ペコロスの母に会いに行く

著者 :
  • 西日本新聞社
4.26
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本棚登録 : 1288
レビュー : 234
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784816708534

作品紹介・あらすじ

母は、人生の重荷を下したかのように、ゆっくりとゆっくりとボケていきました─

62歳、無名の“ハゲちゃびん”漫画家が
施設に暮らす認知症の母との
「可笑しく」も「切ない」日々を綴った
感動のコミックエッセイ!

facebookで話題沸騰、映画化決定!

感想・レビュー・書評

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  • 初めて老人ホームを訪れた時の衝撃が
    未だに忘れられない。

    施設がどうのこうのじゃない。
    (ここ、なんか嫌だ…。)
    と、感じてしまった自分の薄情さに、だ。

    あんなに朗らかでおしゃべり好きだった義母が
    長い入院を機に惚けてしまい、
    自宅介護が出来なくなった。
    そこで、介護施設のお世話にならざるを得ない状況になってしまったのだが、
    ああ、
    頑張って人生を必死で生きてきた、
    その行く末はここ、なのか…?!

    眠っているのか
    疲れているのか、
    何も語らず、ただ大勢で寄り集まっている老人達の姿が
    どうにも寂しげに、そして恐ろしく思えて仕方がなかった。

    のだが…。

    それから何度も訪問を重ねて行くうち、
    一言も語らなくなった義母の表情の柔らかさにホッとする自分の気持の変化に驚いた。

    語りかけるのは私だけだが、
    私の話を聞きながら、時折ニコッと、あるいは声を出して笑ったり。
    あの時、義母の意識はどこにあったんだろう?

    なんて疑問が
    ペコロスさんのお母さんに会えた事で、やっとわかった気がした。

    惚けた人は
    現在、過去、未来、
    あらゆる場所へと瞬時に移動できるタイムトラベラーだったのだ。
    ただ、惜しむらくは
    凡人である私達に、彼ら(彼女ら)の見ている景色はわからないこと。

    でも、
    そんな超人タイムトラベラー達が楽しんでいる懐かしい景色を、
    想像力豊かなペコロスさんが
    なんともあったかいイラストにて
    表現してくれたお陰で、
    私は
    義母が晩年も幸せであったよね、
    と、ようやく思える様になった。

    介護施設のスタッフさんにも
    その後、大変親切にしてもらい、
    介護、老後に関しての私の意識も変わっていった。

    自分で経験を踏まえなければ、
    もしかしたら
    彼の作品の温かみ、はわからなかったかも知れない。

    みつえさんに出会えて本当に良かった!と心から思えた作品。

  • H29.10.23 読了。

    ・ペコロスさんがグループホームにいる認知症のお母さんとの関わりを可愛らしい漫画とエッセイで綴ったもの。認知症と聞くと、自分の身の回りのことも出来なくなってきて介護が大変そうなイメージを持ってしまいます。でも、この本のようにお母さんに対しておおらかな気持ちで見てあげれたら、良いですよね。
    マンガの絵がかわいくて好きな本になりました。

  • ペコロスの母の玉手箱 とともに、2冊のペコロス本を買った直後、まだ読まないうちに、母への介護疲れから、心の病を発症し、10カ月ほどの、入院生活となった。退院してから、ゆっくり読んだ。岡野さんの、ふところの広さ、あたたかさ、ユーモアにできる心の大きさに、心を打たれた。自分の心もゆっくり平らかになっていった。

  • 認知症、介護、人生の過ごし方のあり方。もっと早く読むんだった。

  • 確か、NHK Eテレで取り上げられていたのを観たのがきっかけで購入しました。
    絵が物凄く好み!
    ペコロス(著者)とみつえさん(母親)の頭ぐりぐりしている姿が微笑ましくてお二人のやりとりに笑いありそして泣けてきたりして私の心の洗浄になりました。

    現在と過去との時の混ざり合い方が巧い。
    読了後もみつえさんの絵を眺めては穏やかになりました。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「頭ぐりぐりしている姿が微笑ましくて」
      和みますね、、、
      映画も観たいと思っています(昔風の言い方をすれば、二番館で予定されているので時...
      「頭ぐりぐりしている姿が微笑ましくて」
      和みますね、、、
      映画も観たいと思っています(昔風の言い方をすれば、二番館で予定されているので時間が合えば)。
      2014/04/08
  • ブクログを始めた効果のひとつはたまの書店訪問時に「読みたいリスト」の参照がしやすくなったこと。そのことを5年以上も前に鑑賞した映画作品の原作にこうしてたどり着けている事実が証明している。

    今回本書を帰省中に手に取れたのはよかった。さらっと読み切り、あらためて感銘を受け、その気持ちを誰かに伝染させたくなって…結果実家に置いてきた。それも無理やりではなく兄の方から「あれ、まだ借りといてええか。」と聞かれて「ええよ。」と答えられる形となったこと。よかった。

    実家で同居していた祖母が脳梗塞の手術を受けた前後に記憶があやふやになってきた頃があった。その後自身は実家を出てその祖母の死に目にも会えない状況となってしまったことは、今でもこの自分の大したことのない半生の中においての「悔」の部分の大きな割合を占めている。そんな記憶とつい重なり合わせながら読んでしまう。親と子の関係は人それぞれに千差万別であってよいわけだが、時折こうした材料を手に引き寄せ、自問自答する時間は頻繁にあればあるほどよいとは思う。残りの人生における「悔」の割合調整をするためにも…。

  • 岡野雄一さんの描く世界は優しい。

    夫の死から進行したボケ症状を抱える母親。
    その日常を優しく描いている。
    介護に伴うつらさや厳しい世界などではなく、そこにあるのはただただ優しい世界。

    岡野さんのかわいらしい絵にほっこりし、そしてくすっと笑ってしまう(時には大笑いしてしまう)。

    長崎言葉がまたすごく心にしみる。

    人が生きることを全うするっていうことは、人生に向き合うっていうことなんだな…。

  • 認知症を患うお母さんの点描(コママンガ)。

    人間の哀しさと愛おしさ、なまら泣けました・・・。

  • 自分にはアルツハイマーの老いた母がいますが、もともとが天然な人なので未だに母がアルツハイマーという気がしません。
    ただ、いずれ症状が進むのかしらと母本人も子供である私も覚悟しつつ、戦々恐々としているのが現状です。
    本書は私に勇気をくれた一冊です。母が人生を楽しむ日々を、私も岡野さんのように自然体で見守ることができたら良いなと思います。

  • 色んな物を捨てて軽くなっていく
    泣けます

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著者プロフィール

漫画家、シンガーソングライター。1950年長崎市生まれ。高校卒業後に上京、出版社に勤務。40歳で長崎にUターンし、息子と老いた両親と同居を始める。
父さとるさん亡き後、「ぼけ」が始まった母みつえさんとの日々を、長崎のタウン誌に描き始める。自費出版した漫画が話題を集め、 2012年に『ペコロスの母に会いに行く』(西日本新聞社)を刊行。第42回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞し、25万部超のベストセラーとなった。
同名でドラマ化(NHK-BS)され、2013年秋に映画化される。映画は2013年の第87回キネマ旬報ベスト・テンで、日本映画ベスト・ワンを獲得。『みつえばあちゃんとボク』(西日本新聞社)のほか、『ペコロスの母の玉手箱』『ペコロスのいつか母ちゃんにありがとう 介護げなげな話』など著書多数。
2019年にKADOKAWAから文庫化され、同年5月からNBCテレビ(長崎放送)でアニメが放送開始予定。

「2019年 『続・ペコロスの母に会いに行く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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