本屋がなくなったら、困るじゃないか: 11時間ぐびぐび会議 (棚ブックス)

制作 : ブックオカ 
  • 西日本新聞社
4.16
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本棚登録 : 157
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784816709227

作品紹介・あらすじ

本を売る・つくる仕事はなぜこんなに面白いのに、ネガティブな話題が多いのか。書店・取次・出版社の現場を知る面々が素朴な疑問から出発しつつ、構造的な問題を徹底的に“明るく”“未来に向けて”話し合った。2日間、計11時間にわたり、熱い議論を繰り広げた車座トークの内容に、新しい動きを実践する方々のインタビュー・寄稿を加えた、提言の書。
未来は地方で考える。もっとシンプルに、あたりまえに本を売りたい皆さんへ。流通の再設計と出版社の意識改革で、まちに開こう、オモロイ本屋を!

<車座トークに参加した方々>※敬称略
・スタンダードブックストア 中川和彦
・ブックスキューブリック 大井実
・本屋Title 辻山良雄
・文化通信 編集長 星野渉
・トランスビュー 工藤秀之
・ウィー東城店 佐藤友則 ※ゲスト
・トーハン 水井都志夫
・日販 小野雄一
・丸善博多店 徳永圭子
・弦書房 野村亮
●進行
・忘羊社 藤村興晴
・西日本新聞社 末崎光裕

<特別インタビュー・寄稿>
・トランスビュー 工藤秀之
・・文化通信 編集長 星野渉
・H.A.Bookstore 松井祐輔
・ツバネ出版流通 川人寧幸
・ミシマ社 三島邦弘
・カモシカ書店 岩尾晋作
・長崎書店・長崎次郎書店 長崎健一
・ブックスキューブリック 大井実

感想・レビュー・書評

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  • 福岡で本の仕事に携わる人たちが企画した
    書店・出版社・取次で働く人たちの車座会議。
    取次の仕事って意識していなかった!
    同じ業界の中の、異業種の人たちが改めて本について語る。
    本をめぐる現在の状況は、
    今のままでは立ち行かないことが見えているシステムを
    そのまま使い続けているようだが、
    入り組んだ構造をほどいて新しく構築するのは
    たやすいことではないようだ。
    それでも自分の周りの小さな範囲から動き始めている人もいる。
    物流ってとても大きな要素なんだと思った。
    モノである以上、運ぶという行為、保管するという物理的な場所が必要。
    人件費の問題、整理することで逆に仕事を失う人もいる。
    無駄をなくすことと、要望に素早く対応することを
    両立することの難しさ。
    利益も出さなければ続けて行くことはできず、
    そこの見直しも重要。
    ドイツの配送が素早いのは国土がフラットなせいもあるようだ。
    危機意識をシビアに共有したことで
    システムを作り直すことに成功したのも凄い。
    ・いずれ本をめくって読むという行為自体が忘れられていくのかも。
    ・本は電子か紙かという以前に、本かそれ以外かという選択の中にある。
    ・本屋はライブの場所。
    本屋という場所を街に残すために
    さまざまに取り組んでいる人たちがいる。

  • その昔、小遣い握りしめてコロコロ買いに本屋へ走った。もちろん帰り道も走って家まで帰った。行き帰りの僅かな時間のウキウキ感。たまらなく好きな時間だった。奇跡的にまだその書店は地元にある。奇跡的にもだ。当時笑顔でコロコロを渡してくれた親父さんも未だ現役。もちろん経営は厳しい。それでも頑張って店を開け続けてくれている。街に本屋がなくなったら困るでしょ?あの親父さんと同じ思いがこの本には詰まっていた。

  •  すごくいい本だったと思う。本が売れない原因について考察した本の中ではこれが今まで読んだ中で一番だったと思う。ドイツの事例なども出てきたり、学びが多かった。
     ただこれは本の問題ではなくて、業界の問題なのだろうか。結局光があまり見えてこなかった。最後に出てくる、この業界では、業界団体が自民党に献金したり、そういった力は働いていないのが唯一の救いみたいなことが冗談めかして描いてあって、そこが一番印象に残った。お金の力でねじ伏せて特定の本だけ売らせるみたいなことは、私が知る限りではこの業界ではなくて、やっぱり純粋に内容のよさで売れる本が決まる気がする。そこが出版業界の唯一の光だと思った。
    書店、出版社、取次がお互いの仕事の中身をちゃんと理解していないということに驚かされた。本屋さんが最終的に自分達の取り分がどうしてこんなに少ないのか、自分達で本をつくってみて、本づくりの仕組みを知って、制作費をもっと切り詰められないか探っていきたいって話……書店さんって出版社さんをそんなに信頼していないんだな、って思った。互いに信頼できない業界。だから自分でやるっていうのは解決策になるのだろうか? 必要なのはドイツの事例に出てきたような連帯だけど、しがらみが多くて連帯できない? 時代の変化に合わせた再編成ができない?

