平和の毒、日本よ

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  • 産経新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784819111713

作品紹介・あらすじ

日本は自分で自分のことを決められなくなってしまったのか。尖閣は国家としての試練だ。今こそ"石原節"が読みたい。

感想・レビュー・書評

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  • 「暴走老人」

    ある人が石原慎太郎著『平和の毒 日本よ』を
    とても感激したからと読め読めと勧めるので
    気が進まなかったが貸してもらって

    (前に瀬戸内寂聴さんとの共著『人生への恋文』を読んで
    あまりに雑な文章なので石原さんは作家しゃじゃないなと思え
    それでもとにかく芥川賞をもらい一時代を作った作家なのだからと
    こんどは『太陽の季節』を読んでみたのだが、
    斬新さはあれども、文学としてはどーかな?)

    ところが、この産経新聞に連載されたというエッセイ集は
    石原さんがマスコミなどでおっしゃっていることの繰り返し
    「日本が平和ボケそていてこうも落ちぶれたのをどーにかせにゃならん」
    ということがひしひしと伝わるなかなか読ませる文章なのであった
    「どーすりゃいいのさ~」とわたしまであせってしまったほど、真に迫っていた

    わたしがそれを読了したのが先月の10月24日(2012年)
    そうしたら翌25日に都知事を辞める発表記者会見
    やっぱり!!
    思わずTVにすいよせられてしまうように見たわ

    とにかくおっしゃることはエッセイとひとつもぶれていない
    そこに感心してしまったのだが

    それからひと月もたっていない間に
    「太陽の党」が出来、出来たと思ったら「日本維新の会」と合体

    やはり暴走だ、乱暴だわ

    とかく年齢が行くと気が短くなる、それはよくわかる
    後がないこともある、それもよーくわかる

    ご自分の権力欲や見栄でないこともわかる
    でも、あぶなっかしくて、、、、

    (2012年10月24日にアップした感想)

  • 2006(平成18)年3月から2012(平成24)年6月まで産経新聞掲載

    小渕内閣 地方分権一括法→耐震性偽装
    戸塚ヨットスクール 動物行動学コンラット・ローレンツ「幼い時期に何らかの肉体的苦痛味わうことのなかった子供→成長しても不幸な人間になる」 暑さ寒さ空腹
    脳幹が健全に育っていない状態でテレビ、パソコン、過剰な刺激→大脳だけ肥大 世界で1番豊かで1番哀れな子供たち
    複式簿記 税金をばらまき与える作業に権威を感じるならその権威に関する責任を果たすのが公僕の責務

    エコノミスト・ビル・エモット 平成18年中国GDPが日本を上回るが日本の30分の1の一人当たりの国民所得、10年でその半分に追いつく事はありえない

    田中美知太郎「憲法に台風来ないことと記載で台風が防げるようか」
    性愛 体は手に入るけど心が手に入らない/根源的な喪失

    宮台真司 情報は現実を希薄化
    ①勘違いを難しくする→どうせ現実は…(人間の想像力を減退)
    ②規範の輪郭をあいまいにする→良いこと悪いことの境が曖昧(スワッピング、乱交→禁忌なるものが消滅)
    ③現実を入れ替え可能にする かけがえのない体験=よくあることだヨ 素晴らしい女性=よくある女だヨ

    自分の感性や情念にのっとった決断や選択の、自らの人生における比重がごく軽いものにされてしまうことで、生きるということの中での、人間としての積極性が殺がれてしまう。これは人間全体にとっての損失以外何ものでもありはしない。
    生きていく中での人生の不可知さ、未知なるものへの恐れや憧れは、生きて自分にしかできないかも知れぬ試みを手がけることでの満足、充実のよすがの筈だが、それがはなから疎外されていてはなべて「新人」の登場の余地などなくなってしまう。
    人生そのものが既視現象になってしまえば生きることそのものが無意味にさえ感じられてしまうだろうに。

    ホーキング 文明の発達した星は循環が狂い極めて不安定/まあ100年ほどか

    横田基地 平時に共同使用

    P97 北極の氷2030年完全に消滅

    敗戦後、帝国海軍の復権阻止のため、海岸線全て漁師に開放→地元の漁業組合は非組合員の一切の潜水を禁止・海は誰のものか?現在レジャー活用を阻害 漁網 加害者と被害者が混在☆原発の汚染水で反対する漁協…海からの利益を独り占め/日本食ブーム 外国は本心は軍事的理由で漁協ガンバレ!

