものです。私のうちにあるはずだが、私の手に負えないもの。それが意志です。これほどの力を持つ意志が、人間の所有物というつまらない場所に収まっているはずがありません。(略)ニーチェは、人間と意志の関係を逆転させ、意志を主体に置き、人間を客体に置きました。意志は人間を手段にして、自らを実現します。(p.207)
・たとえば「盗みは悪だ」という文は、「悪」が何を指すのかを明確にする必要があります。もしこの「悪」が、「損」や「不快」を意味するなら、世界に直接現れます。しかし、それは損得や快苦を論じているのであって、善悪そのものを論じているのではありませんン。つまり、善悪とは、事実として直接論じることはできないが、損得や快苦を論じる中で、価値として示されるものです。【ウィトゲンシュタイン】(p.235) -
初学者にもおすすめできる。
何故この哲学者はすごいのか、すぐ価値を理解したくなる俗物的な私にとって、大変ありがたい本だった。
哲学書あるあるだが、最初の方は何となく分かるのだが、後半になるとよく分からなくなってくる。現代に近づくにつれ、複雑になってくるのと、前半部分はマスターしてる前提で話が進むからだと思う。
とはいえ、分からなくてもいいので、読み進めると、この人は有名なんだなということが何となく分かる。 -
【目次】
古代
1 タレス
2 ピュタゴラス
3 ヘラクレイトス
4 パルニメデス
5 デモクリトス
6 ソフィスト
7 ソクラテス
8 プラトン
9 アリストテレス
10 ゼノン
11 エピクロス
12 ピュロン
13 ルクレティウス
14 キケロー
15 プロティノス
中世
1 フィロン
2 イエス
3 パウロ
4 オリゲネス
5 アウグスティヌス
6 アンセルムス
7 アベラール
8 ベルナール
9 アヴェロエス
10 トマス・アクィナス
11 スコトゥス
12 オッカム
13 エックハルト
14 ペトラルカ
15 ブルーノ
近代
1 ベーコン
2 デカルト
3 ホッブズ
4 パスカル
5 スピノザ
6 ライプニッツ
7 ロック
8 バークリー
9 ヒューム
10 カント
11 フィヒテ
12 シェリング
13 ヘーゲル
14 スペンサー
15 コント
現代
1 ショーペンハウアー
2 キルケゴール
3 マルクス
4 ニーチェ
5 ベルクソン
6 フッサール
7 ハイデガー
8 サルトル
9 バタイユ
10 ウィトゲンシュタイン
11 クワイン
12 ドゥルーズ
13 デリダ
14 アンリ
15 レヴィナス -
哲学の入門書として、難しすぎない解説で60人の哲学者達の考えを教えてくれる。
哲学については素人の私だが、各哲学者達の考え方について、適宜分かりやすい例え話が入っている。「なるほど」と感じることも「似たようなこと思ったことあるなぁ」と感じることも多く、昔の哲学者の話であっても、親近感を感じながら読み進められる。
ボリュームがあるが全体的に読みやすく、「哲学に対するハードルを下げる」という点でとても良書と感じる。私のような完全な素人向けの最初の1冊としておすすめしたい。 -
哲学の勉強をする時に哲学者の思想のイメージを簡単に掴むために読む本。専門書ではない。(広く浅く)
最初に哲学の流れを古代から現代まで示してくれるのも親切。
また、なぜ哲学によってこれまでの普遍が変化するのか?という疑問に対して自然哲学vs形而上学の論争であることを明記してくれた。(自然内か外に真理を求めるか否かの対立であるということを最初に図で示してくれる) -
一度読んだら…シリーズが気になっていたので、手に取った本。
古代、中世ヨーロッパの思考、哲学には前々から興味はあったものの、難しい言葉が多過ぎて敬遠してきた。
著者の主観もありつつだが、解説がわかりやすいので、頭にはいってくる部分もあり。文量が多くて読み切るまでに時間はかかったものの、全体を通しておもしろかった!
信念というのか、自分の考え方に対して真摯に向き合ってる人は哲学者で、そこに正しいとか、間違いはないんだろうと思えた。
どの考え方が1番支持できるのか、自分の価値観に合うのか、同意できるのかっていう、お題をもらいながら読むことができる本です! -
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