本屋がなくなったら、困るじゃないか: 11時間ぐびぐび会議 (棚ブックス)
- 西日本新聞社 (2016年7月31日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784816709227
作品紹介・あらすじ
本を売る・つくる仕事はなぜこんなに面白いのに、ネガティブな話題が多いのか。書店・取次・出版社の現場を知る面々が素朴な疑問から出発しつつ、構造的な問題を徹底的に“明るく”“未来に向けて”話し合った。2日間、計11時間にわたり、熱い議論を繰り広げた車座トークの内容に、新しい動きを実践する方々のインタビュー・寄稿を加えた、提言の書。
未来は地方で考える。もっとシンプルに、あたりまえに本を売りたい皆さんへ。流通の再設計と出版社の意識改革で、まちに開こう、オモロイ本屋を!
<車座トークに参加した方々>※敬称略
・スタンダードブックストア 中川和彦
・ブックスキューブリック 大井実
・本屋Title 辻山良雄
・文化通信 編集長 星野渉
・トランスビュー 工藤秀之
・ウィー東城店 佐藤友則 ※ゲスト
・トーハン 水井都志夫
・日販 小野雄一
・丸善博多店 徳永圭子
・弦書房 野村亮
●進行
・忘羊社 藤村興晴
・西日本新聞社 末崎光裕
<特別インタビュー・寄稿>
・トランスビュー 工藤秀之
・・文化通信 編集長 星野渉
・H.A.Bookstore 松井祐輔
・ツバネ出版流通 川人寧幸
・ミシマ社 三島邦弘
・カモシカ書店 岩尾晋作
・長崎書店・長崎次郎書店 長崎健一
・ブックスキューブリック 大井実
感想・レビュー・書評
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主に九州で営業する書店や取次などが業界ぶっちゃけ話をトークした内容をまとめたもの。
書店をとりまく状況は厳しいが、これを読むとほんとに厳しいんだなと…そして、九州はさらに厳しい。
業界の構造の問題や、未来にむけての提案など、本が好きな人なら楽しめる内容になってます。今後さらに業界再編は進むのだろうなと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
★S.Oさんからのおすすめコメント★
本屋の本音がわかります。本屋の見方がわかります。
武蔵野大学図書館OPACへ⇒ https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000140469 -
本屋さんによる、本屋さんのための、本屋さんの本。
座談会のメンバーに、ヘビーユーザーが入ったら良かったかも。 -
福岡で本の仕事に携わる人たちが企画した
書店・出版社・取次で働く人たちの車座会議。
取次の仕事って意識していなかった!
同じ業界の中の、異業種の人たちが改めて本について語る。
本をめぐる現在の状況は、
今のままでは立ち行かないことが見えているシステムを
そのまま使い続けているようだが、
入り組んだ構造をほどいて新しく構築するのは
たやすいことではないようだ。
それでも自分の周りの小さな範囲から動き始めている人もいる。
物流ってとても大きな要素なんだと思った。
モノである以上、運ぶという行為、保管するという物理的な場所が必要。
人件費の問題、整理することで逆に仕事を失う人もいる。
無駄をなくすことと、要望に素早く対応することを
両立することの難しさ。
利益も出さなければ続けて行くことはできず、
そこの見直しも重要。
ドイツの配送が素早いのは国土がフラットなせいもあるようだ。
危機意識をシビアに共有したことで
システムを作り直すことに成功したのも凄い。
・いずれ本をめくって読むという行為自体が忘れられていくのかも。
・本は電子か紙かという以前に、本かそれ以外かという選択の中にある。
・本屋はライブの場所。
本屋という場所を街に残すために
さまざまに取り組んでいる人たちがいる。 -
その昔、小遣い握りしめてコロコロ買いに本屋へ走った。もちろん帰り道も走って家まで帰った。行き帰りの僅かな時間のウキウキ感。たまらなく好きな時間だった。奇跡的にまだその書店は地元にある。奇跡的にもだ。当時笑顔でコロコロを渡してくれた親父さんも未だ現役。もちろん経営は厳しい。それでも頑張って店を開け続けてくれている。街に本屋がなくなったら困るでしょ?あの親父さんと同じ思いがこの本には詰まっていた。
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私を素敵な本屋へ連れていって!
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ブックオカで開催された、本屋、取次、出版社の有志の座談会を中心に出版業界のこれからを考える。
ここまでザックバランに語り合われるのは珍しい。
これからのあるべき形、なすべき事を示唆する刺激的な本。 -
すばらしくおもしろかった。
どこかでタイトルは目にしていて、たまたま書棚で目があって、読み始めたらおもしろくて、ちょうどいいタイミングで本書に登場するというか中心人物であるブックスキューブリックの大井さん、本屋Titleの辻山さん、そしてスタンダードブックストアの中川さんによる対談を聴くことができて、これは何かの方向性を私に示しているとしか思えない。いや、思うことにした。 -
出版不況と言われて久しい。しかし、紙と電子を合算した「本」の売上はもう下げ止まっている。問題は「雑誌」だ。雑誌の売上減少が止まらない。
戦後の出版流通は、毎日発売される雑誌を全国の書店=読者に届ける任務を担い、整備された。しかしいま、雑誌不況の時代に、そのしくみの妥当性に疑問が呈されている。
本書は、出版流通の「構造改革」をテーマに2日間・計11時間以上にわたって語り合われた座談会の記録と、追補的なインタビューから成る。大小さまざまな書店、取次(卸売)、出版社から論客が集まり、歴史や国際比較を踏まえて議論した。主催は福岡のブックフェスティバル「ブックオカ」。地方だからこそ抱える論点もシリアスだ。
最後のページにまとめられた「九州でシンプルに本をつくりシンプルに本を売る仕事を続けていくための構想案」に注目。九州から、歴史を変える新しい取り組みが始まろうとしている。 -
本屋が無くなったら困る!!
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福岡を拠点に毎年イベントをしているブックオカの方たちを中心に、本屋のことについて二日にかけてトークセッションをした内容をまとめた一冊。その参加者は出版社、取次しかも大手も中堅も参加、書店といわゆるフルメンバー。
悲観的な状況といわれながらも、未来が見える事案もあったりもしたが、やはりきびしいというのは変わらず再確認できた。
本書では九州においての書店流通の改革案も提示され、そこがどう変わっていくか、注目したいです。 -
面白かった!勉強になった!
本屋さん、取次、(小さい)出版社のホンネ。
どこにも「図書館のせいで人が本を買わなくなる」などという他人への責任転嫁がない。ブックオフくらいは槍玉に挙げてもいいのに(笑)。