- 本 ・本 (199ページ)
- / ISBN・EAN: 9784819111300
作品紹介・あらすじ
この本は、震災発生以来、産経新聞の記者たちが、被災地から送り続けた人間ドラマ48本を読みやすくまとめたものです。そこにあるのは、悲しみに暮れる物語ばかりではありません。亡き母に甲子園出場を誓う少年、妻子を失いながら黙々と働き続ける市職員、プロの仕事に徹して原発復旧にあたる人々など、がれきの街の中で前向きに生きる人々もたくさん描かれています。
感想・レビュー・書評
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被災者の被災体験を
産經新聞が記事にし纏めたもの。
読む人によっては
感じ方が違うと思う。
涙をもって共感を寄せる人も入れば、
遠慮したくなる感情の方が強くなる
人もいるかもしれない。
ただ、人の体験や思いを
自分の中に取り込んでおくだけで
防災意識というのは芽生えるので
「防災」
という観点から切り取ると、
また違った見え方がし、
示唆の多い本になると思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
産経新聞記者による記事を48本まとめたもの
一本が、感情を抑えた淡々とした文章で書かれているが、それでも大きな感情が伝わってくる
津波てんでんこ
人間の想定は役に立たない
最善を尽くす
率先避難者になる -
東日本大震災。
忘れてはならない。 -
新聞記事を1冊にまとめたもの。読みやすいです。
記事が元であるだけに、文面に感情的なものはありません。
それ故に訴えてくるものもありました。
忘れてはいけないことばかりです。
いつまでも伝えていかなければと思います。 -
これからも忘れてはいけない、いや忘れる事の出来ない東日本大震災。語るには、語るべき事が多すぎる大震災。この本は被災者の人間ドラマを描いたルポルタージュ。決して悲しみばかりの話ではないとはあるが、涙が止まらない。『お礼をしてもらいたくって助けたんじゃない。』とお年寄りを救った少年、『泣くのは後で言い』と公に生きる町長、娘を迎えに行きながら津波に飲みこまれた母を待つ幼い娘、家族を失いながらも被災者にエールを送る市職員、『日本の救世主になってください。』と送りだすハイパーレスキュー隊の妻・・・等々。自然は残酷だが、自然に生かされている現実。一日も早く復興し、普通の日常に戻れますように・・・。
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東日本大震災の新聞記事を集めたもの。
そこに生きる人たち一人ひとりの思いや行動がつづられている。悲しいけれども、強く生きる人たちの希望が書かれている。 -
やっぱり読んでると涙が流れてくる。
3.11以前に戻りたい。無理と分かっていても戻りたい。
被災者一人ひとりに物語がある。 -
【東日本大震災関連・その⑫】
(2011.07.13読了)(2011.07.06借入)
東日本大震災に関する産経新聞の記事を一冊にまとめたものです。
前書きには、以下のように書かれています。
「この本は、震災発生以来、産経新聞の記者たちが、被災地から送り続けたさまざまな人間ドラマ48本を読みやすくまとめたものです。そこにあるのは、悲しみに暮れる物語ばかりではありません。亡き母に甲子園出場を誓う少年、家族を失いながらも避難所の人々を勇気づける市職員、そして自ら被災しながらも、プロの仕事に徹する警察官や自衛隊員など、がれきの街の中で前向きに生きる人々もたくさん描かれています。」
4つのテーマに分けてあります。テーマは以下の通りです。「被災地に生きる」「人が死ぬということ」「プロの誇り」「「あの日」の光景」
副題に「わが子と語る東日本大震災」となっていますので、文字が大きく、難しい漢字にはふり仮名が付いています。挿絵もついて子供にも親しみやすく読めるように工夫してあります。
3月11日以後に被災地で何があったのかがわかります。日々の新聞、テレビのニュースでは断片的にしか接することのできない出来事を、まとめて知ることができます。
●娘の書き込み(30頁)
震災後、妙子さん(51)は志保さん(22)のブログを見つけた。こんな書き込みがあった。
「明日で人生が終わるなら、友達皆に連絡して最後は家族と過ごしたい。「楽しかったよ」と伝えたい」
●避難3原則(49頁)
①想定にとらわれない
②最善を尽くす
③率先避難者になる
●被災した学校(55頁)
文部科学省によると、損傷が確認された学校や研究施設は7010にも上る。宮城県南三陸町では町内の8小中学校のうち3つの小中学校で、校舎や体育館が壊れる被害が出た。公立の小中学校や高校などで被害を受けた約6200校のうち、少なくとも約200校は建て替えか大規模な復旧工事をしないと使えないという。
●自衛隊(129頁)
地震に津波の被害が重なった大震災。遺体収容も自衛隊の重要な任務のひとつだ。日常的に遺体を扱う警察官と違い、慣れているわけではない。とりわけ、海に流された遺体と対面するのはつらい作業だという。
凄惨な現場は、隊員の心を消耗させ、無力感さえ抱かせかねない。そのために陸上自衛隊はメンタルヘルスを重視し、夜ごと隊員を10人ほどの班に分け、車座になって一日を振り返る時間をつくった。
●警察官(132頁)
警察官の卵として初めての仕事は、収容された遺体をきれいに拭くことだった。
検視の手伝いは約半月続き、70~80人の遺体をきれいにした。
仕事中に声をかけられ振り向くと、放心状態の女性がたたずんでいた。両腕に3~4歳くらいの男の子の遺体を抱えていた。「息子なんです。きれいにしていただけませんか」
☆関連図書(既読)
「これからを生きる君たちへ」三重博一著、新潮社、2011.04.26
「祈りと希望」、「祈りと希望」実行委員会編、経済界、2011.04.29
「この言葉を忘れない」、『この言葉を忘れない』編集グループ、徳間書店、2011.04.30
「超巨大地震に迫る」大木聖子・纐纈一起著(済)、NHK出版新書、2011.06.10
(2011年7月16日・記) -
震災で、家族を失い、家を失い、希望を失った。
現実に向き合い始めた人、前を向いて歩きだす人、「生きるのも地獄」と感じる人―。
それぞれの「リアル」。
被災していない僕らは、
「被災地、被災者、ガンバレ」と簡単に言う。
けどそれは本当の被災者にとって、非常に酷な事じゃないのか。
考えてしまう。
それでも、僕らは前に進みたい。
寄り添いたい。
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