- Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
- / ISBN・EAN: 9784817192158
感想・レビュー・書評
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全体の内容は貴重。
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企業の人材育成(HRD: Human Resource Development)部門の実務担当者向けに「教育研修のつくり方と、その効果測定方法」について書かれています。
詳細かつ具体的に書かれていて、アンケート用紙のサンプルも載っているので、大変参考になりました。
残念だったのは、本書のスコープがHRD部門と、受講生(とその部署)に限られていたことです。
そう。“講師”についての話がほとんど書かれていないのですね。私がそうだったのですが、講師を始めたころはアンケート結果に9ついいことが書いてあっても1つ毒があるアンケートがあると、3日くらい尾を引いてズーンと沈み込んでいたものです。
だから、アンケート結果から講師は何を読み取るべきか(何を無視すべきか)といったことや、講義に興味の無い受講生を排除する方法とかについても書いてあったらさらによいのになーと思いました。
とはいえ、
・ ユカタン半島の産婆の話
・ 佐伯胖の「ヨコ」の学習、「タテ」の学習
・ レベルごとの効果測定(リアクション、ラーニング、ビヘイビア、リゾルト)
・ 教育プログラム改訂のための四つのカテゴリー(Add, Delete, Move, Modify)
等々、面白い話が多かったです。 -
日本ではたぶん初めての教育効果測定の専門書です。NPO法人人材開発マネジメント研究会 代表の堤宇一さんたちが執筆。理論と実務の両面からアプローチし、学術書とビジネス書の中間的な文体で、研修者でなくても読みやすい語り口です。この本に関連する記事はこちらから。http://sonoma.ne.jp/2009/04/22/measurement/
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教育システム考察のため読書。企業などで教育研修を行う人向けに書かれている。基本的な枠組みはカークパトリックの4つのフレームワーク(?リアクション、?ラーニング、?ビヘイビア、?リゾルト)に基づき、それぞれのレベルをまずは定義したあとに、目標設立の方法、インタビューやアンケートなどの評価手法などが適切に述べられている。大枠は示されているので、細かい道具をどのように揃えていくかが、研修担当者の腕の見せ所だと思う。
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■概要
日立経営研修所にて品質管理マネジャーを務める、堤 宇一さん編による書。人材育成マネジメント研究会代表として、定期的に効果測定の勉強会を開催している方でもある。2000年から教育効果測定について研究開始、ジャックフィリップスに会いに渡米したり、ASTDでアジア発の事例を発表したりと、この分野ではリーダー的な存在と思われる。
編者のバックグラウンドが物語るように、教育効果測定は、製品開発におけるQC(Quality Control)活動のようなものである、という観点で書かれているのが本書の特徴。つまり、作りっぱなしではなく、品質管理、改善活動までを、効果測定の範疇と見なしているところである。
また、測定のためには、前提としてインストラクショナルデザインに基づいた研修開発が不可欠であり、その大枠の考え方を、わかりやすく概説している点でも評価に値する。
■仕事に参考になる点
一度ですべてを完璧にこなすのではなく、やってみて、不具合があれば改善することをよしとしているところに、個人的には救われた気がした。
ROIの算出方法として、本人にそのまま金額価値のみを質問しても、妥当性に欠けるが、その金額価値に対する研修の貢献度、信頼度などをあわせて確認する方法は使えるかもしれない。
■特徴
効果測定について、網羅的に説明されている点、ROIについても詳しく説明されている点、効果測定結果を踏まえて教育改善を行うステップについても書かれている点が特徴である。(千)
効果測定への理解度を高めるために読みました。
PDSサイクルに基づく「HRDサイクルストーリー」として、研修プログラム/効果測定の実施プロジェクトにおいて、どのような点に気をつけて何をすれば良いのか、
順を追って紹介されている部分が特に参考になりました。
研修自体がある意図のもときちんと設計されていなければ、効果測定はできない/研修にとどまらず、育成施策全般と効果測定は表裏一体のものである、ということを改めて認識できました。(さわ)