    新しい移民法→アジアに門戸を開く☆日本のために汚染水排水反対を言うはず!
    平成20年 中国冷凍餃子事件 上海蟹→生息海水は航空写真で明らかに汚染

    科学と神について考えるとき 月面着陸 ある者は地球を眺め神を感じ牧師へ、ある者は月で神を見失い信仰を失った☆R020628コロナ禍で海外当分ムリ・子供に人生を変えるような景色を見せてあげたい

    ロケット、ミサイル部品 へら搾り→中小企業 新銀行東京

    平成20年①環境破壊②経済危機
    ☆2007年米国住宅バブル崩壊、サブプライム住宅ローン危機
    2008年9月15日リーマン・ブラザーズ/連邦倒産法適用を連邦裁判所に申請 日経平均株価9月12日(金)終値は12,214円→10月28日には一時は6,994.90円まで下落
    ③新型インフルエンザ

    2009年2月掲載 2016年オリンピック招致→リオは南米初の理念…

    本居宣長 敷島の大和心を人問えば朝日に匂ふ山桜花☆【敷島の】大和・日本(やまと)にかかる枕詞
    【大和心】反対語は漢心(からごころ)/今昔物語での使われ方 才(=知識)はある博士だったが大和魂(=生きた智恵)がなかったのでこんなしょうもないことをして死んでしまった
    【匂ふ】現代の「匂う」は<香りが匂う>意味で使うが昔は(花が)<美しく咲いている・美しく映える>
    【山桜】日本でよく見かけるソメイヨシノは里桜/奈良の吉野の桜など自生する桜の代表的な種が山桜R020628来春見に行きたい ソメイヨシノは栽培簡単で明治時代に文部省が学校に指導・造園業者と結託HP本多勇夫「塾・ひのくるま/折々の記」

    P203ページ 911アメリカは処女体験☆日本の敗戦→処女体験 ビッグ・エベント チリー …嫌いな表現

    被虐に通じる民族的な受動性 日本を取り巻く海→世界一予測困難
    自虐、その克服に何をするかなどという案は一向に出てこない
    こうした兆候は所詮「弱者」のものでしかないが、太宰文学の流行が示す若い世代の、弱々しさへの時代的な共感は彼らが担うはずの次の時代のこの国の衰運を予見させる気がしてならない。
    この閉鎖的な状況の克服のため我々は一体何を試み志したらいいのだろうか。将来私たちを足下から掬うような途方もない外圧が到来するかも知れぬ可能性はあり得るが、窮余の策としていたずらにそれを待つということでは国家民族としてはいかにも情けない。

    福田和也「なぜ日本人はかくも幼稚になったのか」IQの低い・ものを知らないということではない→何が肝腎なのか分からず、肝腎なことについて考えようとしない人間のこと

    正確な二十四節気を 変化に富んだ日本の風土☆温暖化した夏のスタンダードつくり/防災

    首都大学東京入学式 司会の若い小綺麗なアナウンサー なぜ礼をさせないのか帰りがけ注意
    1人で学食に行けぬ学生 若者のひ弱さ なぜ堂々と一人きりでいられないのか☆今の自分・人の目を気にしてばかり…

    フィリピンスプラトリー諸島 中国の古銭、土器破片ばらまき→調査団「かつて中国人が住んでいた証拠」強引に基地

    梅本和美北米局長 「貴様は一体どこの役人だ!」「日本の役人でございます」
    周恩来が外務官僚に「官匪」と呼んで非難
    横田問題のシンポジウムで「日本のコンセンサスができていない」とアメリカに根回し
    パチンコ 国力低下につながりかねない→韓国では禁止

    アナキスティック(反社会的)で政治の運用に関しては無能・菅直人 自らの地位の保身のため国民の多くが潜在的に抱いている原子力に関するセンチメントに卑屈に媚びるものでしかない→将来の国民のために冷静な検討と選択を導き出すものではない

