統計学を哲学する

著者 :
  • 名古屋大学出版会
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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784815810030

作品紹介・あらすじ

統計学は実験や臨床試験、社会調査だけでなく、ビッグデータ分析やAI開発でも不可欠である。ではなぜ統計は科学的な根拠になるのか? 帰納推論や因果推論の背後に存在する枠組みを浮き彫りにし、科学的認識論としてデータサイエンスを捉え直す。科学と哲学を架橋する待望の書。

感想・レビュー・書評

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  • アカデミックの世界にいると、どこかベイズ主義統計学が頻度主義統計学に勝っているかのよう考えられている風潮がある。

    それはベイズ統計学を使えば不確実な事象が起きる確率を、不確実性を考慮に入れたまま調べることができるからだ。

    しかし,ベイズ統計学的な解釈では、どこかの時点に何かしらの特異点が存在して、それまで1/6の確率で各目が出ていたサイコロが突然6の目しか出ない状況が発生しないとは言い切れない。

    そういった異質な事例を排除するために、得られたデータがある特定の確率分布に独立に従っている(iidである)と共通の認識として措定することに頻度主義統計学の意味があるといった話はものすごく納得できた。

  • 統計学も哲学も中途半端な自分にとっては、途中でギブアップ。面白いともつまらないとも言える域に至ってないことを自覚した。

  • 12月新着
    東京大学医学図書館の所蔵情報
    http://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2003530335

  • 統計学だけでなくプロセス信頼性、徳認識論など現代認識論の諸理論と統計学の各手法を絡めて説明している点がとても面白かった。
    今時の統計を実務的に扱っている人は頻度主義・ベイズ主義という考え方よりプラグマティックにどの手法を用いるかを判断している事が多いのかな?と感じるが、各手法の認識論的、存在論的、意味論的な含意について問いかけてみるのはふと自らの行なっていることに疑問を抱いたときに考えを深める足場になりうるのではないかと感じた。

  • 本書は統計学(や機械学習などデータサイエンス)に関する哲学的アプローチによる解釈を提示した本である。特に、統計学における前提に着目し掘り下げて批評している内容となっている。自分にとっては長年なんとなく腑に落ちなかった統計学の前提に関して理解を深めることができたためとても有用な一冊となった。これまであまりこのような本に出会ったことがなかったため、とても勉強になった。
    ちなみに、各章ごと扱う統計学のテーマの概念的説明が前半部分でなされているが、その解説が平易かつわかりやすいものであるため、統計学にあまり馴染みのない人でもこの箇所を読むだけである程度の理解をすることができる。そのような統計学のオーバービューも本書で身につけられることができるため、そういった価値もあると感じた。

  • 価格 3,200円
    判型 A5判・並製
    ページ数 248頁
    刊行年月日 2020年
    在庫状況 未刊
    ISBNコード 978-4-8158-1003-0
    Cコード C3010


    統計学は実験や臨床試験、社会調査だけでなく、ビッグデータ分析やAI開発でも不可欠である。ではなぜ統計は科学的な根拠になるのか? 帰納推論や因果推論の背後に存在する枠組みを浮き彫りにし、科学的認識論としてデータサイエンスを捉え直す。科学と哲学を架橋する待望の書。
    https://www.unp.or.jp/ISBN/ISBN978-4-8158-1003-0.html

    【目次】
    序章 統計学を哲学する?
     1 本書のねらい
     2 本書の構成

    第1章 現代統計学のパラダイム
     1 記述統計
        1-1 統計量
        1-2 「思考の経済」としての記述統計
        1-3 経験主義、実証主義と帰納の問題
     2 推測統計
        2-1 確率モデル
        2-2 確率変数と確率分布
        2-3 統計モデル
        2-4 推測統計の世界観と「確率種」

    第2章 ベイズ統計
     1 ベイズ統計の意味論
     2 ベイズ推定
        2-1 仮説の確証と反証
        2-2 パラメータ推定
        2-3 予測
     3 ベイズ統計の哲学的側面
        3-1 帰納論理としてのベイズ統計
        3-2 内在主義的認識論としてのベイズ統計
        3-3 ベイズ主義の認識論的問題
        3-4 小括:ベイズ統計の認識論的含意

    第3章 古典統計
     1 頻度主義の意味論
     2 検定の考え方
        2-1 蓋然的仮説の反証
        2-2 仮説検定の考え方
        2-3 検定の構成
        2-4 サンプルサイズ
     3 古典統計の哲学的側面
        3-1 帰納行動としての検定理論
        3-2 外在主義認識論としての古典統計
        3-3 頻度主義の認識論的問題
        3-4 小括:ベイズ/頻度主義の対立を超えて

    第4章 モデル選択と深層学習
     1 最尤法とモデル適合
     2 モデル選択
        2-1 回帰モデルとモデル選択の動機
        2-2 モデルの尤度と過適合
        2-3 赤池情報量規準(AIC)
        2-4 AICの哲学的含意
     3 深層学習
        3-1 多層ニューラルネットワークの構成
        3-2 深層モデルの学習
     4 深層学習の哲学的含意
        4-1 プラグマティズム認識論としての統計学
        4-2 機械学習と徳認識論
        4-3 深層学習の哲学的含意

    第5章 因果推論
     1 規則説と回帰分析
     2 反事実条件アプローチ
        2-1 反事実条件説の意味論
        2-2 反事実的因果の認識論
     3 構造的因果モデル
        3-1 因果グラフ
        3-2 介入とバックドア基準
        3-3 因果探索
     4 統計的因果推論の哲学的含意

    終 章 統計学の存在論・意味論・認識論
     1 統計学の存在論
     2 統計学の意味論
     3 統計学の認識論
     4 結びにかえて

     参考文献
     あとがき
     索 引

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著者プロフィール

1979年生まれ。2008年、京都大学大学院文学研究科博士課程研究指導認定退学。2011年、京都大学博士(文学)取得。2014年、インディアナ大学修士(応用統計学)、同大学博士(科学史・科学哲学)取得。現在、京都大学大学院文学研究科准教授、理化学研究所AIP客員研究員。著書、The Role of Mathematics in Evolutionary Theory(Cambridge University Press, 2019)

「2020年 『統計学を哲学する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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