作品紹介・あらすじ

日本列島でくりひろげられた経済社会の営みを、環境史や生活史などの新たな視点も交えて活写、世界経済との連関もふまえ、国家の枠をこえた多様な経済の展開過程が、いかにして現代社会へとつながるのかをわかりやすく解説した、好評のスタンダード・テキスト決定版。

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  • 【書誌情報】
    『日本経済の歴史[第2版]――列島経済史入門』
    編者:中西 聡
    価格 税込2,970円/本体2,700円
    判型 A5判・並製
    ページ数 416頁
    発行年月日 2023年5月25日
    ISBNコード 978-4-8158-1124-2
    Cコード C3033

    日本列島でくりひろげられた経済社会の営みを、環境史や生活史などの新たな視点も交えて活写、世界経済との連関もふまえ、国家の枠をこえた多様な経済の展開過程が、いかにして現代社会へとつながるのかをわかりやすく解説した、好評のスタンダード・テキスト決定版。
    https://www.unp.or.jp/ISBN/ISBN978-4-8158-1124-2.html

    【目次】
    序章 日本経済の歴史をどのような視点でみるか

      第Ⅰ部 経済社会の勃興—— 古代から中世へ

    はじめに —— 宗教を基底に置く社会の「市場経済」

    第1章 公領と荘園の古代—— 自国銭貨の時代から商品貨幣の時代へ
         序 東アジア世界経済のなかの古代日本社会
         1 銭貨の発行と流通
         2 産業構成と社会編成
         3 財政構造の転換と全国的商品流通の形成
         4 領域型荘園の成立
           解説Ⅰ-1 商業と商人の生成

    第2章 貿易と戦乱の中世—— 中国銭貨の時代
         序 ユーラシア世界経済の成立と中世日本社会
         1 渡来銭の流入と手形の発達
         2 朝廷・幕府・大名の経済政策
         3 代銭納化の進展と荘園制の変容
         4 都市工業の成長と商人仲間
         5 中世海運と遠隔地間商業
         6 村落・都市の成立と生活環境
           解説Ⅰ-2 出土銭貨研究から見た貨幣流通
           解説Ⅰ-3 荘園制研究の新展開

    テーマⅠ 贈与と経済活動

      第Ⅱ部 経済社会の展開—— 近世から近代へ

    はじめに —— 身分制的制約の下での「市場経済」

    第3章 開発の17世紀—— 石高制の浸透
         序 17世紀の世界的危機と日本
         1 石高制と三貨制度
         2 小農自立と村請制
         3 近世商人の登場と幕藩制的市場の全国化
         4 大開墾と森林破壊
           解説Ⅱ-1 石高制と商品生産

    第4章 変質の18世紀—— 領主経済の変質的拡大
         序 世界経済の「大分岐」と18世紀の日本
         1 貨幣改鋳と幕府の経済政策
         2 手工業技術の伝播と特産物生産の進展
         3 三都商人と株仲間
         4 家族小経営と村落共同体
           解説Ⅱ-2 琉球貿易の構造と流通ネットワーク
           解説Ⅱ-3 歴史人口学と生活水準
           解説Ⅱ-4 家族史研究の新展開

    第5章 成長の19世紀—— 地方主導の経済成長
         序 自由貿易世界の成立と近代初頭の日本
         1 銀価低落と経済政策
         2 商業的農業の進展と百姓生活
         3 兼業型農村工業と専業型都市工業
         4 商人の活動と複層的な市場
         5 消費生活と社会的危機への対応
           解説Ⅱ-5 農村工業化とファッション
           解説Ⅱ-6 資源循環と地域社会

    テーマⅡ 環境と経済活動

      第Ⅲ部 経済社会の成熟—— 近代から現代へ

    はじめに —— 近代法秩序の下での市場経済社会

    第6章 苦闘の20世紀初頭~1920年代—— 金本位制下の国際収支天井
         序 帝国主義世界の成立と日本の近代
         1 国際収支の天井と経済政策
         2 産業革命と工業化
         3 地主制の展開と植民地農業
         4 交通網の変容と商品流通
         5 都市化と生活環境
        解説Ⅲ-1 産業革命研究の新展開
        解説Ⅲ-2 ジェンダー・労働市場研究の新展開
        解説Ⅲ-3 モダニズムと大衆消費社会

    第7章 転換の1930年代~60年代—— 統制経済をはさんだ経済成長
      序 転換期世界経済の実相と日本社会の現代化
      1 高橋財政から戦後経済政策へ
      2 「内需」主導の重化学工業化
      3 地主制の後退と戦後農政
      4 大規模小売商と流通系列
      5 大衆消費社会の実像
       解説Ⅲ-4 財界論
       解説Ⅲ-5 植民地と工業化
       解説Ⅲ-6 高度成長と公害

    第8章 国際化の1970年代~21世紀初頭—— 輸出依存の経済とその限界
      序 トランスナショナル経済の展開と現代日本
      1 財政再建と金融・証券の自由化
      2 「外需」主導の産業構造とその変容
      3 国際化のなかの日本農業
      4 流通・消費の多様化と環境問題
      5 21世紀初頭の日本経済
       解説Ⅲ-7 トヨタ生産方式の展開
       解説Ⅲ-8 日本における社会福祉研究の新展開

    テーマⅢ 科学技術と経済活動

    終章 明日への模索—— 資源節約型環境立国へ

    入門ガイド 日本経済の歴史を学ぶ

     参考文献
     あとがき
     索 引

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著者プロフィール

1962年生まれ 東京大学大学院経済学研究科第2 種博士課程単位取得退学 博士(経済学)
 現在 慶應義塾大学経済学部教授
 主要著書
 『海の富豪の資本主義──北前船と日本の産業化』(名古屋大学出版会、2009年)
 『醤油醸造業と地域の工業化──髙梨兵左衛門家の研究』(公益財団法人髙梨本家監修、共編著、慶應義塾大学出版会、2016年)
 『資産家資本主義の生成──近代日本の資本市場と金融』(慶應義塾大学出版会、2019年)

「2023年 『醸造業の展開と地方の工業化 : 近世・近代日本の地域経済』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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