    運輸大臣時代 国会議事堂の中央ドーム雨漏り、補修のためすっぽり覆われている→クリストの写真を思い出し送った
    彼のイベント→出来上がってみるとそこになんとも不思議な風景が出現し、人々の想像力をくすぐり刺激してくれるが、国会議事堂のそれは国会の奇妙な権威主義を軽蔑、冒涜するが如くにただグロテスクで、私にはある意味では痛快だった。
    一見馬鹿げた発想は多分ヨーロッパでは顰蹙を買うだろうが、アメリカではその馬鹿馬鹿しさに意味を持たせ得る。
    日本にも突飛なことを考える者達はいるにはいるが、政治も社会も彼らには冷淡すぎる。昔の日本はこうではなかったのだが。

    明治憲法73条☆(将来この憲法の条項を改正する必要があるときは、勅命により、議案を帝国議会の決議に付さなければならない。この場合において、両議院は、各々その総員の三分の二以上が出席するのでなければ、議事を開くことができない。出席議員の三分の二以上の多数を得るのでなければ、改正の議決をすることができない。)75条(憲法及び皇室典範は、摂政を置いている間、これを変更することはできない。)
    共産党の野坂参三まで反対

    天皇陛下の勇気 見送りのため玄関口 つかつかと歩み寄られ、小声で、しかしはっきりと「東北へは私が自分で行きます」
    1年式典 式辞を述べられ退席される陛下に出来れば私は、二階正面から陛下のご健勝を祈って天皇陛下万歳を叫びたかったが、なぜか司会者は天皇のご退席は着席のままお見送りするようにと案内していたのでそれはかなわなかった。

  • 2013/09/19:読了。
    日本ダメダメ本の1つ。
    官僚がダメ、という点では小沢さんと同じなんだけどな

  • この本を読んでいるのを見た上司が、「石原慎太郎を読むんか。君は『右』か?」

    別に右でも左でもありませんが、日本大好き人間です(笑

    産経新聞の連載をまとめたものだが、大震災の前から地震の備えを訴えてるし、尖閣の問題もずっと前から危惧している。
    主張も一貫していて好感が持てる。

    もの言いはあまり好きじゃないが、考え方は賛同できる部分が大きい。
    もう少し若ければ総理の芽もあったろうに。

  • 尖閣への関わり方以来、今まで以上に気になっていた慎太郎氏の考え方を紐解くのに最適な著書の一つ。
    歴史認識と、自らの信念を強く持ち、行動に移す力は、稀有で貴重な存在。
    正しいか、否かは別だけど。。

  • 石原節、炸裂。同じ内容の話が何度も出てきて、少し食傷気味になった気がします。

  • ★3つの理由だが産経新聞に定期的に掲載されているものが、そのまま本になっただけだったので、ちょっと残念でした。
    でも最近掲載された「日本よ(たぶん11月5日)」はかなり内容が良かったと思いました。
    知事を退いて何かふんぎれたのか・・・。

  • 我欲がこの日本を堕落させた。まさに平和の毒だ。自分のことよりも少しでいいから人のことが考えられる日本人となること。この些細な自己変革を心がけることが日本を変える。石原節ありがとう。

  • -2023/10/08 「茹でがえる」となった全国民に告ぐ日本国からの箴言

  • *日本は自分で自分のことを決められなくなってしまったのか!
    「国会議員は尖閣に行け」「愚かなる外務省」「原発に関するセンチメントの愚」「靖国再考」「経済性なる欲望からの解放」「地球は滅びるだろう」
    「アメリカは真の友人か?」「靖国再考」「世界史のうねりのなかで」

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著者プロフィール

1932年神戸市生まれ。一橋大学卒業。55年、大学在学中に執筆した「太陽の季節」により第1回文學界新人賞を受賞しデビュー。翌年同作で芥川賞受賞。『亀裂』『完全な遊戯』『死の博物誌』『青春とはなんだ』『刃鋼』『日本零年』『化石の森』『光より速きわれら』『生還』『わが人生の時の時』『弟』『天才』『火の島』『私の海の地図』『凶獣』など著書多数。作家活動の一方、68年に参議院議員に当選し政界へ。後に衆議院に移り環境庁長官、運輸大臣などを歴任。95年に議員辞職し、99年から2012年まで東京都知事在任。14年に政界引退。15年、旭日大綬章受章。2022年逝去。

「2022年 『湘南夫人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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