人種主義その批判的考察

  • 名古屋大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784815803261

作品紹介・あらすじ

『菊と刀』のR・ベネディクトが考察する「人種問題」。ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害の時代を背景に執筆された本書は「人種」をめぐる現在のさまざまな問題を読み解く指針となる。

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  • 『人種主義――その批判的考察』
    原題:Race : Science and Politics
    著者:Ruth Benedict (1887-1948) 文化人類学
    訳者:筒井 清忠 (1948-) 歴史社会学
    訳者:寺岡 伸悟 (1964-) 比較地域文化論
    訳者:筒井 清輝 (1971-) 歴史社会学
    解説:ポーリン・ケント(1960-2015) 社会学。
    装丁:夫馬 孝
    備考:1947年版の日本語訳も存在する。『民族――その科学と政治性』(志村義雄[訳]、北隆館、1950年)
    価格:2,800円
    判型:四六判・上製
    頁数:244頁
    刊行年月日:1997年
    ISBN:978-4-8158-0326-1
    Cコード:C3036

    本書は、『菊と刀』で著名なR.ベネディクトがナチスの人種主義への批判をこめて、「人種とは何か」「人種差別とは何であり何故起きるのか」「人種主義の歴史」そして「如何に克服するのか」等を、明快に解説したもので、混沌とした現代の人種問題を考えるうえで今なお指針となりうる基本書。
    http://www.unp.or.jp/ISBN/ISBN4-8158-0326-9.html

    【メモ】
    ・ミードの序文によれば、初版1939、新版1945。


    【目次】
    コンパス版への序文(マーガレット・ミード 一九五八年九月) [i-vi]
    目次 [vii-viii]
    凡例 [ix]

      第Ⅰ部 人種 
    第一章 人種主義:現代社会における「主義」(ism) 003
    第二章 人種 何が人種でないか 010
    第三章 自己分類のための努力 025
    第四章 民族の移動と混合 046
    第五章 何が遺伝するのか 064
    第六章 誰が優秀であるか 075

      第Ⅱ部 人種主義
    第七章 人種主義の「自然史」 115
    第八章 ではなぜ人種偏見か? 171

    解説(ポーリン・ケント) 201
     1 はじめに 
     2 人種差別主義の起源について 
     3 人種主義と人類学 
     4 ベネディクトの個人的背景 
     5 『文化の型』 
     6 Race: Science and Politics 執筆依頼の背景
     7 パンフレット Race of Mankind の出版 
     8 Race of Mankind に対する世間の非難 
     9 人種差別問題と『菊と刀』 
     注・参考文献 221

    訳者あとがき(一九九七年一六月 訳者一同) [225-226]
    人名索引 [4-5]
    事項索引 [1-3]

  • 「差違」としての「人種」を考えるための一冊、基本文献。

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     本書はRuth Benedict,Race:Science and Politics (The Viking Press,New York,1959) の翻訳である。
     近年、“人種”概念の再検討が盛んであるが、一方には、J・P・ラシュトンの『人種 進化 行動』(蔵琢也訳、博品社、一九九六年)のように遺伝的人種差を認めるものもあれば、他方では、“人種”概念の「実体化」に対する批判も強い。こうした議論を検討する際、私達が留意しなければならないことは、その言説がどのような社会的背景・時代状況のなかでハッせられたか、という点であるだろう。それはベネディクトのような科学者の言説についても例外ではない。
        --「訳者あとがき」、R・ベネディクト(筒井清忠・寺岡伸吾・筒井清輝訳)『人種主義 その批判的考察』名古屋大学出版会、1997年、225頁。

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著者プロフィール

Ruth Benedict 1887―1948。アメリカの文化人類学者。ニューヨークに生まれ、コロンビア大学大学院でフランツ・ボアズに師事し、第二次世界大戦中は、合衆国政府の戦時情報局に勤務し、日本文化についての研究を深める。晩年にコロンビア大学の正教授に任じられる。主な著書に、『文化の型』『菊と刀―日本文化の型』など。


「2020年 『レイシズム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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