科学ジャーナルの成立

  • 名古屋大学出版会 (2024年3月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (376ページ) / ISBN・EAN: 9784815811457

作品紹介・あらすじ

学術雑誌の歴史から、科学のあり方を問い直す──。科学ジャーナルはいつ誕生し、いかにしてその地位を確立したのか。科学者はなぜ論文を投稿するようになったのか。19世紀イギリス・フランスの学協会やメディアを中心に、商業化、オープン化、査読、不正など現代の学術ジャーナルにも通ずる課題の根源を解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • いわゆる科学雑誌がどのような経緯で作られるようになったかという書誌である。歴史で、しかもヨーロッパ中心であるので、なかなか日本の学生が読んで参考にするところはないように思える。ヨーロッパの雑誌編集者向けという狭い関心を中心にした書籍であろう。新聞の書評で紹介されていたが学生が興味を持って読むのは難しかろう。

  •  
    ── シザール/柴田 和宏・伊藤 憲二・訳
    《科学ジャーナルの成立 20240304 名古屋大学出版会》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4815811458
     
     Csiszar, Alex 19‥‥‥ America /ハーヴァード大学科学史科教授。
    https://histsci.fas.harvard.edu/people/alex-csiszar
    本書が初の単著。現在は、次著↓(予定)を鋭意執筆中。
    《Rank and File: From the Literature Search to Algorithmic Judgment》
     
    …… 科学の研究者は主に「論文の著者であること」により評価される。
    新しい発見をして、「ネイチャー」や「サイエンス」誌などの有名な科
    学ジャーナルに論文を多く載せることが優秀さの指標とされる。
     現代では研究者の大半がこうした仕組みを自明視し、政治的利害や経
    済活動とは一線を画した公正な科学研究のために不可欠とみなしている。
     しかし本書はこの科学ジャーナルの仕組みが、実は過去の政治や経済
    から大いに影響を受けつつ今の形になったと主張する。その上で、現在
    の仕組みも移ろいゆくものであり、社会の全ての人々がその変化の担い
    手であると示唆する。
     近代自然科学が勃興して間もない18世紀頃(ごろ)だと、学協会につ
    どう少数のエリート学者が、裁判所のように研究の価値を判断すればよ
    いと考えられていた。そのため発表形式は手紙や匿名文書など多様であ
    った。
     19世紀になると民主化、自由化が進み、そうしたやり方が貴族的と断
    罪されたのみならず、逆の極端な現象も起きた。政治ジャーナリズムの
    発展と共に科学研究も新聞で報道され、記者と読者により自由に批評さ
    れる事態となったのである。
     そこで学協会は対抗策を取った。新たな速報誌を発刊して、世論の要
    望に応えつつ専門的判断を発信したのである。
     本書は基本的にイギリスとフランスの事例を詳しく扱う。アカデミー
    内部の論争から雑誌編集者の郵便事情に至るまで、その歴史的細部の豊
    富さゆえにやや読みづらく感じる読者もいるだろう。
     だが、いわばその混沌(こんとん)とした過去の記述ゆえに、社会の
    政治対立や分断に巻き込まれながら、それでも科学はある種の自律性と
    共に発展を続けてきた(続けようとした)ことにも気づかされる。
     メディア環境が激変し、政治と科学の分断が懸念される今、過度に悲
    観的にも楽観的にもならないために読まれるべき書である。
     
    (20241218)

  • 科学ジャーナル購読の問題や、オープンサイエンスなどで気になったので手に取ってみた。一般には敷居が高いが、専門家には頷ける内容かもしれない。

    挫折しそうになったら、謝辞から読んだ方がいいかもしれない。

  • ふむ

  • 請求記号 402/C 94

  • 主に19世紀イギリス・フランスの学協会やメディアの歴史を扱った本であり,いわば科学の「影」としてのジャーナルに焦点を当てている。

  • 【書誌情報】
    『科学ジャーナルの成立』
    著者:Alex Csiszar
    訳者:柴田和宏
    解説:伊藤憲二
    価格 税込6,380円/本体5,800円
    判型 A5判・上製
    ページ数 376頁
    発行年月日 2024年3月10日
    ISBN 978-4-8158-1145-7
    Cコード C3022

     学術雑誌の歴史から、科学のあり方を問い直す ——。科学ジャーナルはいつ誕生し、いかにしてその地位を確立したのか。科学者はなぜ論文を投稿するようになったのか。19世紀イギリス・フランスの学協会やメディアを中心に、商業化、オープン化、査読、不正など現代の学術ジャーナルにも通ずる課題の根源を解き明かす。
    https://www.unp.or.jp/ISBN/ISBN978-4-8158-1145-7.html

    【目次】
    序章 「ばらばらの事実の破片」

    第1章 雑誌とアカデミーの判定
         オルデンバーグの計画の誕生と衰退
         梗概と書簡
         オーサーシップと毎月あらわれる貧しき熱狂者
         転載、およびその他のきわめて不適切な行為

    第2章 公開会合
         会議録の誕生
         代表の政治学 —— 自由主義の新聞・雑誌と科学アカデミー
         ジャーナリスト対報告者
         祭壇に対抗して祭壇を作る

    第3章 著者と査読者
         オーサーシップと区分
         判定方法の試行錯誤
         読書する公衆と公的な読者
         公的な権威から匿名の査読者へ

    第4章 発見、出版、知的財産
         日付を特定するために
         科学史の書き方
         開かれた科学の地政学

    第5章 科学論文とはなにか
         19世紀中盤の逐次刊行
         印刷、名称、自然誌
         科学論文と境界

    第6章 19世紀末のアクセスの空想
         科学の脱中央集権化
         科学の定期刊行物の機構
         世界システム

    終章 インパクトのある話

     謝 辞
     解説(伊藤憲二)
     訳者あとがき
     注
     略語一覧
     図版一覧
     索 引

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著者プロフィール

Alex Csiszar
ハーヴァード大学科学史科教授。本書が初の単著。現在は、次著Rank and File: From the Literature Search to Algorithmic Judgment(予定)を鋭意執筆中。

「2024年 『科学ジャーナルの成立』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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