    私は書店さんより出版社さんとのやりとりが多いから、制作費がいかに切り詰められていて、そこで質の低下の問題が起こっていることを知っているし、下請けへの外注費が驚く程減らさせていること(最近は新しく出版社さんとやりとりする時、印税率を聞くのが本当に怖い)を知っている。この本の登場人物に女性はほぼ1人もいない。男性ばっかり。結局、書店さんが大変で、もっと自分達の取り分を増やしてくれって言い出したら、出版社は制作費を切り詰めなくてはならなくて、そうすると、下請けの立場の弱い人、特に私達女性翻訳者は、旦那さんが稼いでいるからいいでしょ形式で、ひどい条件をさらに突きつけられるのかと思うと、怖くなった…話し合いの場に女性も入れて下さい。そういう出版社やその下請けの苦しい事情とかも書店さんには真には伝わっていなくて、疑心暗鬼になっているのが分かってやるせなくなった。私が翻訳者になって10年の間に付き合った編集者さん、一体何人やめたんだろう。定年退職した人もいるけど、追い詰められて辞めた人もいると思う。編集者さんも左団扇でいる人、エリート意識を持っている人はこの10年でますます減ってきたのではないか。

    ディスカバー・トゥエンティワンの営業努力のすさまじさが出てくるが、私も書店まわりを最近して、それを切に感じていた。車でしか行けないようなとんでもなく辺鄙な場所にある書店にもディスカバーの営業さんはまわっていると書店さんから教えてもらった。

    結局読者が増えないと、少ない売上を奪い合っても、どうにもならないのでは? と分からないなりに思ったが、違うのだろうか。本が売れれば皆がハッピーになれるのに。

    あと本屋さんで本がなくて、注文になった場合に、また本屋さんに数日後に取りに来なくてはならないが、それを自宅に届けるようにしても、本屋で見つけて、本屋で頼んだ本なら、本屋さんにも報酬が入るような仕組みにすればいいのではないのだろうか。そんな単純じゃない?

    ますます分からなくなってしまった。それなのに本が好きな気持ちが捨てられなくて辛い。こつこつ読んだ本、本当によかったと思った本のレビューを描くぐらいしか、私にはできることはないのだろうか。

  • 私を素敵な本屋へ連れていって!

  • ブックオカで開催された、本屋、取次、出版社の有志の座談会を中心に出版業界のこれからを考える。
    ここまでザックバランに語り合われるのは珍しい。
    これからのあるべき形、なすべき事を示唆する刺激的な本。

  • すばらしくおもしろかった。
    どこかでタイトルは目にしていて、たまたま書棚で目があって、読み始めたらおもしろくて、ちょうどいいタイミングで本書に登場するというか中心人物であるブックスキューブリックの大井さん、本屋Titleの辻山さん、そしてスタンダードブックストアの中川さんによる対談を聴くことができて、これは何かの方向性を私に示しているとしか思えない。いや、思うことにした。

  • 出版不況と言われて久しい。しかし、紙と電子を合算した「本」の売上はもう下げ止まっている。問題は「雑誌」だ。雑誌の売上減少が止まらない。
    戦後の出版流通は、毎日発売される雑誌を全国の書店=読者に届ける任務を担い、整備された。しかしいま、雑誌不況の時代に、そのしくみの妥当性に疑問が呈されている。
    本書は、出版流通の「構造改革」をテーマに2日間・計11時間以上にわたって語り合われた座談会の記録と、追補的なインタビューから成る。大小さまざまな書店、取次(卸売)、出版社から論客が集まり、歴史や国際比較を踏まえて議論した。主催は福岡のブックフェスティバル「ブックオカ」。地方だからこそ抱える論点もシリアスだ。
    最後のページにまとめられた「九州でシンプルに本をつくりシンプルに本を売る仕事を続けていくための構想案」に注目。九州から、歴史を変える新しい取り組みが始まろうとしている。

  • 本屋が無くなったら困る!!

  • 主に九州で営業する書店や取次などが業界ぶっちゃけ話をトークした内容をまとめたもの。
    書店をとりまく状況は厳しいが、これを読むとほんとに厳しいんだなと…そして、九州はさらに厳しい。
    業界の構造の問題や、未来にむけての提案など、本が好きな人なら楽しめる内容になってます。今後さらに業界再編は進むのだろうなと思いました。

  • 福岡を拠点に毎年イベントをしているブックオカの方たちを中心に、本屋のことについて二日にかけてトークセッションをした内容をまとめた一冊。その参加者は出版社、取次しかも大手も中堅も参加、書店といわゆるフルメンバー。

    悲観的な状況といわれながらも、未来が見える事案もあったりもしたが、やはりきびしいというのは変わらず再確認できた。

    本書では九州においての書店流通の改革案も提示され、そこがどう変わっていくか、注目したいです。

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プロフィール

2006年に始まった、九州・福岡の出版社や書店で働く有志メンバーが立ち上げたブックフェスティバル。一箱古本市や数十の書店が参加する文庫フェア、作家のトークショーなど、さまざまなイベントを催している。サブタイトルは「福岡を本の街に」

「2016年 『本屋がなくなったら、困るじゃないか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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